雇用統計をはじめ米経済指標が波乱要因に
〇本日の東京市場ドル円は、128円台での推移で底堅い
〇NY時間に予定されている米雇用統計など重要指標の発表をにらみ様子見ムードか
〇ドル高・円安方向は昨日高値129.14が最初の抵抗、超えると130円に接近
〇ドル安・円高方向は、昨日安値128.09の攻防に注目、下回ると127円台突入で、127.22も視界内
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.80-129.30
<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は揉み合い。128円台後半を中心とした30ポイント強のレンジ取引に終始している。
ドル/円は128.65円レベルで寄り付いたものの、積極的な売買は手控えられた。NY時間に予定されている米雇用統計の発表をにらみ、全体的に様子見ムードが強い。そうしたなか、出席した衆院予算委で黒田日銀総裁から「適切に金融政策を運営する」との発言が聞かれたものの、とくに新味もなく影響は限られている。16時現在では寄り付きとほぼ同レベルの128.60円台で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「英欧金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日英中銀が政策金利を0.5%引き上げるとともに、ECBも同じく0.5%の利上げを実施している。しかし、為替市場は逆の反応でポンド売り、ユーロ売りが進行する展開。前者の英中銀に関しては、ガイダンスから「必要なら強力に対応」の文言が削除されたうえ、ベイリー総裁が「インフレが転機を迎えた最初の兆しが表れている」と発言したことなどが嫌気されていたという。一方、欧州はラガルド総裁が「合理的なシナリオで大幅な利上げが必要」などとしつつも、「インフレ見通しに対するリスクはより均衡した」と述べたことに失望したとされ、ECB会合後はやはりユーロ売りに傾斜する展開をたどっている。米国に限らず英欧に関しても、市場は利下げ方向のニュースに敏感に反応しやすくなっている。
対して後者は、ウクライナに対する戦闘機の供与について、欧米諸国から否定的な見解が少なくないなかフランスに続きポーランドも「NATO全体としての決定であれば、戦闘機の供与を支持する」と明言したと伝えられていた。また、それとは別に欧州委員長がキーウを訪問しゼレンスキー大統領と会談、軍事・経済支援を確約したとも報じられている。ただ、ロシアサイドは一連の動きに不快感を示したうえで、ペスコフ報道官が西側の兵器供与に強い警告を発していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、1日に129円を下限とした短期レンジを底割れするも値は走らず。昨日は128.09円で下げ止まり、本日東京も128円台での推移でドルは底堅い。しかし、本日は米雇用統計の発表という大きな材料が予定されていることもあり油断は禁物。昨日安値を下回れば、1月安値127.22円がターゲットに。さらに、そのレベルも割り込むと126.36円を目指す展開か。
日米を中心とした金融政策を注視する向きが多いなか、珍しく市場でもっとも注目を集めているのは日本の金融政策。日銀の正副議長人事とあわせ、政策修正期待も依然として根強いものがある。ただ、本日はNY時間に1月の雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった重要な米経済指標の発表が予定されており、まずはそれらに要注意。なお、ここ最近の傾向をみると、欧米諸国の金利引き下げ期待が強く、経済指標でいえば悪化方向の数値が出た場合の方が大きな影響を与える可能性もありそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は1月安値127.22円を起点にしたフィボナッチで上昇幅の76.4%戻し128.25円も下回っており、100%戻しも視界内には捉えられている。昨日安値128.09円を割り込むようだと、さらなるドル安進行も。
それに対するドルの抵抗はまず昨日高値の129.14円。超えれば移動平均の21日線も現在近くに位置する130円前後を目指す。ただドルの上値は重そうだ。
本日は米経済指標として、1月の雇用統計や同ISM非製造業総合指数などが発表される予定となっており、それらの内容には要注意だ。ちなみに前者のうちの非農業部門雇用者数はプラス19万人、失業率は3.6%程度が見込まれている。予想と乖離した場合には相場の波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.80-129.30円。ドル高・円安方向は昨日高値129.14円が最初の抵抗。超えると130円に接近も。
対するドル安・円高方向は、同じく昨日安値128.09円の攻防にまずは注目。下回ると127円台突入で、127.22円も視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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