ドル円、冴えない動きが継続中。リスク回避の円買いと米金利低下に伴うドル売りが重石に(3/24朝)

23日(木)のドル円相場は冴えない展開。

ドル円、冴えない動きが継続中。リスク回避の円買いと米金利低下に伴うドル売りが重石に(3/24朝)

ドル円、リスク回避の円買いと米金利低下に伴うドル売りが重石に

〇ドル円、米新築住宅販売の不冴え、米長期金利の低下に米国時間に一時130.32まで下落
〇ユーロドル、欧州朝方に1.0930まで上昇後、欧州株安等で米国時間に1.0831まで下落
〇ドル円、テクニカルの地合いの悪化、ファンダメンタルズもリスク回避の円買い、米長期金利低下が重石
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:129.75ー131.75

海外時間のレビュー

23日(木)のドル円相場は冴えない展開。(1)日本時間未明に発表された米FOMCにて今後複数回の利上げを示唆する「継続的な利上げ(ongoing increases)」の文言が削除されたことや、(2)ドットチャートで2023年末時点の中央値が前回同様5.1%に据え置かれたこと、(3)パウエルFRB議長より「利上げ休止も検討した」とのハト派的な見解が示されたこと、(4)上記1、2、3を背景とした米長期金利の急低下、(5)イエレン米財務長官による「預金保険の適用範囲について大幅な拡大は検討していない」との3/21の発言に対する火消しコメント、(6)株式市場の急反落とそれに伴うリスクオフ再開が重石となり、日本時間正午にかけて、一時130.43まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(7)ブルームバーグ社による「金融システム不安の影響で4月に就任する植田和男次期日銀総裁はしばらくの間イールドカーブコントロールの修正に動けない」との報道や、(8)円金利低下に伴う円売り圧力、(9)米新規失業保険申請件数(結果19.1万件、予想19.7万件)の良好な結果、(10)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(11)米主要株価指数の持ち直しが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値131.65まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(12)米2月新築住宅販売件数(結果64万件、予想65万件)の市場予想を下回る結果や、(13)米金利低下に伴うドル売り再開、(14)米主要株価指数の上げ幅縮小(リスク回避の円買い再開)、(15)短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値130.32(2/10以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/24午前5時45分時点)では、130.85前後で推移しております。

23日(木)のユーロドル相場は冴えない動き。(1)日本時間早朝に発表された米FOMCのハト派的な結果や、(2)パウエルFRB議長のハト派的な発言、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0930まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)欧州株の全面安(金融システム不安が再燃するとの警戒感)や、(5)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(6)短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0831まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/24午前5時45分時点)では、1.0835前後で推移しております。尚、昨日はオランダ中銀クノット総裁による「これまでの利上げが十分である可能性は低い」とのタカ派的な発言や、ポルトガル中銀センテノ総裁による「インフレは以前も今も高すぎる」とのタカ派的な発言が見られましたが市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は3/8に記録した直近高値137.90をトップに反落に転じると、昨日は一時130.32まで急落しました。この間、日足ローソク足が主要サポートポイントを軒並み下抜けした他、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転(一目均衡表転換線の基準線下抜け+一目均衡表遅行線の26日前ローソク足下抜け+ローソク足の一目均衡表雲下限下抜け)も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。ファンダメンタルズ的に見ても、(1)世界的な金融システム不安の残存(UBSによるクレディスイス救済買収などを経て足元で信用不安が一時的に後退しているが本質的な解決には至っておらず過度な安心は禁物→潜在的なリスク回避の円買い要因)や、(2)米FRBによる金融引き締め休止観測(米FOMC声明文で「継続的な利上げ(ongoing increases)」の文言が削除された他、ドットチャートでも2023年末のレートが据え置き→米金利低下に伴うドル売り要因)、(3)日米金利差縮小観測(円キャリートレード解消に伴う円買い要因)など、ドル円相場の続落を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。目先は心理的節目130.00割れを試す動きとなりそうです。同水準を下抜けできれば、次のターゲットとして、2/2安値128.08や1/16安値127.22が射程圏内に入ってくるため、ドル売り・円買いの動きが一段と加速する展開に注意が必要でしょう。尚、本日は本邦の2月全国消費者物価指数や、欧州各国の3月製造業/非製造業PMI速報値、米2月耐久財受注、米3月製造業/非製造業PMI速報値が予定されております。

本日の予想レンジ:129.75ー131.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、リスク回避の円買いと米金利低下に伴うドル売りが重石に

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