ドル円 ドル底堅そう、日米金融政策に引き続き注目(週報2月第4週)

先週のドル/円相場はドルが大幅続伸。週末には昨年12月20日以来の136円台を示現し、そのままドルは高値圏で引けている。

ドル円 ドル底堅そう、日米金融政策に引き続き注目(週報2月第4週)

ドル底堅そう、日米金融政策に引き続き注目

〇先週のドル円、週末にかけドル一段高の様相で136円半ばまで続伸
〇23日発表のFOMC議事録要旨、やや強気の内容で「ドル買い」の支援要因に
〇24日に衆院で日銀正副総裁候補の所信聴取、現在の政策継続を示唆し週末のドル高円安を後押し
〇今週は消費者信頼感指数やISM製造業景況指数などの米経済指標に注目
〇27-28日に日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑が参院で実施予定
〇今週のドル/円予想レンジは、134.00-138.50

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場はドルが大幅続伸。週末には昨年12月20日以来の136円台を示現し、そのままドルは高値圏で引けている。

前週末、G7外相会議が開催され、強力なウクライナ支援継続で一致。また。それ以外でも2国間協議などが相次ぎ開催されるなか、北朝鮮が18日に続き週明け20日早朝にも弾道ミサイルを発射し、一部で物議を醸していた。
そうした状況下、ドル/円は134.20円レベルで寄り付いたのち、おおむね134円台を中心としたレンジ取引。週明け早々につけた133.93円を週間安値にドルは底堅いものの、135円台前半では上げ渋りの様相だった。しかし、週末にかけて上値トライの機運が高まるとドル一段高の様相に。136円半ばまで続伸し、週末NYもほぼそのままドル高値圏で大引け、越週している。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「日米金融政策」と「ロシア問題」について。
前者のうち米国は、日本時間23日未明に発表された2月初めのFOMC議事録要旨として、「ほぼ全員」が0.25%利上げを支持したことや、「インフレ率が明確に2%に回帰する道筋がつくまで金利を引き上げ、高水準に維持する必要がある」との考えを示したことが明らかにされた。ほぼ予想の範囲内ではあったが、やや強気といってもよい内容で為替市場においては「ドル買い」の支援要因に。一方、日本サイドは24日に衆院で日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑が行われ、総裁候補の植田氏は「現在の日銀の金融政策は適切」、「現在の物価目標の表現を当面変える必要はない」などと発言。また副総裁候補の内田氏は「今後も副作用に配慮して緩和続ける」、氷見野氏も「緩和で経済を支え続ける必要がある」と、取り敢えずは現在の政策継続を示唆していた。早期の政策変更を願うタカ派にとっては失望を誘う発言が多く、週末のドル高・円安を後押ししていた。

対して後者は、ロシアのウクライナ侵攻から1年が経過しようとするなか、プーチン氏は演説で暴言を連発。とくに「戦争を始めたのは西側諸国、我々は止めようとしている」には呆れ果てた向きも多く、実際米大統領補佐官からは「プーチン氏は今すぐにでも戦争を終わらせ、家に帰ることができる。誰もロシアを攻撃していない」とのコメントが聞かれていた。なお、それとは別にプーチン氏が「離脱はしないが新STARTの履行停止」を表明したことも物議を醸す。一方、ウクライナに対しては、西側各国から改めて支援の継続などが相次ぎ表明されている。たとえば米政府は、ウクライナに対して約100億ドルの新たな資金支援策を発表していたようだ。

<< 今週の見通し >>

先週のドル/円相場は当初ドルの上げ渋りが目に付くも、週末にかけては上値を拡大しついには136円台へ。移動平均では136円割れに位置した90日線もNYクローズベースで上抜けてきた格好だ。昨年高値151.94円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻し(136.65円)に近いレベルで上げ止まったことが若干気掛かりだが、ドルの上値展望が開けたといって間違いはなさそう。先週高値に続き137円前後に位置する200日線を超えれば、さらなるドルの続伸もありそうだ。

今週も引き続き日米金融政策が市場の注目を集めそう。日本については、先週の衆院に続き今週は参院での日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑が実施される予定。基本的には先週の発言を踏襲すると見られるが、地合いがドル高方向に傾斜しているだけに、改めてドル買い・円売りの材料視される可能性もある。一方、米国は週間を通して発表される重要な経済指標の内容に一喜一憂する展開か。ただ、好数字期待が強いだけに、悪い数字が出た場合に調整的下押しが入っても不思議はない。

テクニカルに見た場合、足もとのドル/円は一目均衡表における先行帯の雲をめぐる攻防にまずは注目だ。移動平均では前述したように90日線を超えるなどドル高機運をうかがわせるなか、一目では先週末段階では超えられていないが、先行帯の雲の上限が週内に135円割れへと切り下がってくることから、日足が上抜けてくることになりそう。強気派にとっては、さらなるドル高の支援要因とも言えそうだ。なお、前述した151.94円起点のフィボナッチで見た場合の次のドル上値メドは半値戻しにあたる139.55-60円となる。

今週は、2月の消費者信頼感指数や同ISM製造業景況指数など、週間を通して重要な米経済指標が相次ぐ。ただ、通常「月初めの第1金曜日」に発表される米雇用統計は今週発表されずに来週末10日に発表される見通しだ。そのほか、27-28日に日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑が今度は参院で実施される。こちらも一応要注意。

そんな今週のドル/円予想レンジは、134.00-138.50円。ドル高・円安については、先週高値も近いフィボナッチポイントの136.65円レベルの攻防を注視。抜けると、137円台に位置する移動平均の200日線などを目指す。
対してドル安・円高方向は、先週末に上抜けてきた90日線が最初のサポート。割り込めば週内に135円以下へと切り下がる一目均衡表の先行帯の雲の上限が意識されそうだ。

ドル底堅そう、日米金融政策に引き続き注目

ドル円日足

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