シカゴポジション(CME)359
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2022年11月1日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは全て米ドル売りになりました。豪ドル、NZドル、円がポジション調整の米ドル買い、ユーロは米ドルショートを積み上げ、ユーロ先高観を強めています。
まず豪ドルですが、ポジションは前回とほとんど変わらず、僅か1,000枚程度の買い戻しです。まだネットで5万枚をキープしているので、次の目安7万枚に行くのか、ここで終わるかを見極めるだけです。NZドルは大きくポジション調整し、一気に手仕舞いしてきました。9月13日週に5,000枚(締日終値0.5996)にしてから、その後の最大のショートは19,000枚(10月11日週の終値0.5582)ですので、一気に手仕舞いしてきています。まだ豪ドルがショートをキープしているので、オセアニア通貨安の相場観は維持していると思われ、この先は戻り売りするか引き付けて売りするかとなりそうです。豪ドル同様に今後数週間の動き待ちです。可能性としては豪ドルショートの手仕舞いに分がありそうです(NZドルの戻りが大きくなるかの分岐点にいます。)
円は25,000枚程度手仕舞いしてきました。円ショート枚数が大きく減らしているので、利確と思われます。締日までの1週間レンジは145円11銭〜148円85銭ですので、現状では介入に敬意を払っているようです。このまま147〜148円辺りで推移すれば一段のポジション調整が先行になると思われます。現状では145円未満になった時に押し目を拾っていくのかをみたいと思います。ユーロは2週間で5万枚のユーロロングを積み上げてきました。一気に10万枚まできています。次は14〜15万枚ですが、現状の枚数で暫く様子見となるか、直ぐに買い増すかになります。先週締日終値が0.9877、その2日後に0.9730の底値があり、この押し目でもユーロ買いしているかを見ます。
先週のシカゴは、ロング5,500枚増、ショートは僅か3,500枚減となり、ネットショート9,000枚減となりました。2週間で14,600枚のショートのポジション手仕舞いになっています。相場観を示す目安となる5000枚未満になったのでNZはスクエア状態です。シカゴはショートポジションをうまく回転させ、これで一回転終了したのかを確かめる状況にいます。但し、豪ドルが5万枚のネットショートですので、まだNZドル安を見ているとは思います。下図のチャートを見ると、チャート内の黒のNZドル安トレンドライン0.5900〜0.6620レンジの下限近くまで戻っています。明日の終値で0.5920以上なら、シカゴは戻り売りとは言え、かなりの上値をみてくると思います。明日の終値水準とネットポジションをウォッチします。
さて実際の相場は、先週「…現在は10月21日底値からのサポートが0.5800にあり、豪ドル同様に下に切れるか否かのポイントまできています。現状では切れる可能性が高く、その場合は10月13日底値からのサポート0.5690までの下値余地が広がります。この間のサポートとして0.5780、0.5740〜50、0.5710〜20の順にサポートあります。上値は現在の0.5810を維持できれば戻り余地は残しており、0.5880、0.5900、0.5940〜50、そして0.6000の大台代わりとなります。トレンドはNZドル安が継続しています」としましたが、先週は0.5810のサポートを維持し、11月2日に0.5944までの高値がありました。
丁度3番目の抵抗線で止められ、再度0.5739まで反落しました。その後は金曜日に0.5900〜20まで再反騰し、NZドルがやや堅調推移になっています。10月13日底値からのサポートが0.5760にあるので、ここが維持されている限り、戻り高狙いの中にいます。当面目指す高値は0.60の大台代わりで、ここを越えると0.6070、0.6160、0.6250、そして6月3日高値からの抵抗線0.6330になります。下値は0.5840〜50、0.5810、そして0.5760のサポートで、最後を下抜けるとNZドル再開になりそうです。(1NZドル=0.5895米ドル、11月7日14:15)(以上)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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