各国金融政策にらみつつ基本はレンジ取引か
〇本日のドル円、131.35-40で寄り付き、ドルが買われたのち売られる
〇16時現在では結局寄り付きに近い131.25-30へと値を戻し推移
〇ブルームバーグ「アベノミクス転換示唆なら日銀総裁人事は難航」と報じる
〇自民党議員が「山口元副総裁の次期総裁就任では党内がまとまらない」と述べる
〇本日は米経済指標として週間ベースの新規失業保険申請件数が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.60-132.00
<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場は荒っぽい値動き。上下に大きく振れる局面も観測されたが、結局「行って来い」でレンジ内にはとどまっている。
ドル/円は131.35-40円で寄り付いたのち、レンジは決して広くないがなかなか荒っぽい上下動。材料は日銀総裁人事などに絡む報道で、市場は思惑が交錯するなか、ドルが買われたのち売られるなど、激しい乱高下をたどっていた。なお、16時現在では結局寄り付きに近い131.25-30円へと値を戻して推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日米欧の金融政策」と「偵察気球問題」について。
前者のうち欧州は、オランダ中銀総裁が「状況次第でECBは大幅な利上げを5月まで実施する可能性がある」と発言するなか、ドイツ紙によるとECB副総裁もインタビューで、「3月以降に追加利上げ」の可能性に言及したという。それに対し、米国はNY連銀総裁やクック理事、ウォラー理事が揃って「一段の利上げが必要」とするタカ派コメントを発し、対円などでのドル買いを支援していたようだ。一方、日本はというと、ブルームバーグが報じた「アベノミクス転換示唆なら日銀総裁人事は難航」とした報道が観測され、前述した東京時間のドル/円乱高下の大きな一因になっていた。
対して後者は、先日米国が撃墜した「中国の偵察気球」が依然として物議を醸す。中国外務省は米国が回収した落下物の返還を求めるも、米国はこれを拒否。また、米国防総省は気球の目的を「中国による監視用、情報収集のため」と改めて表明したほか、米国務長官は気球に関して入手した情報を米議会のほか、米国の同盟国やパートナー国と共有する見通しだと明らかにしている。一連の米国の行動に対する「報復」の考えを示している中国サイドの出方にも注目だ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場はやや微妙ながら、130.48-132.90円という2.4円レンジの新たなボックス圏を形成しつつあるようだ。テクニカルには、130円を割り込んできた移動平均の21日線がドルの下支えになりそうな反面、足もとは133円前半に位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限がドルの抵抗に。つまり、先の2.4円レンジはテクニカルの面から見てもなかなか居心地の良いレベルと言えそうで、しばらくのあいだ基本は揉み合い。次の方向性を探る展開が続く見込みだ。
米欧の金利情勢を見た場合、先で報じたようにともに強気な見解を示す要人が多い。米国に関しては、昨日ブルームバーグの報道として、大手米銀シティのアジア太平洋トレーディング戦略責任者が「米政策金利6%まで引き上げリスクがある」と指摘していたと紹介したが、確かにリスク要因として頭に入れておいて損はない。一方、日本については日銀総裁人事が依然として話題を集めるなか、本日東京時間に自民党議員が「山口元副総裁の次期総裁就任では党内がまとまらない」と述べたと伝えられていた。有力候補である雨宮氏、中曽氏をあわせた3氏のなかで山口氏がもっとも「タカ派」といった分析もあるだけに、真偽を含め続報なども気掛かりだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は移動平均の21日線と一目均衡表の先行帯の雲の下限に挟まれる格好で、目先は130.48-132.90円という2.4円レンジの新たなボックス圏を形成しつつある。つまり、短期的には前記レンジの上下いずれをブレークしていくのか、その方向性とタイミングが注視されている。材料面から考えると、米消費者物価指数が発表される来週14日がとくに要注意で、それまではレンジ取引が続くだろう。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるうえ、米財務省による30年債の入札が実施される予定だ。また、欧州においてはEU首脳会議特別会合が10日までの日程で開催される予定で、こちらも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.60-132.00円。ドル高・円安方向は東京高値である131.80-85円が最初の抵抗で、抜けたら再び132円台回復も。
対するドル安・円高方向は、東京時間に一度も割り込めなかった131円をめぐる攻防にまずは注目。ただ、割り込んだ場合には130.60円や130.48円を目指す。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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