米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利記者発表
一昨日開催されたFOMC金融政策会合の記者発表要旨が公表されました。金利面では事前予想通りの0.75%の利上げ実施し、従来通り今後も利上げ姿勢の継続を公表し、かつインフレ上昇圧力は高いままであることを再確認しています。尚、新たに「目標レンジの将来の引き上げペースを決定する際に、委員会は金融政策の累積的引き締め、金融政策が経済活動とインフレに影響を与える遅れ(ラグ)、そして経済や金融情勢の進展を考慮していく。」との文言が声明文に加わりました。ドル円相場は発表前147円絡みで推移、発表後は材料出尽くしに瞬間145円68銭まで急落しましたが、パウエルFRB議長の記者会見で利上げペースを緩める可能性を示唆したものの、最終的な金利水準は従来の想定よりも高くなるとの内容に147円97銭まで急反発し、147円90銭で引けました。
以下はFOMC記者発表の要旨です。
(1)FOMC声明文記者発表要旨
最近の指標は消費と生産において緩やかな伸びを示している。雇用増はここ数ヶ月強く、失業率は依然として低いままであった。インフレは上昇した。これはパンデミックに関連した需給の不均衡、より高まった食料やエネルギー価格、広範な価格圧力を反映している。
ウクライナに対するロシアの戦争は途方もない人的・経済的困難を引き起こしている。この戦争やそれに関連する出来事はインフレに追加的な上昇圧力を生み、世界経済活動への重石になっている。委員会はインフレリスクに対し非常に注意を払っている。
委員会は完全雇用と長期に亘るインフレ2%目標を達成することを目指している。これらの目標を支援するため、委員会はFFレートの目標レンジを3.75〜4.00%への引き上げを決定した。委員会は、時間経過と共にインフレを2%に戻すべく十分に制限的な金融政策スタンスを達成するため、目標レンジの継続的な引き上げが適切であると予想している。目標レンジの将来の引き上げペースを決定する際に、委員会は金融政策の累積的引き締め、金融政策が経済活動とインフレに影響を与える遅れ(ラグ)、そして経済や金融情勢の進展を考慮していく。加えて、委員会は国債、機関債、不動産担保証券の保有を継続的に削減してことになる。これは5月に公表した「FRBバランスシートサイズ減少計画」に記載されている。委員会はインフレを2%目標へ回帰させることを強く付託されている。
金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対し入手する情報の含みを引き続き監視していくつもりである。もし委員会の目標達成を妨げるリスクが生じた場合、委員会は金融政策スタンスを適宜調整する用意がある。委員会の査定は、公衆衛生、労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待、金融および国際情勢に関する分析を含む幅広い情報を考慮にいれる。
金融政策行動に対する賛成票:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、マイケル・バー、ミシェル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、ジェームス・ブラード、スーザン・コリンズ、リサ・クック、エスター・ジョージ、フィリップ・ジェファーソン、ロレッタ・メスター、クリストファー・ウォラー。(全員賛成)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2)CME Fedwatch
パウエルFRB発言により、僅か2日でCME Fedwatchの予想レンジが上昇しました。6月会合では利上げの最大が5.75〜6.00%までとなりました。予想はまだ僅か0.9%ですが、次回FOMCまでにこの割合がどこまで上がり、更に最終上げ幅がどこまで上がるかを見ることになります。また12月のFOMCではドットプロットが公表される予定になっているので、この表との整合性も重要になります。
(11月1日:FOMC前)
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(11月3日:FOMC後)
次回FOMC会合は年内最後となる12月14日(水曜日)に予定されています。
(2022年11月4日9:45 1ドル=148円21銭)
オーダー/ポジション状況
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