トルコリラ円見通し 3営業日続落だが6.80円割れは買い戻されて下げ一服感(23/2/3)

トルコリラ円の2月2日は6.86円から6.80円の取引レンジ、3日早朝の終値は6.84円で前日終値の6.85円からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 3営業日続落だが6.80円割れは買い戻されて下げ一服感(23/2/3)

トルコリラ円見通し 3営業日続落だが6.80円割れは買い戻されて下げ一服感

〇トルコリラ円、FOMC後のドル円続落に合わせ2/2午前6.81へ一段安、その後夕刻に6.86へいったん戻す
〇夜にドル円が128円を試したところで6.80まで安値を切り下げるが、6.80割れはひとまず回避
〇対ドル、2/2は18.82から18.76の取引レンジ、史上最安値近辺での持ち合い継続
〇トルコ外貨準備高は若干減少、昨年夏以来の増加傾向が頭打ちか
〇本日、1月消費者物価上昇率・生産者物価上昇率の発表、消費者物価上昇率は低下継続の見込み
〇6.86を超える場合は6.87から6.88への上昇を想定するが、6.88以上は反落警戒とする
〇6.80割れからは6.75前後への下落を想定するが、6.75前後は反騰注意とする

【概況】

トルコリラ円の2月2日は6.86円から6.80円の取引レンジ、3日早朝の終値は6.84円で前日終値の6.85円からは0.01円の円高リラ安だった。
ドル円は2月2日早朝の米FOMCに先行して129円台序盤へ下落していたところからFOMC通過後のドル全面安により2月2日午前には128.14円へ下落、2日夕刻に129.11円までいったん戻したものの2日夜には128.07円まで一段安となった。その後はドル高の揺れ返しもあり128円割れを回避して戻したが129円には届かずにいる。
トルコリラ円はドル円の下落に合わせてFOMC前に6.87円へ下落、FOMC後にドル円が続落した流れを追いかけて2日午前には6.81円へ一段安となった。2日夕刻にドル円が戻したところで6.86円までいったん戻したが、2日夜にドル円が128円を試したところで6.80円まで安値を切り下げた。6.80円割れをひとまず回避しているものの、ドル円の戻りも鈍く、トルコリラ円も安値圏でやや粗い揉み合いの様相だ。
日足は2月2日の陰線では下ヒゲを付けているものの3営業日連続陰線で先安感の拭えない状況だ。

【対ドルでは最安値近辺での推移続く】

ドル/トルコリラの2月2日は18.82リラから18.76リラの取引レンジ、3日早朝の終値は18.79リラで前日終値の18.80リラからは0.01リラのドル安リラ高だった。
2月2日未明のFOMCを挟んでドル全面安となったが、2月2日夜の英中銀とECBによるいずれも0.50%利上げ決定後はポンドとユーロが当面の買い材料一巡として急落に転じたために全般的にはドル高がぶり返す流れとなった。しかしトルコリラは相変わらず1ドル18.80リラを中心とした史上最安値近辺での持ち合いを継続して全般動向にはさほど左右されず、18.70リラ台後半へリラ高となる場面は早々に売られて18.80リラ台へ押し返されている。
手元のデータでは1月30日午前の18.85(18.853)リラが取引時間中の史上最安値、終値ベースでは1月24日終値18.82リラが最安値となっている。

【トルコ外貨準備高は若干の減少】

2月2日夜に発表された週次のトルコ外貨準備高は1月27日時点のグロスで762.1億ドルとなり1月20日時点の791.5億ドルから減少、ネットでは258.1億ドルとなり1月20日時点の267.1億ドルから減少した。
ネットの外貨準備高は2021年11月に326.4億ドルへ急増したところをピークとして2022年7月には60.7億ドルまで大幅に減少したが、その後はカタールの支援やロシアの原発関連投資、コロナ感染規制緩和による欧州からの観光客来訪の回復、トルコの輸出関連企業に対する外貨保有規制とリラ保護預金への半ば強制的な転換等により増加に転じ、2022年12月には281.3億ドルまで拡大を続けてきた。しかし最近は増加傾向が頭打ちとなっている。
トルコ中銀によるリラ安抑制のための市場介入等が外貨減少をもたらしているのではないかと推察されるが、トルコ中銀による為替スワップ市場におけるドル売りリラ買い残高は今週水曜時点で471.7億ドルとされており、ネットの外貨準備高を大幅に超えている。

【トルコの1月CPIは低下続く見込み】

2月3日16時にトルコの1月消費者物価上昇率、生産者物価上昇率の発表がある。
消費者物価上昇率の前年同月比は2022年10月に85.51%をつけてこの間の最高となったが、11月は84.39%、12月は64.27%へと減速した。世界全般のインフレ高進に頭打ち感が出ていることに加え、トルコリラが暴落したことによる通貨インフレを反映した2021年12月に前月比13.58%上昇、2022年1月に11.1%上昇したところとの比較により相対的に低下したという見方がされている。

1月の消費者物価上昇率についての事前予想は前月比が3.8%上昇で12月の1.18%上昇から伸びが再び加速するのではないかと見込まれてるが、前年同月比では53.5%まで減速するのではないかと見込まれている。
生産者物価上昇率の前年同月比は2022年10月に157.69%まで急伸したところから11月に136.02%、12月に97.72%と減速しており、1月も90%台序盤へ低下するのではないかと見込まれている。
インフレが落ち着くことはトルコ経済にはプラスだが、依然として主要国と比較すれば異常なレベルでの高インフレであり、予想に近い低下であればリラ安基調を崩すようなリラ買い材料にはならないのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月26日午後安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとしていたが、1月31日夜の下落時に6.90円をわずかに割り込み、その後の反発も鈍く再び6.90円割れへの余裕が乏しくなっていたために2月1日午前時点では1月31日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。またボトム形成期は1月31日夜から2月2日午後にかけての間と想定したが、1月30日午後安値を基準として2月2日午後から6日午後にかけての間へ延びる可能性もあるとした。
2月2日夜へ続落したところから下げ渋っているのでボトムをつけた可能性があると注意し、2月2日夕刻高値6.86円超えからは強気サイクル入りとして3日の日中から7日午前にかけての間への上昇を想定するが、2月2日夜安値割れからは新たな下落期入りの可能性を優先して来週前半への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では2月2日夜からの下げ渋りにより遅行スパンが実線と交錯しているが、先行スパンから転落した状況が続いている。先行スパン下限が上値抵抗となりやすいとみるが、先行スパンへ潜り込むところからはその上限を試し、先行スパンを上抜く場合は上昇が勢い付く可能性があるとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
ただし2月2日夜安値割れからは下落の長期化を警戒して遅行スパン悪化中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月2日午前から夜にかけての安値切り下げに対して指数のボトムが切り上がる強気逆行が見られるので反騰注意として50ポイント以上での推移中は60ポイント台前半への上昇を想定するが、40ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.80円を下値支持線、6.86円を上値抵抗線とする。
(2)6.86円を超える場合は6.87円から6.88円への上昇を想定するが、6.88円以上は反落警戒とする。
(3)6.80円割れからは6.75円前後への下落を想定する。6.75円前後は反騰注意とするが、6.80円を割り込んだ後も6.82円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月3日
 16:00 1月 消費者物価指数 前月比 (12月 1.18%、予想 3.80%)
 16:00 1月 消費者物価指数 前年同月比 (12月 64.27%、予想 53.5%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前月比 (12月 1.9%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前年同月比 (12月 51.9%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前月比 (12月 -0.24%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前年同月比 (12月 97.72%)


注:ポイント要約は編集部

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