シカゴポジション(CME)380
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年4月4日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴポジションは4通貨共にポジション調整してきました。
豪ドルは今年に入り、2月28日締日が最低ショートの▼24,165枚(終値0.6679)、3月14日が最大ロングの▼40,091枚(終値0.6679)でしたので、概ねコストで手仕舞いした形になります。来週以降▼2万枚以下に減らしてくると2021年6月に本格的ショートへ参入して以降、最低のショート枚数になるので、豪ドル先安の相場観を止める可能性が出てきます。NZドルも今年に入り、昨年末のショートを手仕舞いし上手く対応していましたが、それ以降は相場観が真逆になっています。2月7日に+10,844枚(終値0.6323)となりロングの最大枚数。その前週終値が0.6439でしたのでコストが悪く、結局3月14日に▼4,741枚(終値0.6325)に引っくり返し、その後は0.6139まで売り下がり、今回のショート手仕舞いになっています。
前週締日翌日にはNZ中銀の大幅利上げで0.6379の瞬間高値を付けているので、明日のポジションは重要になります。これまでの流れでいけばNZドルショートは減っていると思います。ドル円はまだ目安の5万枚以上のロングをキープしているのでドル先高観は崩していません。但し、直近では3月7日締日が▼75,303枚で最大となり、その日終値が137円16銭で、その水準まで買い上がっていましたが、コストが悪いので手仕舞いしている模様です。暫くは130円台前半中心(130円〜135円)のレンジを見始めているかもしれません。ユーロは1.0650〜1.0750で直近では最大のロング+165,068枚にしており、1.09〜1.10で一部利確しています。このまま1.10を越えていくとの相場観を持っていると思いますが、まずシカゴが16〜17万枚方向への積み上げを開始してからの流れとみておきます。
シカゴは2週連続でショートを減らし、ショートポジションを半減しました。類推した持ち値からすると損切りと思われます。相場観の目安となる5,000枚を下回り、明日の締日でショートが更に減れば、NZドルショートの相場観は一度撤退と思われます。下図のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドラインが0.5700〜0.6420にあり、先週NZ中銀の金融政策後の高値0.6379までありましたが、その後は大きく下落しています。今年2月9日・14日の高値が0.6391でしたので、先週3回目トライ失敗に終わっています。終値ベースのチャートでもほぼ黒の抵抗線(0.6420)近くまで戻っているので、NZドル弱い中での戻りが終了した可能性あります。
さて実際の相場は、先週「…下値は昨年10月13日底値からのサポートが0.6170にあり、金曜日には0.6195付近になります。今週はこれを守れるか否かになります。もし守られた場合は再度上値トライに繋がり、0.6290〜0.6300、0.6330、0.6350〜60の抵抗線を狙う形です。一方で、サポートを切れた場合には0.6130、0.6090、0.6060の順に下押しとなります」としましたが、先週の底値は0.6202までで、0.6175〜95のサポートを守り、5日に高値0.6379を付けてから反落しています。日足では今年3月13日底値からのサポートが0.6200にあり、今週はここを守られるか否かをみます。金曜日には0.6215まで上がります。切れた場合は一段の下押しに入り、0.6160〜70、0.6130の順にあるサポート狙いとなります。もしサポートを維持できれば、まだ短期的にはNZドル高にあるので、最初の抵抗線0.6270をこなせるか否かを確認します。越えた場合は0.6310、0.6350、0.6380〜90の順に抵抗線あります。(1NZドル=0.6227米ドル、4月10日14:10)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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