トルコリラ円見通し ドル円の137円到達に合わせて7.26円へ上昇、3日午前は高値更新から反落気配(23/3/3)

トルコリラ円の3月2日は概ね7.26円から7.20円の取引レンジ、3月3日早朝の終値は7.25円で前日終値の7.21円からは0.04円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の137円到達に合わせて7.26円へ上昇、3日午前は高値更新から反落気配(23/3/3)

ドル円の137円到達に合わせて7.26円へ上昇、3日午前は高値更新から反落気配

〇トルコリラ円、ドル円の騰落に合わせ3/2夜に7.26をつけて、2/24高値と並ぶ
〇3/3朝7.27まで一時的に高値を切り上げるも、7.23まで反落
〇対ドル、3/2は概ね18.91から18.86の取引レンジ、中長期的なリラ安基調継続
〇3/3朝に一時18.78までリラが買い戻されたが早々に18.93へ切り返され、その後18.88近辺で落ち着く
〇トルコ外貨準備高は減少、さらに減少傾向が続くようだとリラ売りが勢い付くことも懸念
〇7.22以上での推移中は一段高余地ありとし、7.27超えからは7.30を目指す上昇を想定する
〇7.22割れからは7.20試しとし、7.20割れ回避は上昇再開とするが7.20割れからは下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の3月2日は概ね7.26円から7.20円の取引レンジ、3月3日早朝の終値は7.25円で前日終値の7.21円からは0.04円の円安リラ高だった。
ドル高リラ安基調を気にしつつもドル円の騰落に合わせた展開を続けているが、米長期債利回りの上昇を背景にドル円は3月2日夜に137円台へ到達して1月16日安値127.21円以降の高値を更新したためトルコリラ円も7.26円をつけて2月24日高値と並んだ。

3月3日朝にはドル/トルコリラで一時的なリラ買いが見られたために7.27円まで高値を切り上げたが、ドル/トルコリラにおけるリラ高は早々に押し返されており、トルコリラ円も7.23円まで反落している。
欧米のインフレ高止まり感から欧米長期債利回りが揃って上昇しており、3月1日夜は欧州長期債利回り上昇を優勢としてユーロが上昇するなどドル高が緩んだが、3月2日は米10年債利回りと30年債利回りが揃って4%台へ上昇し、利上げに敏感な2年債利回りが前日に続いて15年ぶり高値を更新したことでドル高優勢となりドル円を137円台到達まで押し上げた。
今夜は米ISMサービス業景況指数の発表があるが、予想を上回る場合はドル円の上昇を助長しやすく、4日早朝にかけてはローガン・ダラス連銀総裁、ボウマンFRB理事、バーキン・リッチモンド連銀総裁の講演等による発言も相次ぐため、それらを見ながらドル円の上昇が継続すればトルコリラ円も高値追及へ進みやすいと思われる。

【対ドルでは一時的なリラ買いも早々に押し返されてリラ安基調が続く】

ドル/トルコリラの3月2日は概ね18.91リラから18.86リラの取引レンジ、3月3日早朝の終値は18.86リラで前日終値の18.88リラからは0.02リラのドル安リラ高だった。
3月3日朝に一時18.78リラまでリラが買い戻されたが早々に18.93リラへ切り返され、その後は18.88リラ近辺で落ち着いている。日々15時から16時にかけてリラ買いが仕掛けられて一時的なリラ高が発生しては早々にリラ安へと押し返されているが、3日早朝も同様の動きと思われ、新たなリラ買い材料は見られず、中長期的なリラ安基調は継続している。
2月6日に発生したトルコ南部大地震の影響や2月23日のトルコ中銀による利下げと先行き不透明感はリラ売りを徐々に進行させており、手元のデータにおける取引時間中の史上最安値は2月27日に18.96リラへ切り下がり、終値ベースでは2月27日と2月28日、3月1日につけた終値18.88リラが最安値となっている。

【トルコの外貨準備高は減少続く】

3月2日夜に発表されたトルコ中銀の週次の外貨準備高は2月24日時点のグロスで719.8億ドルとなり2月17日時点の733.9億ドルから減少した。ネットでは202.0億ドルとなり2月17日時点の214.0億ドルから減少した。
ネットの外貨準備高は昨年7月に60.7億ドルまで減少していたところからカタール等による通貨スワップ協定やロシアの原発関連投資及び海外観光客来訪者の回復、トルコ国内の輸出関連企業に対する外貨保有規制による外貨からリラへの半ば強制的な転換等により拡大してきたが、昨年12月に281.3億ドルまで増やしたところから減少傾向にある。2月6日に発生したトルコ南部大地震の影響によるリラ売り抑制のためにトルコ中銀は当初の2週間で70億ドル規模の市場介入を非公式で行ったとされており、ここ2週の外貨準備高大幅減少を裏付けている。

トルコにとっては復興への巨額財政負担、貿易赤字の拡大と経常収支悪化、昨年後半から鈍化したGDPがさらに低迷する可能性、5月の大統領選挙へ向けた政局不安等、リラ安を加速させかねない状況にあるため、週次の外貨準備高がさらに減少傾向を続けるようだとリラ売りが勢い付くことも懸念される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月25日朝高値7.26円と2月28日夜高値7.25円をダブルトップとした弱気サイクル入りとして3月1日午前から3日午前にかけての間への下落を想定していたが、3月2日午前時点では3月1日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして3月3日夜から6日夜にかけての間への上昇を想定した。
3月3日午前へ続伸してから反落しているものの7.22円以上を維持しているのでまだ一段高余地ありとするが、7.22円割れを弱気転換注意とし、7.20円割れからは弱気サイクル入りとして6日夜から8日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では3月1日夜安値からの反騰継続により遅行スパンが好転して先行スパンからも上抜けたが、3月3日朝高値からの反落で遅行スパンは悪化しやすい位置にある。先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は3月1日夜の30ポイント割れから反騰してきたが、2日夕刻からは指数のピークが切り下がり弱気逆行型となっている。50ポイントを割り込んでも回復するうちは次の60ポイント超えから上昇再開として70ポイント台を目指す上昇を想定するが、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント以下への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.22円を下値支持線、7.27円を上値抵抗線とする。
(2)7.22円以上での推移中は一段高余地ありとし、7.27円超えからは7.30円を目指す上昇を想定する。7.30円手前では売りも出やすいとみるが、7.22円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.22円割れからは7.20円試しとする。7.20円割れを回避して7.24円を上抜き返す場合は上昇再開とするが、7.20円割れからは7.18円、7.16円を順次試す下落を想定する。また7.22円以下での推移が続く場合や直前安値から0.04円規模の反騰が見られないうちは週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

3月3日
 16:00 2月 消費者物価指数 前月比 (1月 6.65%、予想 3.35%)
 16:00 2月 消費者物価指数 前年同月比 (1月 57.68%、予想 55.5%)
 16:00 2月 生産者物価指数 前月比 (1月 4.15%)
 16:00 2月 生産者物価指数 前年同月比 (1月 86.46%)


注:ポイント要約は編集部

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