『対ドル相場は史上最安値を更新。対円相場はドル円に連動した動き』
○今週のトルコ円、1/31にかけて6.97円まで上昇後、ドル円下落につれ週後半に6.79円まで下落
○売り一巡後は、米月雇用統計を背景としたドル円急騰により、週末にかけて6.97円まで反発
○アップサイドより複数のレジスタンスポイント、テクニカル的に見て地合いは極めて弱いと判断
○ファンダメンタルズも、経常収支の赤字幅拡大など売り材料多い
○トルコリラ売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
○来週の予想レンジ(TRYJPY):6.70ー7.10
今週のレビュー(1/30−2/3)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初6.90円で寄り付いた後、(1)トルコ1月経済信頼感指数(結果99.3、前回97.6)の良好な結果や、(2)トルコ12月貿易収支(結果97億ドル赤字、予想104億ドル赤字)の市場予想を下回る赤字幅、(3)ドル円相場の底堅い動き(トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、翌1/31にかけて、週間高値6.97円まで上昇しました。しかし、心理的節目7.00円をバックに伸び悩むと、(4)トルコ・スウェーデン間の対立激化懸念(スウェーデンの首都ストックホルムでイスラム教の聖典コーランが燃やされる抗議デモ発生→エルドアン大統領はスウェーデンのNATO加盟を支持しない方針を発表)や、(5)米FOMC後のドル円下落(トルコリラ円連れ安)が重石となり、週後半にかけて、週間安値6.79円まで下落しました。
もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米1月雇用統計および米1月ISM非製造業景況指数のポジティブサプライズや、(7)上記6を背景としたドル円急騰(トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値に一致する6.97円まで反発しました。引けにかけて、小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/4午前3時00分現在)では、6.96円前後で推移しております(対ドル相場は史上最安値を更新)。尚、トルコ1月製造業PMIは50.1を記録するなど、好不況の分かれ目となる50を約1年ぶりに上回りましたが、トルコリラ買いでの反応は限定的となりました。また、トルコ1月消費者物価指数も前年同月比57.68%と、前回64.27%から伸び率が鈍化しましたが、こちらも相場への影響は限定的となりました。
来週の見通し(2/6−2/10)
トルコリラの対円相場は、心理的節目7.00円をバックに続伸が阻まれると、週後半にかけて、6.79円まで下げ幅を広げましたが、週末にかけては、ドル円急騰に連れて全値戻しする展開となりました。但し、アップサイドより複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってくることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「弱気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。目先は1/16に記録した約1年1ヵ月ぶり安値6.75円を試す動きが想定されます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)経常収支の赤字幅拡大や、(2)トルコ中銀による利下げ再開の思惑(トルコ中銀は昨年、高インフレに見舞われているにも係わらずエルドアン大統領の圧力に屈する形で、4ヵ月で500bpもの大幅利下げを実施。12月、1月は据え置きを決定したものの、直近で発表されたトルコのインフレ指標が鈍化傾向を辿っているため、5/14に予定されている大統領選挙に向けて、エルドアン大統領が再び政策金利の引き下げをトルコ中銀に求める可能性あり)、
(3)日銀による金融緩和の早期修正観測(来週予定されている日銀人事の結果次第で再び円独歩高の流れが始まる可能性あり→ドル円下落→トルコリラ円連れ安)など、トルコリラ円相場の下落を連想させる材料が揃っています。事実、トルコリラは対ドルでの相場安定化を図っているため、トルコリラ円相場の動きは、ドル円相場に連動する展開が続いております(当方は来週後半以降のドル円下落を予測しているため、トルコリラ円相場もそれに応じて下落すると予想)。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週はトルコ12月失業率や、トルコ12月鉱工業生産などに注目が集まります。
来週の予想レンジ(TRYJPY):6.70ー7.10
注:ポイント要約は編集部
トルコ円日足
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2023.02.06
トルコリラ円見通し 米雇用統計からドル円と共に急伸(22/2/6)
トルコリラ円の2月3日は6.97円から6.82円の取引レンジ、4日早朝の終値は6.97円で前日終値の6.84円から0.13円の円安リラ高だった。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2023.02.03
トルコリラ円見通し 3営業日続落だが6.80円割れは買い戻されて下げ一服感(23/2/3)
トルコリラ円の2月2日は6.86円から6.80円の取引レンジ、3日早朝の終値は6.84円で前日終値の6.85円からは0.01円の円高リラ安だった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。