ドル円、堅調推移が継続中。本日は年度末・月末フローや、日米インフレ指標に注目(3/31朝)

30日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、堅調推移が継続中。本日は年度末・月末フローや、日米インフレ指標に注目(3/31朝)

ドル円、堅調推移が継続中。本日は年度末・月末フローや、日米インフレ指標に注目

〇ドル円、欧米株の堅調推移、米金利上昇等に米国時間午後にかけ132.97まで急伸
〇ユーロドル、欧州株の堅調推移、独CPI の様相を上回る結果等に米国時間に、高値1.0927まで急伸
〇ドル円、上方向に主要レジスタンスポイントが複数控えここからの上昇容易でないか
〇ファンダメンタルズもドル円相場の反落を連想させる材料が残る
〇ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:131.50ー133.50

海外時間のレビュー

30日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(2)本邦輸出企業の年度末絡みのドル売り・円買い、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力、(4)日経平均株価の冴えない動き(3月期末配当の権利落ち要因)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値132.21まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)欧米株の堅調推移(リスクオンの円売り再開)や、(6)短期筋のショートカバー、(7)米金利上昇に伴うドル買い再開が支援材料となり、米国勢参入後に、高値132.97まで急伸しました。米国時間午後にかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/31午前6時25分時点)では、132.65前後で推移しております。

尚、昨日発表された米10ー12月期GDP確定値(結果+2.6%、予想+2.7%)や、米新規失業保険申請件数(結果19.8万件、予想19.6万件)は共に冴えない結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。また、昨日はリッチモンド連銀バーキン総裁による「インフレが続く場合、FRBはさらなる利上げが可能」とのタカ派的な発言や、ボストン連銀コリンズ総裁による「インフレを低下させるためにいくらかの追加利上げが必要」とのタカ派的な発言、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「インフレをより低下させるために1年を通して金利を高く保つ必要がある」とのタカ派的な発言が相次ぎましたが、こちらもドル円相場への影響は限られました。

30日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(2)スペイン3月消費者物価指数速報値(結果+3.3%、前回+6.0%)の大幅鈍化、(3)上記2を背景としたECBによる金融引き締め休止観測が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0824まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)エルダーソンECB専務理事による「インフレ見通しが合致すれば利上げすべき」とのタカ派的な発言や、(5)欧州株の堅調推移(リスク選好のユーロ買い圧力)、(6)ドイツ3月CPI速報値(結果+7.4%、予想+7.3%)の市場予想を上回る結果、(7)ドイツ3月HICP速報値(結果+7.8%、予想+7.5%)の市場予想を上回る結果、(8)ECBによる金融引き締め長期化観測の再燃(欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0927まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/31午前6時25分時点)では、1.0905前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時132.21まで下げ幅を広げるも、米国勢参入後に132.97まで急伸する展開となりました。但し、昨日も述べた通り、アップサイドには、90日移動平均線(133.26)やボリンジャーミッドバンド(133.42)、21日移動平均線(133.58)や一目均衡表基準線(133.78)といった主要レジスタンスポイントが複数待ち構えているため、ここからの更なる上昇は容易では無いと考えられます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)足元で幾分後退しつつあるとはいえ、世界的な金融システム不安が依然として燻っていること(本質的な解決には繋がっておらず一巡後にリスクオフが再開する恐れが残存)や、(2)米FRBによる金融引き締め休止観測(CMEが提供するFedウォッチツールによると、次回5月FOMCでの据え置きが市場コンセンサス)、(3)日銀による金融緩和の修正期待(4/27ー4/28に予定されている植田総裁最初の会合でのサプライズ修正およびサプライズ発言に対する警戒感)、(4)上記2、3を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレードの逆流懸念)など、ドル円相場の反落を連想させる材料が残っています。

こうした中、本日は上記3を確認する意味で東京区部3月消費者物価指数、上記2を確認する意味で米2月PCEデフレーターに各々注目が集まります。前者が市場予想を上回る場合や、後者が市場予想を下回る場合には、日米金利差縮小観測の高まりを通じて、ドル売り・円買いが一気に進む恐れもあるため、本日はドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は年度末・月末となるため、本邦仲値やロンドンフィキシングに絡む特殊フローにも注意が必要でしょう(仲値やロンドンフィキシングのタイミングで相場が乱高下する恐れあり)。

本日の予想レンジ:131.50ー133.50

ドル円、堅調推移が継続中。本日は年度末・月末フローや、日米インフレ指標に注目

ドル円日足

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