トルコリラ円見通し ドル円を追いかける展開、3月1日夜安値からは持ち直す(23/3/2)

トルコリラ円の3月1日は概ね7.23円から7.16円の取引レンジ、3月2日早朝の終値は7.21円で前日と変わらず。

トルコリラ円見通し ドル円を追いかける展開、3月1日夜安値からは持ち直す(23/3/2)

ドル円を追いかける展開、3月1日夜安値からは持ち直す

〇昨日のトルコリラ円、7.23から7.16の取引レンジ、3/2早朝の終値は7.21で前日と変わらず
〇トルコリラ円はドル円の騰落を追いかける展開、ドル円が135円台序盤へ下げた局面で7.16へ一段安
〇対ドルでは2/27終値18.88が最安値だが、2/28と3/1の終値も最安値に張り付いている状況
〇1日発表のイスタンブール2月製造業PMIは50.1で1月と変わらず、今後は震災の影響も懸念
〇3日に2月消費者物価指数発表、事前予想では前月比・前年比ともに鈍化見込み
〇7.19以上での推移中は一段高余地あり、7.23超えからは7.26前後を目指す上昇を想定
〇7.19以下での推移が続く場合は3/3の日中も安値試しを続けやすいとみる

【概況】

トルコリラ円の3月1日は概ね7.23円から7.16円の取引レンジ、3月2日早朝の終値は7.21円で前日と変わらず。
ドル/トルコリラが史上最安値近辺でやや膠着状態の中、トルコリラ円はドル円の騰落を追いかける展開。
ドル円は2月28日夜に136.93円を付けて137円に迫ったところから下落に転じ、3月1日夜には135.24円まで下げたが米長期債利回りの上昇を見て136円台序盤を回復している。
トルコリラ円は2月24日に7.26円まで上昇した後は高値更新へ進めず、2月28日にドル円が137円に迫った局面で7.25円を付けたところから3月1日未明に7.19円へ下落、1日午後に7.23円まで戻したものの1日夜にドル円が135円台序盤へ下げた局面で7.16円へ一段安した。その後はドル円の反騰に合わせて7.22円まで戻し、3月2日午前序盤は7.20円台を維持して揉み合いとなっている。

欧州のインフレ率上昇とECBの大幅利上げ継続感から独長期債利回りが急伸しているが、米長期債利回りも上昇感を強めており米2年債利回りは昨年11月のピークを超えている。ドル円は欧米の長期債利回り上昇を見ながらユーロ高ドル安に同調したり米長期債利回り上昇によるドル高を優先して反騰するなどまちまちの反応を見せているが、135円台序盤から持ち直したことで年初来の上昇基調を維持しており、トルコリラ円も7.20円台中盤に抵抗感があるもののドル円を追いかけて確りしている状況と思われる。

【対ドルでは終値での最安値状態が続く】

ドル/トルコリラの3月1日は概ね18.89リラから18.80リラの取引レンジ、3月2日早朝の終値は18.88リラで前日終値と変わらずだった。
2月6日のトルコ南部大地震の震災級の被害発生と2月23日のトルコ中銀による利下げ、世界的なインフレの高止まりと景気鈍化によるトルコ貿易収支の悪化、昨年下半期から低下したGDP成長率がさらに鈍化する懸念、5月の大統領選挙を含めた政局への不透明感がリラ売り要因となっているが、トルコ中銀による非公式な市場介入や企業の外貨保有規制によるリラ安抑制策もあり中長期的なリラ安が徐々に進行しつつも日々の値動きはかなり制限されている。
手元のデータにおける取引時間中の史上最安値は2月27日に18.96リラへ切り下がり、終値ベースでは2月27日終値18.88リラが最安値だが、2月28日と3月1日の終値も最安値に張り付いている。

【3月3日にトルコ2月CPI等の発表あり】

3月1日に発表されたイスタンブール2月製造業PMIは50.1で1月と変わらずだった。昨年12月に45.7まで低下したところから持ち直し気味だが、2月6日の大地震震源地からは離れているので影響が少ない可能性もあるが、今後は震災の影響も出てくるのではないかと懸念される。
3月1日に発表されたイスタンブールの2月小売価格指数の上昇率は前月比3.83%となり1月の2.90%から伸びが加速した。2020年2月に13.8%の大幅上昇となった後は中間反騰を入れながら低下傾向に入り2022年9月に2.30%まで低下したが、その後は下げ渋りから伸びが徐々に加速しつつある印象だ。

3月3日にはトルコの2月消費者物価指数の発表があり、事前予想では前月比は3.35%で1月の6.65%から伸びが鈍化、前年比は55.50%で1月の57.68%から鈍化すると見込まれている。
2月6日に発生したトルコ南部大地震により物資と人手不足が発生していると思われ、今後のインフレ率再上昇への懸念が強まるところだが、2月の消費者物価や生産者物価にどの程度反映されるのかは予想範囲も幅があり、消費者物価の前月比に対する予想レンジは2.30%から4.20%、前年比に対する予想レンジは54.0%から56.8%の範囲であり、前年比では1月から伸びが加速する可能性もあるところだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月25日朝高値7.26円と2月28日夜高値7.25円をダブルトップとした弱気サイクル入りとして、2月28日高値を超えないうちは2月24日午前安値を基準に3月1日午前から3日午前にかけての間への下落余地ありとしていた。
3月1日午後に7.23円まで戻したものの1日夜に7.16円へ一段安となり、その後に7.22円まで切り返す乱調な展開となっているが、3月1日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして3月3日夜から6日夜にかけての間への上昇を想定する。ただし乱高下が続く可能性もあるため7.19円割れからは弱気転換注意として3月1日夜安値試しとし、底割れからは弱気サイクル入りとして3月6日夜から8日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では3月1日夜への下落時に遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したが、その後の反騰で両スパン共に好転しやすい位置に来ている。先行スパン突破からは上昇継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、7.19円を割り込む反落からは一段安を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は3月1日夜の下落時に30ポイントを割り込んだが、その後の反騰で50ポイント台を回復しているので、45ポイント以上での推移中は70ポイントを目指し上昇余地ありとし、45ポイント割れからは一段安を警戒して30ポイント割れを試す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.19円を下値支持線、7.23円を上値抵抗線とする。
(2)7.19円以上での推移中は一段高余地ありとし、7.23円超えからは7.26円前後を目指す上昇を想定する。7.26円前後では売りも出やすいとみるが、7.22円以上での推移なら3月3日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。また円安が勢い付く場合は7.28円前後へ上値目途を引き上げる。
(3)7.19円割れからは7.15円前後への下落を想定する。7.19円を割り込んでから7.22円を超える場合及び、7.15円前後へ下げてから7.19円を超える場合は上昇再開と考えるが、7.19円以下での推移が続く場合は3月3日の日中も安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

3月2日
 20:30 週次 外貨準備高 2月24日時点 グロス(2/17時点 733.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 2月24日時点 ネット(2/17時点 214.0億ドル)
3月3日
 16:00 2月 消費者物価指数 前月比 (1月 6.65%、予想 3.35%)
 16:00 2月 消費者物価指数 前年同月比 (1月 57.68%、予想 55.5%)
 16:00 2月 生産者物価指数 前月比 (1月 4.15%)
 16:00 2月 生産者物価指数 前年同月比 (1月 86.46%)

注:ポイント要約は編集部

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