オーストラリアドル週報(2023年2月第1週)

豪ドルは対米ドルで堅調推移、対円では上値の重い展開となっています。

オーストラリアドル週報(2023年2月第1週)

豪ドル/円、短期は“やや強気”。90円割れで変化。中期は下値リスクを残す。

1/31に発表された12月の豪小売売上高は▼3.9%と市場予想の▼0.3%を大きく下回り、2020年8月以来の大幅な落ち込みとなりました。背景には物価や金利の上昇で、消費に影響が出たと見られています。為替市場はこの結果を受けて対ドル、対円で売りが優勢となりましたが、2/2のFOMCで市場の予想通り+0.25%の利上げが決定され、その後の記者会見でパウエルFRB議長がインフレ鈍化の兆しに言及したこと、米経済指標が事前予想比弱いものが多かったことから、ドル売りが優勢となり、豪ドルは対米ドルで堅調推移、対円では上値の重い展開となっています。

チャートを見ると、日足は12/30につけた87.03を直近安値として下値をゆっくりと切り上げています。また、昨年9月につけた98.60を基点として上値を切り下げて来た流れからも上抜けた位置で推移しており、短期トレンドは“豪ドルやや強気”の流れにありますが、この日足の下値抵抗が90.20-30にあり、これを割り込んで終えた場合は日足の形状が悪化して下値リスクが点灯します。さらに90円を割り込んで終えた場合は短期トレンドが変化して88〜89円をトライする動きが強まり易くなります。日足の上値抵抗は91.70-80,92.60-70,93.10-20に、下値抵抗は90.60-70,90.20-30,89.00-10にあります。21日移動平均線は90.90に位置しており、値動きの中で若干下抜けていますが“ダマシ”の範囲内です。しかし120日、200日線は93.05と93.04に位置しており、強い上値抵抗として働いています。

一方直近の週足は陽線引けとなり、この陽線が昨年9月につけた98.60を基点として上値を切り下げて来た流れから上抜けて越週しており、一段の上昇の可能性が点灯中ですが、今週は93円超えトライに失敗して押し戻されています。この週足ベースで見た下値抵抗が90.20-30にありますが、90円を割り込んで越週した場合は、先週の陽線が“ダマシ”となった可能性が高くなり、短期トレンドが“弱気”に変化して一段の下落リスクが生じます。逆に90.50超えを維持して越週すれば反転、上昇の可能性を残します。今週の週足ベースで見た上値抵抗は92.10-20,93.00-10に、下値抵抗は90.20-30,89.10-20,88.00-10にあります。可能性がまだ低いと見ますが、88円割れで越週した場合は、中期トレンドが変化して85円方向への新たな下落リスクが生じます。31週移動平均線は93.05にあり上値を抑え込んでいますが、62週線は90.23にあり、短期トレンドをサポートしています。

豪ドル/円、短期は“やや強気”。90円割れで変化。中期は下値リスクを残す。

2/2現在、31週移動平均線は93.05にあり、上値を抑え込んでいるが、62週線は90.23にあり下値抵抗として働いている。

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