ドル続落も否定できず、欧州金融政策に注目
〇本日のドル円、緩やかな右肩下がりで昼過ぎに130.45レベルの安値つける
〇注目されていた米FOMCで0.25%の利上げ発表、声明文から「継続的な利上げが適切」の文言削除
〇本日は英国やスイス、ノルウェー、トルコなどの中銀が政策金利を発表予定
〇本日は2月シカゴ連銀全米活動指数や新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.00-131.50
<< アジア市場の動き >>
23日の東京市場はドルが弱含み。一時130.45円レベルまで下落し、20日に記録した直近安値を更新していた。
ドル/円は寄り付いた131.45円レベルを日中高値にドルが冴えない。緩やかな右肩下がりをたどると、昼過ぎには130.45円レベルの安値を示現。20日に記録した直近安値を更新する展開ながら、取り敢えずは下げ止まるとその後は130円台後半での揉み合いに終始している。16時現在では130.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「米銀経営危機」について。
前者は、落ち着いてきたとはいえ金融システム不安がくすぶるなか、注目されていた米FOMCで0.25%の利上げが発表された。決定は全会一致であり、また「必要に応じて一段と金利を引き上げる用意がある」などとし、追加利上げの可能性についても言及されている。多くの予想に沿った内容ながら、やや強気な見通しが発表されていた。ただ、ブルームバーグが報じるように「トレーダーのあいだでは年内にどの程度の利下げが必要になるかをめぐる観測が強まった」面も否定できないなど、一部からはパウエルFRB議長発言に疑念を抱く声も聞かれていたようだ。
対して後者は、SVB破綻などを受けた金融システム不安は目先後退している感があるものの、引き続き米政府などからは「次」をにらんだ対応策や発言が相次ぐと思惑を呼ぶ。なかでも、イエレン財務長官による「SVBなど2行に実施した全額保護は例外的な措置」、「すべての預金に対する銀行破綻時の保護措置の拡大は検討していない」との発言が物議を醸していた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円は一時ドル高が進行。今週初めて133円にワンタッチするも続かなかった。そののちドルは急反落に転じると、前述したように本日東京時間には130.45円レベルまで下落している。目先高値から2.5円もの下落で、ドルの下値リスクが再び強まっている。一目均衡表では、レベルを切り下げつつある先行帯の雲の下限を割り込んできており、2月10日安値129.80円を目指したドルの続落も。
日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高いなか、昨日FRBは全会一致で0.25%の利上げを実施している。声明文から「継続的な利上げが適切」との文言が削除されたことなどで、ブルームバーグが伝えたように、やや弱気に傾斜した向きも多かったようだが、素直に解釈すればやはり利上げ意欲は強いという気がする。なお、日米ではないが、昨日の米FOMCを受ける格好で、本日は英国やスイス、ノルウェー、トルコなどの中銀が政策金利を発表する予定だ。それらの内容にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は上値を一目均衡表の先行帯の雲の上限に抑えられる反面、下値は同下限が支えてきたものの、いよいよ後者を底割れしてきた。それもあってか、実際の実勢相場は本日東京時間に130.45円レベルまで下落し、1ヵ月半ぶりと直近安値を更新してきた。ドルの続落には要注意。前日東京安値を下回ると130円割れ、2月10日安値129.80円を目指す展開も。
本日は米経済指標として、2月のシカゴ連銀全米活動指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定だ。また、英国など欧州地域の複数中銀が政策金利の発表を行う予定で、そちらの内容には注意を要したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.00-131.50円。ドル高・円安方向は本日東京高値も近い131.40-50円が最初の抵抗。超えると132円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の130.40-45円をめぐる攻防にまずは注目。下回ると130円割れトライ、フィボナッチポイントも近い129.80円レベルがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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