ドル高、リスク再燃の兆しあるも上値は重そう(1/23夕)

週明け23日の東京市場はドルが小じっかり。

ドル高、リスク再燃の兆しあるも上値は重そう(1/23夕)

ドル高、リスク再燃の兆しあるも上値は重そう

〇週明けのドル円、当初はドル売り優勢で129円割れを試すも失敗、反転して130円台乗せ
〇ドル円、少しずつ頭の重さ解消されつつあるも、130円半ば以上はまだまだ重そう
〇米経済指標や要人発言、中国が春節休暇に入ったことを受けた、コロナ感染状況等要注視
〇ドル高方向は先週末高値130.62、18日高値131.58がレジスタンス
〇ドル安方向は130円前後の攻防か、割り込むと129円半ばが意識される
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは129.40-130.90

<< 東京市場の動き >>

週明け23日の東京市場はドルが小じっかり。夕方には130円台を回復し、そのままドルは高値圏を維持している。

先週末は、中国で春節(旧正月)休暇がはじまり、国民の大移動が話題に。一方、米国ではまたぞろバイデン大統領の「機密文書持ち帰り問題」が発覚。来年の米大統領選に向けての大きな足かせとなりつつある。
そうした状況下、ドル/円は129円半ばで寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。129円割れを目指したものの、結局失敗に終わる。それを受け、今度は一転してドルは上値を試す展開になると、夕方に掛けて130円台へ。16時現在でも、そのままドルは高値圏をキープし欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米国情勢」と「中国情勢」について。
前者は、幾つか興味深い話題があったか、とくにとなると次の2つ。ひとつは先でも取り上げた「バイデン大統領の機密文書持ち帰り問題」発覚で、司法省によると私邸から6点の文書が発見されたという。私邸や個人事務所で機密文書が見つかったのは、これで3度目。さすがに野党側からの追及を免れない状況だ。一方、米債務の法定上限到達問題も別途話題に。バイデン氏が債務上限引き上げめぐり下院議長と協議する意向を示したほか、イエレン財務長官からもデフォルト危機に言及したうえで、野党共和党に議会での協力を求める発言が観測されていた。今後の議会運営などにも一応要注意。

対して後者は、春節を前にした週末の演説で習国家主席が「人民の生命と健康を最大限に守った」などとしたうえで、自身の新型コロナ対策を改めて正当化。そうしたなか、中国疾病予防センターで首席専門家を務める呉氏が、中国版ツイッター「ウェイボー」で、「人口のおよそ80%がすでに感染した」という見解を明らかにしたことが話題に。事実だとすれば人口14億人のうち11億人あまりが感染した計算になる。なお、それとは別に「戦狼外交」の先駆的存在と言われる秦外相が3月に国務委員昇格すると報じられ、一部で警戒感が高まっていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先週18日、129円より上に2.5円ほどの長い上ヒゲを記録。これが目先ドルの上値を抑制している感もみられたが、それでも先週末や本日に130円台へと乗せるなど少しずつ頭の重さが解消されつつあるようだ。とは言え、130円半ば以上はまだまだ上値も重そうで、すべてをこなすにはいま少し時間が必要か。また、上値の重さを確認後、ドルは再び下値を試すリスクもないではなく、場合によっては128-130円を中心とした一進一退、レンジ取引をたどる可能性もある。
日米金融政策を注視しつつ、発表される米経済指標などによって市場は一喜一憂。ちなみに、本日東京では、公開市場操作の日銀による「共通担保資金供給オペ拡充」が話題になっていたという。いずれにしても、このあとについても発表される米経済指標や要人発言などで市場では思惑が交錯する展開か。また、それとは別に中国が春節休暇に入ったことを受けた、新型コロナの感染状況も波乱材料として関連ニュースなどには注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は大きな意味でレンジ内だが、再びドル高方向への展望が開けつつあるようだ。先週末高値130.62円、あるいは18日高値131.58円をめぐる攻防にまずは注目。超えればスグに到達するというわけではないが、135円が中期ターゲットとして視界内に。
ただし、上抜けが失敗に終われば次回米FOMCをにらみつつ、しばらくはレンジ取引か。明確な方向性がしばらくは出にくいのかもしれない。

本日は米経済指標として、12月の景気先行指数が発表されるものの、米国関係の決定事項は少なめか。ただ、ラガルドECB総裁の講演など欧州要人は発言機会も多く、ヒョッとすると欧州通貨主導の動きとなる可能性も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.40-130.90円。ドル高・円安方向はまず先週末高値130.62円が最初の抵抗。上抜ければ移動平均の21日線が位置する131.20円レベル、そして131.58円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京夕方に超えてきた130円前後の攻防にまずは注目。割り込むと129円半ばが意識されそうだ。(了)

注:ポイント要約は編集部

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