米12月雇用統計の予想
本日は12月の米雇用統計関連の数値が発表されます。前回11月は失業率が横這いで、非農業部門雇用者数(NFP)、平均時給は予想を上回りました。市場は好数値を好感し、ドル円相場は発表前の134円00〜10銭からこの日高値の135円98銭まで買われましたが、材料出尽くしから債券市場では買い戻しとなり、米金利低下から134円31銭で引けました。この週はFRB議長のFOMC会合での利上げ幅縮小を示唆する発言があり、金利高・ドル高一辺倒の相場から市場の受け止め方が少し変化していました。現在もその流れにあるので、数値如何になりそうです。
さて、今回12月予想は、失業率が横這い予想ですが、12月時点のFOMC見通しでは2022年末に3.7%ですので、結果が予想レンジの範囲内なら材料視されないと思います。因みにFOMC見通しの2023年末失業率は4.6%(9月時4.4%から下方修正)まで悪化する予想になっています。非農業部門雇用者数(NFP)は前月よりも減りますが、予想通りなら、引き続き雇用拡大は順調に推移していると思われます。昨日発表のADP社民間雇用者数が23.5万人と予想の15万人を大きく上回り、ドル買い材料になりました。NFP上振れの可能性もありますが、ある程度の上振れは織り込み始めていると思われます。逆にレンジ下限の場合は材料視されそうです。平均時給は前月よりもやや下がる予想です。但し、伸び率自体は悪くなく、下図にある様に昨年初を高値にしてやや低下傾向ですが、過去の上昇トレンド(黒い線)より上になっています。
尚、アトランタ連銀GDPナウは第4四半期GDPが前期比年率3.8%(1月5日現在)になっており、1月3日時点の3.8%から小幅ダウンしていますが、高い成長率を維持しています。
今回予想
(1月6日8時30分現在)
下図の平均時給は堅調な伸びを続けています。今年2月高値からの低下傾向が続いていますが、まだ過去のトレンド(黒の矢印)を越えています。また年率の伸び率は11月PCE全体(5.5%)・PCEコア(4.7%)に近い水準となっています。
FRBの2023年予想(2022年12月時予想)はPCEで3.1%、PCEコアで3.5%になっています。今年は予想通りにインフレが低下し、このまま平均時給の伸びが維持できれば、実質可処分所得増になります。
ご参考:8月からADP社民間雇用数の数値公表が再開されました。2015年まで遡ってADP社とNFPを比較しています。だいぶ両者の差異が接近していますが、まだ大きな凸凹があります。
下図はドル円の日足チャートです。流れはドル安になっています。
@ 10月21日高値からの抵抗線A(=133円50銭)とそこから平行に下したB(=125円50銭)の赤のドル安トレンドライン
A 11月22日高値からの抵抗線C(=134円70銭)とそこから平行に下したD(=127円80銭)の緑のドル安トレンドライン
の2つがあります。現状は上ヒゲだけ@を抜け始めています。この場合はもう一段上の抵抗線であるAのCがポイントになります。また12月28日の戻り高値がE(=134円50銭)にあり、このE〜Cのゾーンが当面の抵抗帯になります。もしこれも上抜ければ、次はF(=137円90銭)付近が目安になります。但し、水曜日のISM製造業景況指数時に添付した週足チャートでは高値からの抵抗線が136円30銭にあるので、Fの前の重要な抵抗線になっています。
逆に今日のNY終値で@、Aの抵抗線を維持できれば、ドル安トレンドラインに沿った動きになります。
(2023年1月6日13:15、1ドル=133円88銭)
オーダー/ポジション状況
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