ドル円 欧州休場多いなか日銀新総裁の就任会見注視(23/4/10)

週明け10日の東京市場はドルが堅調裡。テクニカル面から頭も重そうとみられるなか、一時132.80円レベルまで値を上げていた。

ドル円 欧州休場多いなか日銀新総裁の就任会見注視(23/4/10)

欧州休場多いなか日銀新総裁の就任会見注視

〇本日のドル円、当初は下値を探る展開で日中安値131.85レベルまで下落
〇その後は一転して上値試し、132.80前後まで1円近く急伸
〇本日7時15分から実施される「植田新総裁による就任記者会見」に要注意
〇本日は米経済指標として2月卸売在庫確報や同卸売売上高が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.60-132.90

<< 東京市場の動き >>

週明け10日の東京市場はドルが堅調裡。テクニカル面から頭も重そうとみられるなか、一時132.80円レベルまで値を上げていた。

先週末は、中国軍が台湾を取り囲む地域で大規模軍事演習を実施していることが話題に。また、米紙が「米機密文書、SNSに大量流出」などと報じ物議を醸すなか、情報漏洩についてロシア政府関与の可能性も別途取り沙汰されていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は132.10-15円で寄り付いたのち、当初は下値を探る展開。日中安値の131.85円レベルまで下落している。しかし、その後は一転して上値を試すと132.80円前後まで1円近くも急伸。132円後半ではさすがに上げ渋ると、16時現在では高値から小緩んだ132.50-55円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ロシアはトルコ外相と会談を実施し、ロシア産食料輸出拡大で一致をみるなか、早くも来月中に期限切れを迎える黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意に関しては、協議からの離脱を仄めかすなど揺さぶりを掛けていた。また、米国に対しても開放要求の根強い米紙WSJ記者を、逆に当局に起訴されたと伝えられている。対立構造がさらに強まる可能性もありそうだ。そうしたなか、ロシア報道官は国営テレビで、「ベラルーシと対NATOで結束し対抗する」考えを明らかにしていた。

対して後者は、大きく2つの状況が思惑を呼ぶ。ひとつは、先で指摘した「台湾を取り囲む地域で大規模軍事演習を実施」するなど台湾をめぐる動き。先週実施された台湾総統の訪米に対する抗議と威嚇の動きが執拗なほど繰り返されていた。また、報復措置は米国に対しても実施されており、蔡総統が講演したシンクタンクのハドソン研究所などに対し、中国の個人や団体との交流を厳しく制限する措置を発表している。一方、それとは別に先週訪中した仏大統領が豹変とも言える「親中派」ぶりを発揮して話題に。たとえば、先の台湾情勢についても仏紙のインタビューで「欧州は米国の戦略に追従すべきでないという認識を示した」とされている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先週はじめ3日の133.75円でドルの目先高値、そして5日130.64円で同安値を示現した感もある。実際、その後は週末7日に注目の米雇用統計が発表されたものの、前述した3円強のレンジにとどまっていた。予断を許さないが、いましばらくそんな3円強のレンジ取引が続く可能性も考えられる。ただ、先週は超えられなかった移動平均の21日線などを本稿執筆時に上抜きかかっていることからすると、リスクは上向きか。
日米金融政策が注目を集めており、週間を通しては3月の消費者物価指数をはじめとする米経済指標の内容に要注意。ただ、目先は米国よりも日本の金融政策スタンスに注目か。具体的には本日東京午後6時過ぎに実施される「植田日銀新総裁と岸田首相の会談」ならびに、そののち7時15分から実施される「植田新総裁による就任記者会見」に要注意だ。ロンドンなど主要欧州市場が休場となる時間帯のイベントだけに、場合によっては市場の波乱要因となるか。

テクニカルに見た場合、先週のドル/円は移動平均の21日線などを一時上抜けたが、結果的に押し戻される展開。しかし、先週失敗した21日線や一目均衡表の先行帯の雲の下限などを、足もとザラ場ベースでは再び上抜けての推移となっている。このままの状況でNYクローズを迎えることが出来るのかを注視しておきたい。
一方、そんなドルの抵抗は本日東京高値に近い90日線か。超えると133円台乗せが見えてくる。

本日は米経済指標として、2月の卸売在庫確報や同卸売売上高が発表される予定となっているが、主要欧米市場が引き続き休場となることもあり、材料そのものは少なめ。油断は禁物だが、欧州時間を中心に基本は小動きをたどる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.60-132.90円。ドル高・円安方向は90日線も程近い本日東京高値の132.80円レベルが最初の抵抗。抜けると133円台回復も。
対するドル安・円高方向は、足もと上抜けている21日線や一目均衡表の先行帯の雲の下限を再び割り込むのか否かにまずは注目。下抜ければ東京安値131.85円レベルなどがターゲットに。

欧州休場多いなか日銀新総裁の就任会見注視

ドル円日足

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