シカゴポジション(CME)368
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2023年1月3日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴの上記4通貨はオセアニア通貨が米ドル売り、円とユーロが米ドル買いになりましたが、全般的には小動きに終始しました。
まず豪ドルですが、ポジションは前週とほとんど変わりませんでした。総枚数で4,000枚ほど増やしているので、シカゴの豪ドル先安観は維持したままです。一方のNZドルは500枚強のNZドルロングを増やしており、オセアニア通貨での真逆のネットポジションは解消されずに、NZドル高豪ドル安の相場観をキープしています。その豪ドル対NZドルは昨年12月12日週を底値にして豪ドル高NZドル安になっているので、シカゴのオセアニア通貨の相場観は相変わらず機能していません。
NZドルはロングに引っくり返してから200ピップス以上も下落していましたが、先週の米失業率以降は大幅なNZドル高となっており、最後にショートだった12月13日締日終値0.6462まで残り100ピップス弱まで戻しています。反対に豪ドルは同じ13日の終値が0.6853で、現在のスポットはそれを越えており(13時現在1豪ドル=0.6900ドル絡み)、完全に相場観がアゲインストしています。どちらの通貨にサヤ寄せするのかを注目します。時間経過と共にオセアニア通貨は同じ方向のポジションになるとみています。
円はこれまでネットショート減、総枚数減でリスクを低減させてきましたが、総枚数は前回と変わらずにして、ドルロングをネット9,000枚強積み増してきました。円ロングを4,000枚減、ドルロングを5,000枚増ですので、完全にドル先高観を維持しています。丁度締日3日の底値は129円52銭でしたので、押し目買いした模様です。その日終値が131円02銭で、締日以降の5日・6日は134円台を示現しており、短期で手仕舞いしたとは思いませんが、失業率発表後は2円以上の円高でしたので、今日の締日ポジションには注目したいと思います。ユーロは前回、目先のユーロ安でネット15万枚越えのロングになっているかを確認としましたが、結局押し目でポジション調整してきました。まだ大幅ユーロ先高観には慎重になっているようです。直近は新高値を更新しているので、やはり今日の締日ポジションには注目したいと思います。
先週のシカゴは、ロング2,200枚減、ショート2,800枚減となり、差し引き600枚のロング増で、総枚数は減少させているので、リスクを低減させています。それでもロングは積み増した形になっており、NZドル先高観を維持しています。下図のチャートを見ると、チャート内の黒のNZドル安トレンドラインが0.5790〜0.6510にあり、先週3日の締日まではNZドルが下がっていました。急激に上げている緑のサポートは完全に切れており、0.64付近で抵抗線になっています。先週の失業率後にはNZドルが大きく回復しているので、シカゴにとってはやれやれとなっています。
さて実際の相場は、先週「…今週は0.6240〜0.6710(1週間70ピップス上昇)になり、このサポートは昨日切れました。現在は絡んだ状況ですが、NZドル下落リスクが高くなっています。10月17日底値からのサポートが0.6170〜80にあるので、今週はこのサポートを守れるか否かになります」としましたが、底値は1月6日の0.6191で、10月17日底値からのサポートを守り反発しています。括弧内のNZドル高トレンドラインは一度切れたので、この10月17日底値を基準とすると、今週は0.6210のサポートになります。上値は12月13日高値からの抵抗線が0.6410にあり、現状は0.6210〜0.6410の3角持ち合いになっています。上値は残り40ピップス程度の抵抗線ですが、もし0.6410を越えると、0.6450、0.6470〜80、0.6515の順に抵抗線あり、最後は13日高値との2回目トライになります。
一方、0.6410の抵抗線を抜けずに反落すると、0.6320〜30、0.6300、0.6260〜70の順にサポートあります。0.6210を切らない限りはNZドル高トライの中にいます。
(1NZドル=0.6374米ドル、1月10日14:00)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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