明日の日銀会合結果発表注目だが予断許さず
〇本日のドル円、夕方にかけ136.60前後まで下落、16時現在ではそのままドルの安値圏で推移
〇ドル高の方向性に変化はないが10日の日銀会合などをにらみつつの調整に押された格好
〇明日の日銀会合結果発表に注視、金融市場は荒れ模様の可能性も
〇本日は米経済指標としてチャレンジャーレイオフ調査や新規失業保険申請件数などが発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.00-137.40
<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場はドルが弱含み。前日に記録した高値137.91円からすると、1円以上も値を下げた136.60円レベルまで一時下落している。
ドル/円は137.30-35円レベルで寄り付いたのち、しばらくは底堅い。137.10-20円で下げ渋るも底割れすると、夕方に掛け下げ幅を拡大させている。ドル高という方向性そのものに変化はないものの、10日の日銀会合などをにらみつつの調整に押された格好だ。136.60円前後まで下落し、16時現在ではそのままドルの安値圏で推移し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「米中関係」について。
前者の米国は、7日の上院銀行委に続き8日も下院金融委でパウエルFRB議長が半期に1度の議会証言を行った。内容的には「インフレは低下しているが非常に高い」などといったもので、前日に続いて強気発言が繰り返されていたようだ。8日もドルの支援要因に。一方、それとは別に日本は植田氏など日銀正副総裁候補の国会同意人事が9日衆院本会議で可決されている。参院本会議は10日に人事案を採決する見通し。両院で可決されて正式に承認されれば、内閣が任命することになる。
対して後者は、米情報機関が公表した米安全保障への脅威に関する報告書が話題に。そのなかで「中国は米国に挑戦し続けるためにロシアとの協力関係を維持する」、「台湾有事の際に米国の介入を抑止できる戦力を27年までに整備することを目標に掲げている」などといった見通しを示していた。また、それとは別に米FBI長官が公聴会で、「中国はTikTokで米ユーザーのデータ管理する可能性がある」などと発言するなど、両国の関係は依然として厳しい状況にある。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は、さらにドル高が進行し一時137.91円。138円に迫る局面も観測されており、テクニカルには上値を阻んできた移動平均の200日線(137.40-45円)をザラ場ベースでは超えたものの、NYクローズでは維持することが出来なかった。ただ、上値トライが失敗したというには早計で、各種材料をにらみつつ本日以降再びドルの上値をトライする展開もありそうだ。しっかり抜ければ、いよいよ138円台か。
依然として日米金融政策が市場の関心を集めるなか、米国は議会証言でパウエルFRB議長から強気発言が相次いだことに加え、発表される雇用データが良好でドル高の支援要因に。そうしたなか、日本は明日の昼ごろと推察される日銀の金融政策発表が注視されているが、ブルームバーグが報じるように「黒田総裁最後の会合、修正観測もくすぶる」状況だ。ともかく、明日の日銀会合結果発表前後の金融市場は、かなりの荒れ模様をたどる可能性がある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は一時上抜けた移動平均の200日線を維持できず、反落するなか本日東京時間には136.60円レベルまでと、なかなかの深押しが入っている。基調そのものは変わらないものの、ドルの上値トライは一旦仕切り直しか。目先的には調整と思しき動きの方が優勢という気もする。なお、それでも下値は取り敢えず136円割れまでが精々ではないかと考える。
本日は米経済指標として、2月のチャレンジャーレイオフ調査や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米財務省による30年債の入札が実施される予定。前者については、昨日発表されたADP雇用統計が上振れしただけに、本日の指標に関しても市場では改善期待が強いようだが果たして結果は如何に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.00-137.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値である137.40円レベルが最初の抵抗。近いレベルには200日線も位置している。抜けると昨日高値137.90円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値136.48円をめぐる攻防に注目。下回ると136円前後が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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