シカゴポジション(CME)370
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年1月17日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは上記4通貨全て小動きになりました。リスク低減しながらもまだ4通貨の相場観は変わらずのままでいます。特に豪ドルと円が非常に厳しくなっている状況は変わりません。
まず豪ドルですが、僅か70枚のショート減で、様子見しました。総枚数は3,400枚減らしているので、リスクは低下させています。NZドルもロングサイドを利確し手仕舞いしてきました。まだ目安の5,000枚を維持しているので、NZドル先高の相場観を持っていますが、一段上のNZドル高も見ていない状況です。オセアニア通貨の真逆ポジションは解消されず、どちらかの通貨にサヤ寄せするのではなく、このまま両ポジションを減らして一度仕切り直しをしそうな雰囲気になっています。来週のFOMCと再来週の豪州中銀金融政策待ちの様相です。
円は一段とポジション調整をしてきました。いつでもひっくり返せる枚数です。12日の米CPI後の押し目でドルを買わずにいましたので、もしかしたら締日(17日)翌日の日銀の金融政策後のドル高で一段とロングを手仕舞いしているかをみます。シカゴは長きに亘るドルロングポジションがいよいよ転換点になるのか興味深くなっています。ユーロは前回押し目買いをして、今回15万枚付近まで積み上げるかを見たかったのですが、ネットで8,000枚を利確してきました。シカゴはまだ1.10越えがユーロ高の通過点との相場観を持っていない様です。1.10付近で逆に10万枚を下回ってくれば、ユーロは暫くレンジとの相場観になりそうです。
シカゴはロング1,600枚減、ショートは1,700枚減で、ネット100枚弱の豪ドルショート減になりました。総枚数では昨年10月11日締日の89,900枚に次ぐ少ない枚数になっています。その当時のネットポジションは▼31,000枚で、翌週から2週で▼51,000枚まで積み上げています。今回も同じ道筋辿るかを注目します。またこの当時のNZドルはネットポジションで▼19,000枚程度保有していたので、先行きオセアニア通貨安の相場観で揃っていました。今回は両通貨で真逆のポジションとなっているので、ここから売り上がりするとも思えない状況です。チャート内の赤の豪ドル安トレンドラインが今週0.6010〜0.6500付近にあり、今回10月11日締日の底値から緑のサポートラインを加えました。17日締日ベースでは0.6750付近にあり、綺麗にサポートされています。この10月11日は上記に書いた様に総枚数が2020年7月以降では最低数で、しかも売り上がり開始した時点ですから、コストは大幅に悪いと思われます。黒のサポートが0.73付近にあり、そこまでの戻りを試しそうな動きになっています。
実際の相場は、先週「…(豪ドル高)トレンドラインは今週0.6740〜0.7010にあり、まさしく今日はこの上限にいます。この上限はサポートから平行に上げたものですが、ほぼ高値を結んだ線と合致しています。1週間で30ピップス程度の上昇ですので、金曜日に0.7040付近の上値を守れるか否かになります。また0.7050は昨年8月初旬の高値に当たります。万一越えた場合は、昨年8月11日高値の0.7138方向がポイントになります」としましたが、1月18日に0.7063の高値を付けましたが、終値は0.6943.残り2日も0.70越えの終値はなく、この抵抗線に阻まれています。トレンドラインは今週金曜日には0.6800〜0.7070となるので、今週はこのレンジ内に収まりそうです。上値抵抗線としては0.7020〜30、0.7060〜70になります。
一方、このトレンドライン内には1月3日底値からのサポートが今日現在0.6890、金曜日には0.6940となり、もし週内でこのサポートが切れると、トレンドライン下限方向への押しになります。この際は0.6850〜60、0.6820、0.6790〜0.6800の順にあるサポートを試すことになります。FOMC・豪州中銀の金融政策前には動き難いと思いますので、このトレンドライン内での動きを見たいと思います。シカゴのショートは一層厳しい状況に置かれています。(1豪ドル=0.6979米ドル、1月23日14:15)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。