ドル高リスク再燃、週明け早々132円台示現(週報2月第1週)

先週のドル/円相場はドルが高値引け。一時128円割れをうかがうなどドル安方向への動きが目に付いたが、結果としてドルは逆行高で大引けている。

ドル高リスク再燃、週明け早々132円台示現(週報2月第1週)

ドル高リスク再燃、週明け早々132円台示現

〇先週のドル円、1日のFOMCを受け128.09まで一時ドル安進行
〇しかし週末の雇用統計が予想外の好数字となりドルは131円台まで大幅続伸
〇週明けは早朝からドルが買われ一時132円半ば近くまで上昇、1/18高値超える
〇今週のドル/円予想レンジは、130.00-134.0
〇ドル高方向は一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する134円台、年初来高値134.78なども視界内
〇ドル安方向は先週末NYクローズで上回ってきた移動平均の21日線(130円前後)が強いサポート

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場はドルが高値引け。一時128円割れをうかがうなどドル安方向への動きが目に付いたが、結果としてドルは逆行高で大引けている。

前週末、中国当局が春節(旧正月)期間中26日までのコロナ死者について「6364人で前週から半減した」と発表。一方、米下院外交委員会のマコール委員長(共和党)が、台湾をめぐる中国との衝突の可能性は「非常に高い」と述べたことも話題に。
そうした状況下、ドル/円は129.70-75円で寄り付いたのち、しばらくは130円を挟んだレンジ取引。明確な方向性が乏しいなか、1日の米FOMCを受けてドルはレンジを下放れ。週間安値の128.09円まで一時ドル安が進行している。しかし下げ止まると、週末にかけては逆にドルの買い戻し優勢。そして発表された週末の米雇用統計が予想外の好数字となったことでドルは大幅続伸。一気に131円台まで吹き上がり、週末NYはそのままドル高値圏で越週となった。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「日米欧の金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者の日本は、週明けに経済界や学識者でつくる「令和国民会議」(令和臨調)が、政府・日銀に共同声明の見直しを提言したと伝えられると、政策修正思惑が強まった。市場筋のあいだでは、日銀総裁の交代観測と絡めた日銀の金利引き上げ期待は依然根強い。一方、米英欧の中銀がそれぞれ0.25%、0.5%、0.5%の利上げを発表するも、要人発言やガイダンスにおけるわずかな弱気ポイントに市場は着目。たとえば、パウエルFRB議長でいえば、会見で「あと2回程度の利上げで景気抑制的と考えられる適切な水準に達するだろう」などと述べたものの、「利上げ打ち止め」に言及した点がクローズアップされドルの弱材料と認識されていたようだ。同様に、ユーロやポンドもそれぞれ中銀による利上げ実施後に売りが先行する展開をたどっている。

対して後者は、一説には合計で300両以上とも言われる欧米諸国からウクライナに対する戦車供与が決定。そうした西側諸国の動きにロシアサイドは強い不満を示すとともに恫喝ともとれる発言も一部で観測されていたようだ。一方、戦車の供与を受けたウクライナは、ゼレンスキー大統領がさらに別途「戦闘機供与」の要請を繰り返しており、そちらが物議を醸す。米国をはじめとした難色を示す先がトータルとしては多いが、フランスやポーランドが前向きな見解を示しており、今後の動静が注視されている。

<< 今週の見通し >>

ドル円相場は、形成している短期レンジの下限129円を割り込み、一時下値リスクが高まるも結局ダマシに。ただ、週末に見たドルの強烈な打ち返しも高値は131.20円台まで。1月18日高値の131.58円を超えていくことは出来なかったが、週明けは早朝からドルが買われると一時132円半ば近くも。ドルの上値は重そうとの見方を取っていたのだが、今週は予想以上のドル高進行の可能性も。

日米を中心とした各国の金融政策を注視する向きが多いなか、珍しく市場でもっとも注目を集めているのは日銀総裁人事を含めた日本の金融政策だろう。ちなみに、ロイターが今年1月中旬に「日銀の正副総裁3人の後任人事について政府が2月10日を軸に国会に提示する方向で調整していることがわかった」と報じるなか、本日になり日経新聞が「政府、雨宮氏に日銀次期総裁就任を打診」と報じ早朝から金融市場で物議を醸している。このあとも真偽や続報をめぐり波乱含みの様相だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は紆余曲折を経たのち、結果としてドルの下値トライは失敗に終わった公算が大きい。一方で、上値は130円前後まで切り下がってきた移動平均の21日線を超えてきたことは好材料。本日早朝に1月18日高値の131.58円を超えており、どこまで上値を伸ばせるのかに注目。少し遠いものの、一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する134円台、あるいは年初来高値134.78円なども視界内に入ってきた。

今週は、2月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値などの米経済指標が発表される予定。先週末に発表された米雇用統計が予想以上の好数字を示し、市場の波乱要因になったこともあり、まずはそれらに注意を払いたい。また、7日にはバイデン米大統領による一般教書演説が発表される見込みで、こちらも注視している向きは多いようだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、130.00-134.00円。ドル高・円安については、早朝に先週高値そして1月18日高値の131.58円を超えたことで、次のターゲットは133円前後か。超えると一目均衡表の雲の下限を目指す。
対してドル安・円高方向は、少し遠くなったが先週末NYクローズでも上回ってきた移動平均の21日線(130円前後)が強いサポートか。

ドル高リスク再燃、週明け早々132円台示現

ドル円日足

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