テクニカルにはドルの続伸リスクも
〇本日のドル円、実需筋の売りなどが観測されるも底堅く136円前半を中心とした強保ち合いに終始
〇参院で植田日銀総裁候補の所信聴取実施、先週の内容を踏襲
〇136.65を超えれば137円前後に位置する移動平均の200日線がターゲットに
〇本日は米経済指標として1月耐久財受注速報や2月ダラス連銀製造業活動指数などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-136.80
<< 東京市場の動き >>
週明け27日の東京市場は強保ち合い。136円前半を中心とした一進一退で、ドルは底堅かった。
週末25日に閉幕したG20財務相・中銀総裁会議は、大半の国・地域がロシアのウクライナ侵攻を非難したものの、中国とロシアの反対で共同声明の採択は見送りに。一方、中国が表明した独自の「ロシア・ウクライナ仲裁案」がそこここで話題となっていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は136円半ばで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。久しぶりの136円台で実需筋の売りなどが観測されるも底堅く、136円前半を中心とした強保ち合いに終始している。明確な方向性は乏しいまま、16時現在では136.30-35円で推移し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「中国和平案」について。
前者は、先週末24日の衆院に続き、本日は参院で植田日銀総裁候補の所信聴取と質疑が実施された。基本的には先週の内容を踏襲するもので、とくに新味もなし。ただ、「工夫を凝らして金融緩和を継続」、「YCC(イールドカーブコントロール)修正、4月以降も効果を見守る」−−など、やはり弱めのトーンの発言が目に付いていた。なお、明日28日はやはり参院で氷見野氏ら日銀副総裁候補の所信聴取と質疑が実施されるものの、本日の植田氏同様先週の内容を踏襲するものにとどまるといった見方が少なくなかった。
対して後者は、中国が発表したロシアによる侵攻の終結に向けた独自の仲裁案に関し、世界で意見が真っ二つ。当事国であるロシアが「高い評価」を表明したほか、カザフスタンも「支持」する旨を明らかにしていた。それに対し、米国はバイデン大統領が「プーチン氏の歓迎している内容が良い案であるはずがない」と一刀両断。また、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は「中国は信用されていない」、フォンデアライエン欧州委員長は「ロシア寄りとされる中国は仲介役にはふさわしくない」と指摘するなど西側諸国からはおおむね厳しい見解が発せられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は134円台を中心としたボックス圏を先週末にかけて上放れ、その勢いのまま移動平均の90日線なども位置した136円も突破している。昨年来の相場は「ダマシ」の多いところが特徴のひとつで予断を許さないものの、素直に考えればリスクは上方向にバイアスか。ここまでのドル高値に近いフィボナッチポイントの136.65円をめぐる攻防にまず注目で、しっかり超えればドルはさらなる続伸も。
これまでの発言などからわかってはいたことなのだが、植田日銀総裁候補から本日改めて「金融緩和の継続」が示され、強気派のなかで改めて失望が広がった感も否めない。対して、米国については予想よりも利上げが続くとの見方が優勢となっており、本日の欧米時間も発表される米経済指標の内容や要人発言などにまずは注目だ。また、それとは別に今週は月替わりになることから、駆け込み要因なども含めた需給的側面を波乱要因のひとつとして気にする声も多い。
テクニカルに見た場合、ドル/円は136円台でドル強保ち合い。チャートの形状的にも上値がジワリと重くなりつつあるが、リスクとしては依然としてドル高方向にバイアスかかる。136.65円を超えれば137円前後に位置する移動平均の200日線がターゲットに。さらなるドル高進行も否定できない。
それに対するサポートは先週末に超えてきた90日線。NYクローズで再び下回ってくると上値トライは一旦仕切り直しになる可能性もある。
本日は米経済指標として、1月の耐久財受注速報や2月のダラス連銀製造業活動指数などが発表されるほか、ジェファーソンFRB理事などの講演も予定されている。今週は週間を通してなかなか重要な米経済指標の発表が多い中、その皮切りになるだけにとくに注意をしておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-136.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値を含めた136.50-65円が最初の抵抗。超えると137円台乗せを目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の136円レベルをめぐる攻防にまずは注目。ただ、下回っても90日線がサポートになると予想しており、大崩れは予想しにくいか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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