ドル円一時146円割れ、米長期金利の一段の低下で
27日午前の東京市場でドル円は146円台前半中心での推移。朝方、146.37レベルで取引の始まったドル円は、時間外の米10年債利回りが一時4%を割り込んだことから、一時145.92の安値をつけました。その後は10年債利回りが4.02%台に持ち直したことでドル円も買い戻され、東京時間正午現在は146.24レベルで取引されています。
日経平均株価は、昨晩米市場で景気先行き懸念や一部IT系企業の決算不振からNYダウはかろうじてプラスを保ったものの、ナスダック総合指数が大幅安で引けた流れを受け売りが先行。情報技術関連銘柄が売られた反面、エネルギー系銘柄は買われるなどまだら模様で前日終値を挟んでもみ合う展開となりました。前場終わりにかけてはやや売りが優勢となり、52円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場ではカナダ中銀が、予想の0.75%を下回る0.5%の政策金利引き上げを行ったことがサプライズとなり、先週末来の米長期金利引き上げペース鈍化観測を一段と強める形になりました。
これを受けて米10年物国債利回りは一時3.99%まで急低下。147円台前半まで下げていたドル円も、146.23まで一段安してそのまま146円台前半で東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、昨晩の下落で当面のサポートと目されていた21日移動平均線(本日146.80近辺を上昇中)を下抜け、一段とドル売り地合いが強まっています。
今日明日とECB、日銀の政策発表が続き、ECBは0.75%の金利引き上げ、日銀は政策変更無しがコンセンサスで、内容的にはあまり波乱は予想されていませんが、ECBのステートメントや、ラガルド総裁の会見等で、引き締めペース減速について何らかのコメントがあった場合、昨晩のように米引き締め軟化への連想からドル売りにつながるのか、あるいはユーロ売りから対ユーロでのドル買いを通じてドル円でもドル買いとなるのか読みにくいところです。もっともECBは最近のユーロ安を必ずしも良しとしていなかった節もありますので、このタイミングでせっかくパリティを回復したユーロドルを押し下げるような発言は、基本的には控えるのではないかとも思われます。
ドル円日足
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