予断許さないが相場は徐々に落ち着く展開か(11/17夕)

17日の東京市場はレンジ取引。139円半ばを挟んだトータル50ポイントほどの往来相場で、方向性は乏しかった。

予断許さないが相場は徐々に落ち着く展開か(11/17夕)

予断許さないが相場は徐々に落ち着く展開か

〇本日のドル円、積極的な動意なくレンジ抜けられず16時現在139.50-55で推移
〇ブルームバーグ、ECBは「12月の利上げ幅を0.5%に減速させる可能性がある」と報じる
〇上値は重く高値は依然として切り下がり、16日高値140.29を超えることが出来るか否か注目
〇本日は11月フィラデルフィア連銀景況指数や米10月住宅着工件数などが発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.60-140.30

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場はレンジ取引。139円半ばを挟んだトータル50ポイントほどの往来相場で、方向性は乏しかった。

ドル/円は139.55円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。寄り付きを中心に上下25ポイント程度のなかで一進一退をたどっている。途中、またもや「北朝鮮が弾道ミサイルを発射」といった報道が観測されるも、とくにリスク回避の動きなども観測されず。結局、レンジを抜けられないまま16時現在では139.50-55円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「米欧の金融政策」について。
前者は、G20サミット開催中に伝えられた「ロシアのミサイルがポーランドに着弾、死者も」報道が依然として物議を醸す。G7首脳やNATO、国連安保理などが緊急会合を開催し、一部では激しい応酬も観測されたが、着弾したミサイルそのものはロシアが発射したものではなく、「ウクライナ軍の迎撃弾」との見方が有力視されつつあるようだ。実際、米国防長官も「ロシア軍による意図的な攻撃ではない」と思惑を否定していた。しかし、それでもポーランド大使が「ウクライナに対するロシアの戦争がなければ罪なき人々が殺されることはなかった」と述べるなど、ロシアに責任の一端があるといった声は根強い。

対して後者は、ブルームバーグがECBの利上げについて「12月の利上げ幅を0.5%に減速させる可能性がある」と報じるなか、スペイン中銀総裁は「ECB、利上げを慎重に進めるべき」、伊中銀総裁からも「ここ数ヵ月より慎重な利上げを正当化するケースが増えている」との発言が聞かれていた。一方、米国についてはウォラーFRB理事が「12月会合では0.5%の利上げが適正」、サンフランシスコ連銀総裁も「政策金利のピークは4.75-5.25%が妥当」と少しトーンダウンしたコメントを発していたようだ。5会合連続の0.75%利上げはやはり難しくなってきたのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

今週のドル/円は、ここまで3円強の価格変動。決して小さいとは言えないが、それでも今週がこのまま終了すれば10月第1週(3-7日)以来の小動きとなる。徐々に落ち着きを取り戻しつつあるようだ。ただ、そうしたなか気掛かりなのは、昨日も報じた一目均衡表の先行帯の雲の下限をめぐる攻防。本日は138.70円前後までレベルを切り上げ、明日以降さらに水準が上がってくるだけに、一連のなかで底割れする可能性も否定できない。

日米金利差などを背景に、本日も引き続き発表される米経済指標や要人発言、あるいは米長期金利の行方などには要注意。10月の米利上げについては、前段で取り上げたように若干トーンダウンしているなか、果たして発表される米経済指標はどの程度の数値となるのか、とくに注目だ。またG20サミットは終了したものの、続く格好で18日からAPEC首脳会議が開催されるなど、このあとも広義政治ファクターにも依然として注意を払いたい。さらには、英国の中期財政計画発表も気掛かりではある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は「過去2週間ほどドルの高値と安値レベルをともに切り下げてきた」が、昨日うち後者部分の更新が失敗に終わっている。15日安値137.67円を昨16日に下回ることは出来なかった。そのため、ドルの下値が少しずつ硬くなってきたようにも思われるが、一方で上値は重く高値は依然として切り下がりつつある。ドル安方向の攻防もさることながら、昨日高値140.29円を超えることが出来るか否かにも注目だ。

本日は米経済指標として、11月のフィラデルフィア連銀景況指数や10月の住宅着工件数などが発表される予定だ。また、米国を中心に欧州においても通貨当局者らの講演など発言機会が多く、そちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.60-140.30円。ドル高・円安方向は本日東京で一度も超えられなかった140円レベルが最初の抵抗。上抜ければ昨日高値140.29円、一昨日高値140.62円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、同様に東京で割り込めなかった139円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと138.70円レベルまで切り上がっている一目の雲の下限がターゲットに。

予断許さないが相場は徐々に落ち着く展開か

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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