ドル高傾向継続か、133円トライも(3/30夕)

30日の東京市場はドルが小安い。ただ、前日2円を超える大きな変動をたどった反動からか、積極的な動意に欠けレンジそのものは限られた。

ドル高傾向継続か、133円トライも(3/30夕)

ドル高傾向継続か、133円トライも

〇本日のドル円、132円後半を中心とした狭い範囲内での一進一退をたどる
〇基本的なリスクはドル高方向、雲上限や133円レベルを超えればさらなるドルの戻りに期待
〇良好な経済指標や地区連銀総裁の強気コメントで米利上げについて再び強気ムードに
〇本日は米経済指標としてGDP統計確報や新規失業保険申請件数が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.70-133.10

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はドルが小安い。ただ、前日2円を超える大きな変動をたどった反動からか、積極的な動意に欠けレンジそのものは限られた。

ドル/円は132.85円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。月末・四半期末を前にしたゴトー日ということで需給要因なども懸念されていたが、結局のところ大きな変動には繋がらなかった。132円後半を中心とした狭い範囲内での一進一退をたどるなか、夕方に掛けてややドルが弱含みに。16時現在では132.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「金融システム不安」と「ロシア情勢」について。
前者、昨日も米財務次官から「全額預金保護」を示唆する発言が聞かれたうえ、ECB専務理事は「ユーロ圏において銀行預金の全体的流出は見られない」、カナダ中銀副総裁「銀行システムが深刻な緊張状態に陥った場合、支援に乗り出す用意がある」−−などとコメントしていたようだ。不安はさらに後退した感があるものの、ブルームバーグは米銀大手が「世界の為替市場は年内に流動性逼迫の影響を受ける恐れがあると警告」などと伝えていた。潜在的なリスクは、まだしばらく続く可能性もある。

対して後者は、米国務省が、ロシアとの核軍縮条約に基づく一部の情報提供を停止すると明らかにしたことへの報復とみられる措置として、ロシアが「米国との核軍縮条約に基づくミサイル発射実験の事前通告を停止する」と発表。また欧米諸国へのけん制もあり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ヤルス」の運用訓練を含む軍事演習を開始したと発表したほか、ペスコフ報道官から「欧米との対立が深まるなか軍事侵攻は長期化する」との見通しも伝えられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円はドル堅調裡。日足だけで2円近い陽線となった。22日高値である133円に接近するも抜けられず、また一目均衡表の先行帯の雲の上限もしっかりとは超えられなかったが、基本的なリスクはドル高方向か。前述した一目の雲の上限や133円レベルを超えれば、さらなるドルの戻りが期待できそうだ。ちなみに、抜けた場合には移動平均の90日線(133.30-35円)、同21日線(133.70円前後)などが次のターゲットに。
SVB破綻に端を発した足もとの金融システム不安はかなり後退。また、発表される米経済指標が良好な内容が多いうえ、地区連銀総裁などの強気コメントもあり、米利上げについて再び強気ムードに傾斜しつつある。こうした基調がこのあとも続くことになるのか、本日も発表される米経済指標や要人発言にまずは注目。さらに、昨日に続き月末や四半期末をにらんだ需給要因も波乱要因として注意しておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は24日の129.65円が目先のボトムになり、22日に示現した前回高値に急接近する展開。改めて指摘するまでもなく、今年はダマシの多いことが気掛かりだが、基本的なリスクは上向きでドルの続伸が期待されている。ただ、若干気になるのは来週初めにかけて、一目均衡表の先行帯の雲の上限と下限が入れ替わる「捻じれ」が発生すること。足もとのドル高傾向に水を差される可能性もなくはない。

本日は米経済指標として、1-3月期のGDP統計確報や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定となっている。また、ボストン連銀総裁らによる講演や台湾総統訪米にともなう要人との接触など一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.70-133.10円。ドル高・円安方向は前回高値でもある133円の攻防にまずは注目。超えていければ90日線や21日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、131円後半から132円レベルが目先のサポート。下回ると131円半ばや131円が視界内に入ってくる。

ドル高傾向継続か、133円トライも

ドル円日足

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