南アランド週報:『対円相場は週末にかけて下げ幅拡大。来週は南アCPIに注目』(1/14朝)

南アランドの対円相場は、7.60円ー7.90円をコアレンジとした上下動が続いていましたが、今週は週末にかけて値を崩し、再び直近安値圏へと下落しました。

南アランド週報:『対円相場は週末にかけて下げ幅拡大。来週は南アCPIに注目』(1/14朝)

『対円相場は週末にかけて下げ幅拡大。来週は南アCPIに注目』

〇今週の南ア円、中国のゼロコロナ政策撤廃、金・プラチナ価格上昇等に週央にかけ7.85まで上昇
〇買い一巡後はドル円の下落で7.57まで下落
〇対ドル相場は堅調推移が継続し、昨年8/18以来の高値圏へと上昇
〇南ア円7.60-90のコアレンジ下抜け、直近安値圏へと下落、地合い弱い
〇来週は11/17ー18の日銀金融政策決定会合、11/18の南ア12月CPIに注目
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.45ー7.75

今週のレビュー(1/9−1/13)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.70円で寄り付いた後、(1)中国政府による「ゼロコロナ政策」の完全撤廃(中国と経済的な結び付きの強い南アフリカのポジティブ要因→市場心理改善→南ア株上昇)や、(2)南ア11月製造業生産(結果+2.0%、予想+1.1%、※前月比)の市場予想を上回る結果、(3)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)が支援材料となり、週央にかけて、週間高値7.85円まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)ドル円相場の大幅下落(読売新聞社による「日銀が1/17ー1/18の金融政策決定会合で大規模金融緩和の副作用を点検する」との報道に端を発した円買い圧力と、米CPI鈍化に伴うドル売り圧力の組み合わせ→ドル円大幅下落→南アランド円連れ安)や、(5)恒常的なエネルギー不足に伴う南ア経済の先行き懸念が重石となり、週末にかけて、週間安値7.57円(昨年12/20以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/14午前5時00分現在)では、7.60円前後で推移しております。一方、対ドル相場は堅調推移が継続し、昨年8/18以来の高値圏へと上昇しました。

来週の見通し(1/16−1/20)

南アランドの対円相場は、昨年12/20に記録した約9カ月半ぶり安値7.53円をボトムに反発に転じると、その後は7.60円ー7.90円をコアレンジとした上下動が続いていましたが、今週は週末にかけて値を崩し、再び直近安値圏へと下落しました。上方より複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってくることや、強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役逆転」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(電力不足の長期化懸念や失業率の高止まり、相次ぐストライキなど不安定要因・目白押し)や、(2)南ア中銀の利上げペース鈍化観測(昨年12月に発表されたインフレ指標が軒並み鈍化→南ア中銀の金融引き締め休止観測台頭)、(3)日銀による金融緩和の修正観測(対主要通貨での円買い圧力継続)など、南アランド円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。

こうした中、来週は11/17ー11/18の日程で開催される日銀金融政策決定会合と、11/18の南ア12月消費者物価指数(CPI)に注目が集まります。読売新聞社が報じる通り、日銀会合で緩和修正が決定される場合や、南アCPIが市場予想を下回る場合(インフレピークアウト期待が高まる場合)には、円金利上昇に伴う円買い圧力と、南ア中銀の利上げペース鈍化観測に伴う南アランド売り(昨年11/24に開催された南ア中銀会合では5名のうち2名が75bpの利上げではなく50bpへの利上げペース鈍化を支持→来週発表される南アCPIが鈍化を示せば、今月1/26に予定されている南ア中銀会合で利上げペース鈍化が決定される公算大)が組み合わさることから、南アランド円相場に強い下押し圧力が加わる展開が想定されます。状況次第では、昨年12/20に記録した直近安値7.53円を割り込むシナリオも想定されることから、来週は週央以降の南アランド円下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.45ー7.75

注:ポイント要約は編集部

『対円相場は週末にかけて下げ幅拡大。来週は南アCPIに注目』

南アランド円日足

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