21日線下回る、ドルの続落にも要注意(10/27夕)

27日の東京市場はドルが弱含み。一時145.10円台と、約3週間ぶりのドル安値を示現していた。

21日線下回る、ドルの続落にも要注意(10/27夕)

21日線下回る、ドルの続落にも要注意

〇本日のドル円、146円前後をボトムに底堅く推移したものの、割り込むと145円前半まで値を崩す
〇ドルの買い戻しも散見されたが146円には届かず、16時現在で145.70-75で推移
〇移動平均21日線をしっかりと下回るのは今年8月以来、短期的にはさらなるドル安進行か
〇本日は米経済指標として7-9月期GDP速報や新規失業保険申請件数などが発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.00-146.50

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場はドルが弱含み。一時145.10円台と、約3週間ぶりのドル安値を示現していた。

ドル/円は146.30円レベルで寄り付いたのち、当初は強保ち合い。146円前後をボトムに底堅い値動きをたどったが、割り込むとそのまま一気に145円前半まで値を崩している。目先安値を示現したのちは、さすがにドルの買い戻しが散見されたものの、それでも146円にはとどかず。16時現在では145.70-75円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替政策など」と「ロシア情勢」について。
前者は、政府・財務省の円買い介入と思しき動きが観測されないにもかかわらず、ドル/円は昨日そして本日となかなか大きく値を下げている。21日高値151.94円を起点とすれば、すでに6円を超える下落だ。ロイターや日経新聞などが円買い介入後のドル安値としている144円半ばをめぐる攻防に、まずは注目かもしれない。また、上記のようにドル高シーリング150円から実勢相場が遠のきつつあるためか、鈴木財務相や神田財務官による口先介入も一服。本日は目立った発言も聞かれなかった。

対して後者は、「プーチン氏が出席を見送る見通し」などと伝えられていた来月のG20首脳会議において、ロイターは「ロシア、11月19日に期限を迎える黒海経由の穀物輸出に関する協定の延長を利用する可能性が高い」と報じていた。一方、そうしたなかロシア大統領府は「プーチン大統領指揮のもと、戦略核戦力の演習を実施した」と発表。欧米諸国のあいだに緊張が走るなか、米国サイドからも「迎撃が困難とされる極超音速兵器の飛行実験を実施し成功した」などといった報道が観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日NYクローズベースでわずかに移動平均の21日線(146円半ば)を下回る。ドルの強気派にとっては一抹の不安も取り沙汰されるなか、ドルは続落すると145円台へ。まだ断定するには早いとはいえ、「しっかり下回った」と言って差し支えない。ちなみに、21日線をしっかりと下回るのは今年8月以来。短期的には、さらなるドル安進行を警戒する声が優勢になりつつあるようだ。
日経新聞をはじめ、幾つかのメディアは政府・財務省介入の効果を疑問視していたものの、9月22日に続き10月21日や同24日の円買い介入も結果として大成功か。もちろん、大きなトレンドであるドル高という流れそのものは変わらないにせよ、十分すぎる時間稼ぎが出来そうな雰囲気だ。そうしたなか本日は発表される米経済指標、とくに7-9月期GDP速報の内容に注目。数値如何では、さらなるドルの失望売りを誘う可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京で145.10円台まで下落。移動平均の21日線をしっかりと割り込んできただけでなく、24日の円買い介入後安値144円半ばを視界内に捉えた動きとなっている。ちなみに、前述した24日安値は140.35円を起点とした上昇幅のフィボナッチ61.8%押し(144.75-80円)に比較的近い。したがって、仮にそのレベルも下回ると76.4%戻しの143.05-10円がターゲットに。

本日は米経済指標として、7-9月期GDP速報や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっているほか、引き続き注目企業の決算発表も多い。また、米国ではなく欧州ファクターのECBによる政策金利発表などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.00-146.50円。ドル高・円安方向は本日東京高値の146円半ばが最初の抵抗。近くに21日線も位置しており、ザラ場はもちろんクローズベースの動静にも要注意だ。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値145.10-15円の攻防にまずは注目。割り込めば145円割れから、144円半ばがターゲットに。

21日線下回る、ドルの続落にも要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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