米10月雇用統計の予想(22/11/4)

日本時間2022年11月4日21時30分に発表予定です。

米10月雇用統計の予想(22/11/4)

米10月雇用統計の予想

本日は10月の米雇用統計関連の数値が発表されます。前回9月は下表@失業率、A非農業部門雇用者数(NFP)、B平均時給まで概ね予想よりも上回りました。相場は発表前に144円90銭付近で推移していましたが、145円44銭まで買われ145円25銭で引けました。その後もドル高傾向が続き、2週間後の21日に151円95銭の高値をつけ、介入が実施されました。
今回10月も全般的に前月比ではやや下回るものの、底固い数値といえます。FOMCでも雇用は堅調推移を確認しています。

まず下表@の失業率は3.6%予想ですが、9月時点のFOMC見通しでは2022年末で3.8%(6月3.7%より下方修正)になっており、見通しよりもまだ良い状態を保っています。来年末には4.4%(6月時3.9%)まで上がる予想をしています。今年4月の3.5%が50年振りの低水準であり、これ以上の改善は見込み難く、現状でも完全雇用に近い水準と思われます。AのNFPは19.5万人で、NFPも順調に拡大しています。水曜日のADP社民間雇用数も予想19.5万人に対し23.9万人(9月は1.6万人の下方修正)でしたので、修正分を加えても予想を越えています。今回レンジ下限が8万人ですので、2ヶ月前までの改定値を加味しながらも下限以下にならない限りは米金利への影響は少ないと思います。

Bの平均時給は下図を見るとやや下落トレンドになっていますが、まだ過去のトレンド(黒い線)よりは上にあり、十分な伸びを維持していると思われます。9月のPCEの年率が6.2%、PCEコアが同5.1%でしたのでやや可処分所得の減少は気になります。尚、FRBの2022年予想はPCEで5.4%、PCEコアで4.5%になっています。2023年末はそれぞれが2.8%、3.1%ですので、年率の平均時給が4%を維持できれば消費には好影響となりそうです。
尚、アトランタ連銀GDPナウは第4四半期GDPで前期比年率3.6%(11月3日現在)になっており、11月1日時点の2.6%から大きく改善しています。

今回予想

今回予想

(11月4日9時現在)


下図の平均時給は堅調な伸びを続けています。過去のトレンドをまだ上回っていますが、今年3月の高値(年率5.6%)からは一貫して下がっているので、やはりインフレ率との比較になると思われます。

今回予想 2枚目の画像

ご参考:8月からADP社民間雇用数の数値公表が再開されました。2015年まで遡ってADP社とNFPを比較しましたが、改定前の数値よりも毎月が大きく乖離しています。
下図は2021年以降の各月比較で、10月は予想通りならADP>NFPになります。今年7月の大きな差異の調整になっているかは不明ですが、チャートを見る限り、NFP(青)の方が振れが大きいことが解ります。

今回予想 3枚目の画像

下図はユーロドルの週足チャートです。昨年5月31日週高値からの抵抗線がA(=1.0700)にあります。今年2月7日週の高値からの抵抗線B(=0.9950)でやや急角度のユーロ安となっています。ここ2週間Bを上抜けた形になっていますが、先週は上ヒゲだけ、今週も寄りが0.9955ですので、ほぼBを高値にしてユーロが下落しています。やはり今日の週足終値でB抜けを確認した方がリスクが少なくなります。
さて、ここから平行に下したサポートC(=0.9330)でユーロ安トレンドラインを形成していますが、9月26日週にサポートCで止められてからユーロが反発し、サポートラインD(=0.9740)でユーロ安トレンド下の戻りを試しています。上述の様にここ2週で上抜けるかと思いましたが、まだ騙しの範囲内で推移しています。今週足がそのD下限まできており、今日の終値が上下で重要になります。もし今日Dを守れば、来週は更にBとDで収斂継続になります。
相場がもしBを越えれば強い横抵抗線のE(=1.0380)方向への動きになります。逆に、Dを割ればC方向へのユーロ安トレンド再開になります。

今回予想 4枚目の画像

(2022年11月4日12:55、1ドル=148円12銭)  

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