予断許さないが相場は徐々に落ち着く展開か
〇本日のドル円、積極的な動意なくレンジ抜けられず16時現在139.50-55で推移
〇ブルームバーグ、ECBは「12月の利上げ幅を0.5%に減速させる可能性がある」と報じる
〇上値は重く高値は依然として切り下がり、16日高値140.29を超えることが出来るか否か注目
〇本日は11月フィラデルフィア連銀景況指数や米10月住宅着工件数などが発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.60-140.30
<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場はレンジ取引。139円半ばを挟んだトータル50ポイントほどの往来相場で、方向性は乏しかった。
ドル/円は139.55円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。寄り付きを中心に上下25ポイント程度のなかで一進一退をたどっている。途中、またもや「北朝鮮が弾道ミサイルを発射」といった報道が観測されるも、とくにリスク回避の動きなども観測されず。結局、レンジを抜けられないまま16時現在では139.50-55円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「米欧の金融政策」について。
前者は、G20サミット開催中に伝えられた「ロシアのミサイルがポーランドに着弾、死者も」報道が依然として物議を醸す。G7首脳やNATO、国連安保理などが緊急会合を開催し、一部では激しい応酬も観測されたが、着弾したミサイルそのものはロシアが発射したものではなく、「ウクライナ軍の迎撃弾」との見方が有力視されつつあるようだ。実際、米国防長官も「ロシア軍による意図的な攻撃ではない」と思惑を否定していた。しかし、それでもポーランド大使が「ウクライナに対するロシアの戦争がなければ罪なき人々が殺されることはなかった」と述べるなど、ロシアに責任の一端があるといった声は根強い。
対して後者は、ブルームバーグがECBの利上げについて「12月の利上げ幅を0.5%に減速させる可能性がある」と報じるなか、スペイン中銀総裁は「ECB、利上げを慎重に進めるべき」、伊中銀総裁からも「ここ数ヵ月より慎重な利上げを正当化するケースが増えている」との発言が聞かれていた。一方、米国についてはウォラーFRB理事が「12月会合では0.5%の利上げが適正」、サンフランシスコ連銀総裁も「政策金利のピークは4.75-5.25%が妥当」と少しトーンダウンしたコメントを発していたようだ。5会合連続の0.75%利上げはやはり難しくなってきたのかもしれない。
<< 欧米市場の見通し >>
今週のドル/円は、ここまで3円強の価格変動。決して小さいとは言えないが、それでも今週がこのまま終了すれば10月第1週(3-7日)以来の小動きとなる。徐々に落ち着きを取り戻しつつあるようだ。ただ、そうしたなか気掛かりなのは、昨日も報じた一目均衡表の先行帯の雲の下限をめぐる攻防。本日は138.70円前後までレベルを切り上げ、明日以降さらに水準が上がってくるだけに、一連のなかで底割れする可能性も否定できない。
日米金利差などを背景に、本日も引き続き発表される米経済指標や要人発言、あるいは米長期金利の行方などには要注意。10月の米利上げについては、前段で取り上げたように若干トーンダウンしているなか、果たして発表される米経済指標はどの程度の数値となるのか、とくに注目だ。またG20サミットは終了したものの、続く格好で18日からAPEC首脳会議が開催されるなど、このあとも広義政治ファクターにも依然として注意を払いたい。さらには、英国の中期財政計画発表も気掛かりではある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は「過去2週間ほどドルの高値と安値レベルをともに切り下げてきた」が、昨日うち後者部分の更新が失敗に終わっている。15日安値137.67円を昨16日に下回ることは出来なかった。そのため、ドルの下値が少しずつ硬くなってきたようにも思われるが、一方で上値は重く高値は依然として切り下がりつつある。ドル安方向の攻防もさることながら、昨日高値140.29円を超えることが出来るか否かにも注目だ。
本日は米経済指標として、11月のフィラデルフィア連銀景況指数や10月の住宅着工件数などが発表される予定だ。また、米国を中心に欧州においても通貨当局者らの講演など発言機会が多く、そちらも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.60-140.30円。ドル高・円安方向は本日東京で一度も超えられなかった140円レベルが最初の抵抗。上抜ければ昨日高値140.29円、一昨日高値140.62円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、同様に東京で割り込めなかった139円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと138.70円レベルまで切り上がっている一目の雲の下限がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.04.26
東京市場のドルは156円台乗せ、海外時間では157円台乗せを試す展開に(24/4/26)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀会合の結果が、想定線で「タカ派」な内容が確認できなかったことで円安が加速し、156円台に突入した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.04.26
ドル円 日銀会合経て円安加速、介入催促相場の様相(4/26夕)
東京市場はドルが続伸し156円台。しかし、市場で関心を集めている円買い介入は依然として観測されていない。
-
ニュージーランドドル(NZD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.04.26
NZドルWeekly 豪ドルにつられ反発、2月高値93円56銭突破を試す展開に(24/4/26)
今週のNZドルは、経済的なつながりのオーストラリアの強い経済指標につられ、上昇基調を強める展開となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.11.18
ドル円、米当局者によるタカ派発言を背景に一時140円台後半まで急上昇(11/18朝)
17日(木)のドル円相場は下落後に急反発。(
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2022.11.17
ドル円139円台半ば、材料過多で消化不良の状況か(11/17午前)
17日午前の東京市場でドル円は139円台前半を中心に方向感なく推移。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。