基本は嵐の前の静けさか、ただ予断許さず
〇本日のドル円、高値圏維持できず135.35-40まで値を下げる局面も
〇今週は日米を中心に注目材料多く、週末に向け荒い値動きをたどる可能性も
〇10日に結果が発表される日銀金融決定会合と黒田総裁の記者会見に注目
〇本日は米経済指標として1月製造業受注指数や同耐久財受注確報などが発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.40
<< 東京市場の動き >>
週明け6日の東京市場はドルが小安い。終盤にかけて再びドルが買い進められたものの、上値は重く135円台後半を中心とした値動き。
先週末5日、中国では第14期全国人民代表大会(全人代)が開幕。そのなかで、国防費増額に関して正当化するコメントなども聞かれていた。一方、イランを訪問していたIAEA事務局長は、イランと核施設監視強化で合意したことを明らかにしている。
そうした状況下、ドル/円は135.85-90円で寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。一連の過程のなかで136円台を示現する局面も観測されていた。しかし高値圏は維持出来ず、そののちジリジリと下落。135.35-40円まで値を下げる局面も。終盤に向けては再びドル買いが優勢となるも上値は重く、上げ渋りの様相を呈するなか、16時現在では135.60-65円で推移し欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「日本の情勢」について。
前者は、5日に中国全人代が開幕し、初日には退任する予定の李首相が政府活動報告を行った。そのなかで2023年の経済成長率目標について5.0%前後とし、昨年の5.5%よりも低く設定したことを明らかにしている。また台湾については、「平和的統一」のプロセスを進めるべきとする一方、台湾独立の動きに対しては断固とした措置を取って反対していく姿勢を改めて示したという。そのほか、李首相以外の高官から国防費増額に関して正当化するコメントが聞かれたうえ、「国際社会の一帯一路批判は根拠がない」などといった発言も伝えられていた。
対して後者は、今年の日本がG7議長国ということもあり、先週末以降なかなか重要な外交イベントが幾つか伝えられている。たとえば、米国務次官は6-9日の日程で日比を訪問し、日本ではG7での主要議題についての事前協議が行われるという。また、来週17-19日にはドイツのショルツが訪日。ウクライナや東アジアの情勢に関する認識を擦り合わせるほか、終了後には岸田首相が19-21日の日程で訪印し、モディ首相と会談する方向で調整しているという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は先週2日に137.10円のドル高値を示現するも、その後は上げ渋り。本日東京では136円台でさえ、しっかりと乗せることが出来なかった。ドルの上値は少しずつ重くなっているのかもしれない。もっとも、だからといってドルの上値トライが失敗したなどというのは時期尚早。今週は日米を中心に注目材料が少なくないだけに、週末に向けて荒い値動きをたどる可能性もある。足もとの動きは「嵐の前の静けさ」か。
日米金融政策が引き続き市場の関心を集めるなか、前述したように今週は注目材料が多い。なかでも、週末10日に結果が発表される日銀金融決定会合と、黒田総裁の記者会見に警戒感を抱く向きが多いようだ。個人的にはあまり「サプライズ」を考えていないのだが、黒田総裁にとって最後の日銀会合にあたるため、期待半分で「緩和解除へ道筋をつけるような措置を取る」といったことを見込む声も聞かれていた。それまでは様々な思惑が交錯、一喜一憂する展開か。
テクニカルに見た場合、ドル/円のリスクは引き続きドル高方向にバイアスがかかるものの、2日の137.10円がごく目先の高値になった感も否めない。一旦は仕切り直しか。一方、下値は先週などの値動きを見ると、移動平均の90日線がしっかりとサポートしてきたが、本日東京では135.35-40円まで下落し、底割れも一時意識されていた。ザラ場で一時的に下回るのではあればともかく、NYクローズ等でしっかり下回ればドルの下値リスクが再び高まりかねないだろう。
本日は米経済指標として、1月の製造業受注指数や同耐久財受注確報などが発表される予定となっている。先週の米指標の好悪混在。その内容をめぐり相場が上下に振れることも多かっただけに本日も要注意だ。ただ、明日以降さらに重要なイベントが相次ぐだけに、基本的にはレンジ内にとどまりそうとの見方も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値136.05円レベルが最初の抵抗か。抜けると136円半ばを目指す。
対するドル安・円高方向は、東京安値の135.35-40円をめぐる攻防に注目。その少し下には90日線も位置しており底堅そうな雰囲気だが、逆にしっかり割り込むとドルの大幅続落も否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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