ドル上値トライ仕切り直しも基調は変わらず
〇ドル/円、積極的な動意に欠け16時現在133.15-20で推移
〇リッチモンド連銀総裁「さらにやるべきことがある」と述べる
〇132円台に位置する移動平均の21日線や90日線などがサポート
〇本日は米経済指標として3月生産者物価指数や新規失業保険申請件数等発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.40-133.80
〇ドル高・円安方向は東京高値も近い133.40レベルが最初の抵抗
<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場は揉み合い。133円台前半を中心とした狭いレンジで方向性も乏しかった。
ドル/円は133.10-15円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。早朝に「北朝鮮がミサイル発射」との報道が観測されたものの、為替市場への影響は限定的。結局、133円台前半を中心とした40ポイントほどのレンジ取引に終始している。16時現在では133.15-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、豪ドルが対円などで堅調裡。発表された豪経済指標、雇用者数や失業率が改善したことが好感されたていたようだ。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「台湾情勢」について。
前者は、注目の米消費者物価指数が発表され、ほぼ予想通りながら一部の数値が下回っており、それが嫌気されていた。また、公表された3月の米FOMC議事録要旨で、SVB破綻などを受け「金利据え置きが適切かどうか検討」されたことが明らかとなり、市場の弱気ムードを後押ししていた。ただ、リッチモンド連銀総裁が「我々の望む水準にコアインフレを戻すには、さらにやるべきことがある」と述べるなど、追加利上げへの期待感そのものはいまだくすぶっていた。
対して後者は、台湾情勢をめぐる自身の発言が批判を招いたことについて、フランスのマクロン大統領が、フランスの台湾に関する立場に「変わりはない」と釈明したものの、主張そのものは撤回せず。さらに「欧州の戦略的自立」を促す持論を説いて波紋の収束を図ったが、逆に火に油を注いだ感もある。このあとも言動には引き続き要注意だ。一方、台湾の国防部(国防省)は本日午前、過去24時間に中国空軍機14機が台湾海峡の中間線を越えたと発表。中国軍は8日から台湾周辺での演習をいまだ継続しているようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は、東京時間に1ヵ月ぶりとなる134円台を示現したものの、終わってみれば日足は陰線。一時132円台まで大きく反落する局面も観測されていた。ドルの上値トライは一旦仕切り直しとなり、頭も重そうだ。とは言え、132円台に位置する移動平均の21日線や90日線などがサポートになった格好で、基本的なリスクは依然としてドル高方向にバイアスがかかりそう。しっかりとした底堅めののち、再び上値を試すといった声も多い。
市場は米金融政策への関心が引き続き高い環境下、発表される米経済指標や当局者による発言に一喜一憂する展開となっている。本日も、まずは発表される3月の生産者物価指数などの米指標に要注意。また、本日までワシントンでG20財務相・中銀総裁会議が開催されているほか、16日からは軽井沢G7外相会合が実施されるなど、重要とされる国際会議が相次ぐことも気掛かりだ。各国政治ファクター、そして各国首脳などの発言にも別途注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は一目均衡表の先行帯の雲の下限がサポートになっている反面、上限がレジスタンスとなっている。つまり、本稿執筆時に推移している133円台前半などは、先行帯の雲の中にどっぷり漬かっている状況で、方向性はハッキリしない。大雑把に言って上値は134円半ば、下値は132円半ばのどちらを抜けていくのかが注目されるが、そのまま横這いでトレンドが明確にならないままの値動きが続く可能性もある。
本日は米経済指標として、3月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定となっている。昨日発表された米消費者物価指数がわずかに予想を下回ったこともあり、市場では指標悪化への警戒感が強いようだ。下振れの場合、とくに要注意か。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.40-133.80円。ドル高・円安方向は東京高値も近い133.40円レベルが最初の抵抗。超えると昨日高値134.04円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、132円台には上から90日線、一目均衡表の雲の下限、21日線と並んでおりかなり底堅そう。少なくとも大崩れは予想しにくいイメージだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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