ユーロ そろそろ反転下落のタイミングが近いか(週報1月第4週)

先週のユーロドルは、ほとんど動きが見られない一週間に終わりました。

ユーロ そろそろ反転下落のタイミングが近いか(週報1月第4週)

そろそろ反転下落のタイミングが近いか

〇先週のユーロドル、値幅119pipsとほとんど動きが見られない一週間
〇ECB関係者のタカ派な発言目立つも、今後インフレが急速に低下する可能性も高く市場参加者の反応鈍い
〇今週は月曜にECB関係者の発言、火曜の主要国PMI速報値が大きな材料となりそう
〇利上げペース減速を示唆するようなハト派的な発言が出る場合はユーロドルは売られやすい
〇今週は1.0740レベルをサポートに、1.0940レベルをレジスタンスとする週とみる

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、これまで同様ではあるもののドル円が日銀会合もあり4円以上も動いた中で119pipsの値幅に留まり、前週の半分ほどとドル円の乱高下をよそにほとんど動きが見られない一週間に終わりました。ECB関係者のタカ派的な発言が目立ったものの、今後インフレが急速に低下していく可能性も高く、前回のECB理事会でのタカ派発言に縛られている感がある発言と考えられなくも無いことから、市場参加者のタカ派発言への反応は鈍いと言えます。

今週は月曜にECB関係者の発言、火曜の主要国PMI速報値が大きな材料となりそうですが、上述した通りでECB関係者がタカ派な発言をしたとしても動きは限定的と見られます。逆に先週の観測記事のように利上げペース減速を示唆するようなハト派的な発言が出る場合にはユーロドルは売られやすくなるでしょう。月曜に反応が出なくても火曜のPMI速報値が弱い場合もユーロドルが下げる要因となります。

今週は中国が一週間休みとなることもありますし、現在のユーロドルは蚊帳の外状態という感もありますので、材料で動くにはよほどの材料でないと難しいと見られます。いっぽうで長期テクニカル的には先週の週足チャートで見たように、2021年1月高値1.2348と2022年9月安値0.9535の半値戻しが1.0941となっていて、既に本日1.0903レベルまで高値を切り上げてきたこと、ドル円が127円台からドル高方向に動いていることを考えると、ユーロドルもいつ反転して下げに転じてもおかしくありません。

日足チャートを見てみましょう。

そろそろ反転下落のタイミングが近いか

値幅が狭いこともあってあまり代わり映えがしませんが、11月中旬からはピンクの平行上昇チャンネルの中での動きを続け現状は上側のラインにへばりつくような動きとなっています。長期ターゲットと上昇チャンネルが交差するのは2月上旬となりますが、残り38pipsですから達成したと見ることも十分に可能な距離です。今週はターゲット前後での反転下落を考えたいところです。

そうなると、ドル高がきっかけなのかユーロ安がきっかけなのか難しいところですが、次回ECB理事会に向けてECBの利上げペース減速思惑がもっともありそうなきっかけに思えます。先週同様にこうしたECB関連の観測記事には注意しておきましょう。

今週も値幅が急速に拡大することは無さそうですが、最近はあまりに静かな展開が続いていますので、1.0740レベルをサポートに、1.0940レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週はユーロ円の日足チャートを見ておきましょう。

そろそろ反転下落のタイミングが近いか 2枚目の画像

先週は週足チャートを見て2022年安値の124.38と2022年高値148.39の半値押し136.39がターゲットとなりやすいことを書きましたが、日銀会合後の円じり安の動きから12月下旬以降のもみあいへと逆戻りです。

ピンクのラインで短期のサポートとレジスタンスを引いてみましたが、現在は138円台前半から142円台半ばの間で上下ともに動きにくい流れになってきたと言えます。長期的には日銀の緩和縮小思惑が円買い材料となりますし、ECBの緩和縮小思惑もユーロ売り材料となりますので、レジスタンスラインに近いところでの売りがワークしそうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

1月23日(月)
**:** 中国市場休場(〜27日)
22:30 イタリア中銀総裁講演
23:30 パネッタECB理事講演 ☆
24:00 ユーロ圏1月消費者信頼感速報値 ☆
25:00 オーストリア中銀総裁講演
26:45 ラガルドECB総裁講演 ☆

1月24日(火)
16:00 ドイツ2月消費者信頼感
16:45 フランス1月企業景況感
17:10 オランダ中銀総裁講演
17:15 フランス1月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 ドイツ1月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
18:00 ユーロ圏1月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
18:30 英国1月製造業・サービス業PMI速報値 ☆

1月25日(水)
18:00 ドイツ1月企業景況感

1月26日(木)
22:30 米国10〜12月期GDP速報値 ☆

1月27日(金)
16:45 フランス1月消費者信頼感

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時~NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

1月16日(月)
ユーロドルは週明け早朝はドル売りが先行し一時1.0874レベルと前週高値を更新し昨年4月以来の水準となりました。その後は急速に水準を下げ、海外市場では1.08台前半でもみあいのまま1日を終えました。

1月17日(火)
ユーロドルはNY市場まで横ばい、NYが始まる前に強かったドイツの経済指標を受けたユーロ買いが先行したものの、今後のECBの利上げペース鈍化の観測記事を受け反落後にもみあいを下抜け。NY昼過ぎには1.0774レベルまで水準を下げて安値圏での引けとなりました。

1月18日(水)
ユーロドルは欧州市場に入りフランス中銀総裁が0.5%の利上げを肯定する発言を行ったことからユーロが上昇しました。ただ値幅は1.07台後半から1.08台後半へと上昇後に1.07台後半へと戻し方向感は無いままの流れが続いている状態でした。また日銀会合後のドル円での乱高下の動きがユーロ円にもそのまま影響したこともユーロドルの動きを小さくしていました。

1月19日(木)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場に入りラガルドECB総裁がタカ派発言をしたことからユーロは対ドル、対円で上昇しました。その後は上値も重くなりNY前場には東京市場の水準への下押しを挟んで、引けにかけては改めてユーロ買いの動きとなりユーロドルは1.0840レベルと日中高値を更新し、高値圏での引けとなりました。

1月20日(金)
ユーロドルは欧州市場まではドル円とともにユーロ円の買いも見られもみあいを続けていました。欧州市場ではドル買いの動きに引っ張られてユーロドルも下げましたが1.08は割り込まず、NY市場ではドル売りの動きから高値圏に戻しての引けとなりました。

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