トルコリラ円見通し 先週末までの上昇一服だが7.20円割れを買われて確り(23/2/28)

トルコリラ円の2月27日は概ね7.24円から7.18円の取引レンジ、28日早朝の終値は7.21円で先週末終値の7.23円からは0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 先週末までの上昇一服だが7.20円割れを買われて確り(23/2/28)

トルコリラ円見通し 先週末までの上昇一服だが7.20円割れを買われて確り

〇トルコリラ円、2/27午前に一時7.18へ下落するも7.20を割れを買われ、7.20台前半中心の高値圏を維持
〇対ドル、2/27は18.96まで下げ取引時間中の史上最安値を更新、終値ベースでも最安値を更新
〇昨日発表の1月貿易赤字は過去最大、トルコ大地震の影響から2月以降の貿易収支はさらに悪化の懸念
〇7.17以上での推移中は一段高余地ありとし、7.26超えからは7.30を目指す上昇を想定する
〇7.17割れからは7.15試しとし、下げ足が速まる場合は7.13前後へ下値目途を引き下げる

【概況】

トルコリラ円の2月27日は概ね7.24円から7.18円の取引レンジ、28日早朝の終値は7.21円で先週末終値の7.23円からは0.02円の円高リラ安だった。
ドル/トルコリラでのリラ安が徐々に進行していることを気にしながらもトルコリラ円はドル円の騰落と同調した動きを続けている。
2月24日の米1月PCEデフレーターが予想を上回りインフレが収まらずにFRBによる利上げ継続期間が長期化するのではないかとの懸念からドル円が136円台へ上昇したためにトルコリラ円も2月24日には7.26円まで高値を伸ばして1月16日安値6.74円以降の最高値を更新した。
ドル円は2月27日午前に136.55円まで高値を更新したものの全般のドル高が一服したことでジリ安推移となったが、27日夜に一時136円を割り込んだところは買われており、28日午前は136円台序盤で推移している。トルコリラ円は27日午前に一時的な下げで7.18円へ下落したところは早々に買われ、戻した後の27日夜にドル円が136円を一時割り込んだ局面で7.20円を割り込んだところも買われており、7.20円台前半を中心として高値圏を維持している。

【対ドルでは取引時間中及び終値ベースの最安値を更新】

ドル/トルコリラの2月27日は概ね18.96リラから18.76リラの取引レンジ、28日早朝の終値は18.88リラで先週末終値の18.87リラからは0.01リラのドル高リラだった。
2月6日のトルコ南部における震災級の大地震発生と深刻な被害による先行き不透明感に加え、2月23日にトルコ地銀が政策金利を9.0%から8.5%へと利下げしたことによりリラ売り圧力が日々増している中、トルコ中銀は非公式な市場介入によりリラ安抑制に努めているものの、徐々にタガが外れ始めている。
ドル/トルコリラの取引レートはベンダーによってばらつきが大きいものの、手元のデータにおける取引時間中の史上最安値は2月22日に18.90リラ、2月24日に18.91リラと更新されてきたが、2月27日は18.96リラまでさらに最安値を更新した。また終値ベースでは2月23日と2月24日の18.87リラが最安値だったが2月27日終値で18.88リラをつけて最安値を更新した。

【トルコ貿易赤字は過去最大に】

2月27日にトルコ統計局がまとめた1月の貿易収支は142.4億ドルの赤字となり赤字としては昨年12月の97億ドルから大幅に増加し、2022年10月の78.9億ドルから3か月連続の赤字拡大となった。
1月の輸出は193.69億ドルで前年同月比は10.3%増だったが、12月の229.11億ドルから大幅に減少した。輸入は336.06億ドルで12月の326.1億ドルを上回って過去最大となった。
世界景気全般が欧米等の金融引き締めで減速していること、中国がウィズコロナ政策へ転換したもののまだ顕著な景気浮揚感を示せずにいる状況の中でトルコの輸出は頭打ち感が出ている。その一方で世界規模のインフレによる輸入品の高騰に加えてリラ安が徐々に進行していることにより貿易赤字は拡大している。

トルコリラ円見通し 先週末までの上昇一服だが7.20円割れを買われて確り

2月6日に発生したトルコ南部大地震により、被災地からの軽工業等を中心とした輸出が減少すると見込まれ、復興へ向けた輸入の拡大も予想されるため、2月、3月の貿易収支はさらに悪化することが懸念される。
3月2日にはトルコ貿易省による通関ベースの2月貿易統計速報もあるが、さらに顕著な赤字拡大が見られればリラ売りが勢い付くことも考えられる。

2月28日夕刻にはトルコの10-12月期GDPの発表があり、市場の事前予想中央値は3.0%で7-9月期の3.9%からさらに減速すると見込まれている。7-9月期の前期比はマイナス0.1%だった。また2022年通年のGDPに対する市場予想は5.2%で2021年の11.4%へ大幅減速と見込まれている。2023年1-3月はトルコ大地震の影響でさらに悪化すると予想される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月23日夜高値からの反落により24日午前時点では2月23日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとしたが、ボトム形成期を24日午前から27日夜にかけての間としてすでに反騰注意期にあるとして高値更新からは新たな強気サイクル入りとした。
2月24日夜の大幅上昇で2月23日高値を超えたが、その後も高値圏を維持しているので2月24日午前安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして2月28日夜から3月2日深夜にかけての間への上昇想定する。ただし、7.17円割れからは弱気転換注意として7.15円試しとし、7.15円割れからは弱気サイクル入りとして3月1日午前から3日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では上昇一服で持ち合いに入っているため遅行スパンは実線と交錯しているが、先行スパンの上限が下値支持線として機能しているためまだ上昇余地ありとみる。先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とし、先行スパンからが転落する場合はいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月24日夜に80ポイント台へ上昇してから50ポイント割れまで反落し、その後も60ポイントを超えずにいるので安値試しへ向かいやすい印象もあるため、60ポイント超えからは上昇再開とみて70ポイント台への上昇を想定するが、40ポイント割れからは20ポイント台への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.17円を下値支持線、7.26円を上値抵抗線とする。
(2)7.17円以上での推移中は一段高余地ありとし、7.26円超えからは7.30円を目指す上昇を想定する。7.30円前後では売りも出やすいとみるが、7.18円以上を維持しての推移なら3月1日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.17円割れからは7.15円試しとし、下げ足が速まる場合は7.13円前後へ下値目途を引き下げる。また7.17円を割り込んでの推移が続く場合は3月1日も安値試しへ向かいやすいと注意し、円高感が強まる場合は7.10円台序盤へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

2月28日
 16:00 10-12月 GDP 前期比 (7-9月 -0.1%)
 16:00 10-12月 GDP 前年同期比 (7-9月 3.9%、予想 3.0%)
3月1日
 16:00 2月 イスタンブール製造業PMI (1月 50.1) 
3月2日
 20:30 週次 外貨準備高 2月24日時点 グロス(2/17時点 733.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 2月24日時点 ネット(2/17時点 214.0億ドル)
3月3日
 16:00 2月 消費者物価指数 前月比 (1月 6.65%)
 16:00 2月 消費者物価指数 前年同月比 (1月 57.68%)
 16:00 2月 生産者物価指数 前月比 (1月 4.15%)
 16:00 2月 生産者物価指数 前年同月比 (1月 86.46%)



注:ポイント要約は編集部

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