東京市場のドル・円はじり安、米当局トップ二人の発言で消化不良の地合いに
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とイエレン財務長官が相反する発言を行った影響からドル売りの地合いとなった。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、想定通りの0.25%の利上げとなったほか、FOMC声明から「継続的な誘導目標レンジの引き上げが適切」という文言が削除された。また、パウエルFRB議長からは、中長期的な金融環境のリスクなどへの言及が示されるなど「ややハト派」な内容となった。
ただ、同時刻に開催されていたイエレン財務長官の上院小委員会の公聴会にて、「銀行システムを安定化させるために『全面的な』預金保険を提供することを規制当局が検討することはない」と発言。米金融当局トップ二人から「金融システム」に対して相反するコメントが出たことから市場は混乱。海外市場での消化不良は、東京市場でも継続し、リスクオフの相場展開となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:131円43銭
高値:131円43銭
安値:130円43銭
終値:130円76銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:142円73銭
高値:142円80銭
安値:142円18銭
終値:142円49銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:87円92銭
高値:88円15銭
安値:87円78銭
終値:88円04銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:161円21銭
高値:161円26銭
安値:160円71銭
終値:161円18銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:27232円97銭
高値:27439円00銭
安値:27175円63銭
終値:27419円61銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時30分、スイス、中銀政策金利、前回:1.0%、市場予想:1.5%
20時00分、トルコ、トルコ中銀政策金利、前回:8.5%、市場予想:8.5%
21時00分、英、英中銀政策金利、前回:4.0%、市場予想:4.25%
21時30分、米、経常収支、前回:−2171.0億ドル、市場予想:−2132.0億ドル
23時00分、米、新築住宅販売件数、前回:67.0万件、市場予想:65.5万件
未定、米、イエレン財務長官が予算教書に関する公聴会を招集
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、拡大するバンド下限の−2σに沿った動きが続いている。日足の一目均衡表でも、雲下限が130円75銭を下回っていることから、下へのバイアスが強まりつつある。
米2年債利回りが縮小し、為替・株式・債券市場での先行き不透明感も高まっていることなどから、積極的なドル買いは手控えられよう。今晩予定されている公聴会にて、イエレン財務長官が昨晩の発言の真意を説明する可能性はある。うまく市場の消化不良が解消されれば喜ばしいところだが、FOMC声明及びパウエルFRB議長の発言によって、米利上げサイクルの終了は強く意識されている。投資家のドル買いモメンタムは低下していると考えたほうが無難だ。
足元、3月20日につけた安値130円54銭も下回っていることから、一時的には130円割れを試す展開も今晩、明日で見られよう。疑心暗鬼の投資家心理を明確に打ち消さない限り、ドルじり安の地合いは続くと想定する。今晩のドル・円の上値メドは、本日の東京時間の高値131円43銭、下値メドは2月10日安値129円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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