ドル円、約3週間ぶり安値圏へ急落。米金利低下と円ショートの巻き戻しが背景(10/28朝)

27日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、約3週間ぶり安値圏へ急落。米金利低下と円ショートの巻き戻しが背景(10/28朝)

ドル円、約3週間ぶり安値圏へ急落。米金利低下と円ショートの巻き戻しが背景

〇ドル円、東京午後に145.12まで下落後、米国時間に146.93まで反発
〇対ユーロでのドル買い、米GDPの強い結果等が背景
〇ユーロドル、アジア時間に1.0094まで上昇するもECBのハト派の兆候に0.99台後半に反落
〇ドル円、テクニカルの地合い悪化、ただ週足では一時的な押し目と言えるか
〇ファンダメンタルズもドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料揃う
〇ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.00ー147.50

海外時間のレビュー

27日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。米FRBによる利上げペース鈍化観測や、それに伴う米長期金利の更なる低下、本邦通貨当局による介入警戒感、円ショートの大規模アンワインド、10/24に記録した直近安値145.63を割り込んだことに対する失望感が重石となり、日本時間14時過ぎに、10/7以来、約3週間ぶり安値となる145.12まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、対ユーロでのドル買い圧力(ECB理事会・ラガルド総裁記者会見後のユーロドル下落→ドル円連れ高)や、米第3四半期GDP速報値(結果2.6%、予想2.3%)の力強い結果、日米金利差に着目した本邦個人投資家によるキャリートレード再開(ミセス・ワタナベによるドル円ロング再構築)、短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値146.93まで反発しました。もっとも、心理的節目147.00をバックに伸び悩むと、米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが節目4.00%を割り込み、一時3.92%へ急低下)や、日銀金融政策決定会合を控えた警戒感が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/28午前5時00分現在)では、146.20前後で推移しております。

27日(木)のユーロドル相場は高値圏から急反落。米FRBによる利上げペース鈍化観測や、それに伴う米金利低下・米ドル売りの波及経路が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値1.0094まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、注目されたECB理事会にて、75bpの大幅利上げが決定されつつも、声明文にこれまで記載されていた「今後数回に渡って利上げを行う(over the next several meetings)」との文言が削除されたことや、ラガルドECB総裁より「量的引き締め(QT)についての議論はしなかった」との発言(ECBによる利上げペース鈍化観測浮上→欧州債利回り急低下→ユーロ売り)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値0.9958まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/28午前5時00分現在)では、0.9970前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は10/21に記録した約32年ぶり高値151.95をトップに反落に転じると、昨日は約3週間ぶり安値となる145.12まで急落しました。この間、主要サポートポイント(一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンド)を下抜けするなど、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、週足など上位足で確認すれば、一目均衡表転換線が死守されているため、中長期上昇トレンドは崩れていないと判断できます。従って、足元の相場状況は、上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目と言えそうです(事実、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーが継続中)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差に着目したミセス・ワタナベによるキャリートレードの活発化)や、米政府・米当局によるドル高容認スタンス(米FRBメンバのみならず、バイデン米大統領やイエレン米財務長官など米政府サイドからもドル高容認発言)、本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。世界的な利上げペース鈍化(米FRBやカナダ中銀、豪中銀、ECBなど)の流れも、一巡後は「株高→リスクオンの円売り→クロス円上昇」の経路で、ドル円上昇に繋がると見ており、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日は日銀金融政策決定会合や黒田日銀総裁記者会見に注目が集まります。一部では政策修正などサプライズ引き締めがあるのではないかとの見方がありますが、当方は、黒田総裁が繰り返し述べている通り、金融緩和政策の現状維持(サプライズなし)が決定されると見ております。この為、当該イベント通過後は、政策修正期待剥落→円売り再開の流れに拍車がかかる恐れもあるため、ドル円のアップサイドリスクに警戒が必要でしょう。上記以外では、米国時間に発表される米7ー9月期雇用コスト指数、米9月個人所得・個人支出、米9月PCEデフレーター、米9月中古住宅販売成約指数、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:145.00ー147.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約3週間ぶり安値圏へ急落。米金利低下と円ショートの巻き戻しが背景

ドル円日足

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