NZ/円、短期は上値トライの流れ。下値リスクにも注意。中期は“強気”を維持。
今週はNZ独自の注目材料がなく、先進国の中央銀行の金融スタンスを注視する動きとなっています。欧米での物価上昇圧力が緩和されない中で、ECBは前回に続き0.75%の大幅利上げを決定しましたが、景気のさらなる悪化は避けられない状況です。一方、アメリカは足元のインフレ高進を抑え込むことを最優先しており、FRBによる強めの金融政策継続の姿勢に変わりないと見られていますが、今週はカナダ中銀が景気に配慮して利上げ幅を縮小したこともあり、12月のFOMCでの利上げ幅縮小観測が浮上し、米長期金利が4%を割り込む展開となっています。これを受けてドルは全面安となっており、NZドルは対米ドルで上昇、対円では堅調に推移しています。
チャートを見ると、日足は10/11につけた80.70を直近安値として反転、上昇の流れにあります。一方で、1月につけた75.24を基点として下値を切り上げて来たサポートラインを上抜け切れておらず、下値リスクを残した状態です。この日足の上値抵抗は86.30-40にあり、これを実体ベースで上抜けて終えるまでは上値余地も拡がり難い状態です。日足の上値抵抗は86.30-40,86.80-90,87.70-80に、下値抵抗は85.30-40,84.80-90,85.10-20にあります。84円を割り込んで終えた場合は、新たな下値リスクが点灯します。21日、120日、200日移動平均線は83.38,84.36、83.04に位置しており、短期トレンドは“NZ強気”の流れにあります。
一方週足は、2週連続陽線引けとなり上値トライの流れを変えていませんが、今年1月につけた75.24を基点として下値を切り上げて来たサポートライを上抜けきれておらず、下値リスクを残した状態です。この週足の上値抵抗は86.30-40にあります。一方で、2020年3月につけた59.51を基点とする中・長期的なサポートラインには跳ね返されて上昇に転じており、中期トレンドは“NZ強気”の流れを維持しています。81円割れで越週しない限り、中期トレンドは大きく変化しません。週足ベースで見た上値抵抗は86.30-40,87.20-30,88.00-10に、下値抵抗は84.20-30,83.50-60にあります。31週、62週移動平均線は84.29と81.40にあり、中期トレンドをサポートしています。
10/27現在、31週移動平均線は84.29にありこれを若干上抜けて下値リスクがやや後退、62週線は81.40にあり中期トレンドをサポート中。
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