米指標の悪化続く、本日も波乱要因に
〇本日のドル円、131.30前後で寄り付いたのち、下値を試す展開になり131円割れに
〇その後一転してドル買い・円売り優勢、寄り付きレベルを超えドル続伸で131.40-50で推移
〇クリーブランド連銀総裁「5月会合で利上げするかどうかの判断はまだ早い」と述べる
〇明日発表される米雇用統計が予想を下回れば、ドルの下値リスク拡大
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.70-132.00
〇ドル高方向は昨日高値131.84が最初の抵抗、ドル安方向は昨日安値130.64が最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は「行って来い」。一時ドルが弱含みに推移するも急反転し、夕方に掛けて寄り付きレベルまで値を戻している。
ドル/円は131.30円前後で寄り付いたのち、下値を試す展開になると131円割れ。米金利の動きなどをにらみつつ、日中安値の130.80円レベルを示現した。しかし、その後は一転してドル買い・円売りが優勢になると結果「行って来い」。さらに寄り付きレベルを超えてドルは続伸すると、16時現在では131.40-50円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日発表された米経済指標、ADP雇用統計なども予想を下回る内容。これで週明けのISM製造業景況指数を皮切りに、発表される米経済指標は連日期待を裏切っていることになる。そのため要人発言も、クリーブランド連銀総裁が「5月会合で利上げするかどうかの判断はまだ早い」と述べるなど、追加利上げについてさらにトーンダウンした感も否めないだろう。少し早いが、明日発表される米雇用統計が予想を下回れば、いよいよドルの下値リスクが大きく拡大することになるかもしれない。
対して後者は、ロシアとベラルーシ首脳が会談を実施し、「対米欧での連携」を表明。また、両首脳は本6日にも会談を実施する見込みであり、「安全保障問題に関する共同決定」などが議論されるという。そうしたなか、米国とは引き続き一線を画していたようで、新たに着任した外国大使の信任状奉呈式に臨んだプーチン氏が「米露関係は深刻な危機に直面している」と指摘したうえで、米国を批判していたようだ。一方、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使がロシア大使と電話会談、スパイ容疑で拘束されているWSJ記者解放を要求したと伝えられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円の日足は3日連続の陰線引け。そのあいだに、前回安値129.65円を起点にした上げ幅の7割以上も吐き出した格好になる。リスクはドル安方向にバイアスが掛かりそうで、フィボナッチを参考にすれば中期ターゲットは100%押し。つまり129.65円までの押しが入っても不思議はなさそうだ。ただ、それには明日発表の米雇用統計の内容を見極めたいところで、本日は131円台を中心とした一進一退が続く可能性もある。
注目を集めている米金融政策だが、状況的には気迷い。昨日の東京時間にはNZ中銀の利上げを受け、「FRBも・・・」といった見方が一部で取り沙汰されていたが、その後発表された米経済指標の悪化や、本日東京では事前に利上げに含みを持たせていたインド中銀が利上げを見送ったことが伝えられ、米国についても見送り論が再び浮上していたという。いずれにしても、このあとの欧米時間はやはり発表される米経済指標に一喜一憂する展開か。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間こそドルが反発に転じたものの、基本的なリスクは下向きか。移動平均では中期の21日線と90日線がデッドクロスしてきたことも、ドル続落を暗示させる一因と言えよう。
一方、ドルの下値メドについては、3月24日安値129.65円を起点とした短期上げ幅のフィボナッチでは61.8%押しをすでに下回っており、昨日安値にほぼ合致する76.4%押し(130.60-65円)の攻防に注目だ。それも下回るといよいよ100%押しを否定できなくなる。
本日は米経済指標として、3月のチャレンジャーレイオフ調査や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定となっている。週末に米雇用統計の発表を控えるなか、先行して発表された雇用動態調査(JOLTS)やADP雇用統計などの雇用関係指標はいずれも期待を裏切る結果。本日の雇用指標の結果も気になるところだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.70-132.00円。ドル高・円安方向は昨日高値131.84円をめぐる攻防にまず注目。抜けると132円台回復も。
対するドル安・円高方向は、フィボナッチポイントにも合致する昨日安値130.64円が最初のサポート。割り込むと130.40円、130円前後などが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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