米1月雇用統計の予想
本日は1月の米雇用統計関連の数値が発表されます。
前回12月は@失業率、A非農業部門雇用者数(NFP)で予想を上回りましたが、B平均時給の前年比が大きく下がりました。発表前は134円60銭前後で推移していましたが、為替市場はB平均時給に反応した債券市場での金利低下に、ドルは132円まで売られ132円08銭で引けました。その前の東京時間では日銀の臨時オペ実施に寄り付きから1円50銭程度ドルが上げていましたが、全てを打ち消すドル安でした。
今回予想
(2月3日9時00分現在)
今回予想は@〜Bまで前月比で低下予想になっています。@の失業率に関して、FRBの12月時2023年予想は4.6%(9月時の4.4%から下方修正)ですので、まだ予想は好数値と言えそうです。A非農業部門雇用者数(NFP)も20万人前後ですので、雇用増は堅調に推移していると思います。因みに水曜日発表されたADP社民間雇用者数は予想17.7万人に対して10.6万人に留まり、精彩欠いた結果になっています。NFP予想の下限が13万人ですので、これ以下になると、金利への影響がでそうです。注目のB平均時給ですが、ここ数ヶ月は低下傾向を辿っており、下図(1)を見ると昨年3月の前年比+5.6%をピークに一貫して下がり続け、遂にコロナ前の黒の上昇トレンド以下になっています。
尚、アトランタ連銀GDPナウは2023年第1四半期GDPが前期比年率0.7%(2月1日現在)で、1月27日と同じでした。低空飛行になっているので、プラスを維持出来るか、マイナスになるか今後の指標次第になります。
(1) 平均時給(前年比)
下図の平均時給は昨年3月高値からの低下傾向が続いており、ここ数ヶ月の数値は下方修正されたことから、過去のトレンド(黒の矢印)を下回り始めています。尚、12月のPCEコアは前年比4.4%で、前回12月の平均時給が前年比4.6%でしたので、やっとインフレと同じ水準になっています。FRBの2023年予想(2022年12月時予想)はPCEで3.1%、PCEコアで3.5%になっています。予想通りにインフレが低下し、平均時給の伸びが緩やかになれば、実質可処分所得増になります。
(2)ご参考:8月からADP社民間雇用数の数値公表が再開されました。2015年まで遡ってADP社とNFPを比較しています。以前と比べて、だいぶ両者の差異が接近しています。但し、傾向は伸び幅が両者ともに低下傾向を辿っています。
下図はドル円の日足チャートです。
昨年10月21日高値からの抵抗線A(=128円60銭)は1月30日に上抜けましたが、11月22日高値からの抵抗線B(=130円50銭)に止められて反落しています。このBから平行に下したC(=123円60銭)でドル安トレンドを形成しています。
また、1月16日底値からのサポートD(=128円80銭)があり、昨日はそのDを割りました。
これである程度BとCのトレンドを形成していく時間帯に入った可能性が高くなっています。今日の終値で再度A以下に潜り込んでくれれば、ドル安の再確認になります。その際は当面A、D、Bの順に抵抗線ができます。下値は1月16日底値127円23銭がポイントになります。
(2023年2月3日13:00、1ドル=128円59銭)
オーダー/ポジション状況
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