150円台乗せ、当局の介入にも要注意(10/20夕)

20日の東京市場は、ドル/円が堅調裡。終日149円後半で推移したものの、心理抵抗150円には惜しくとどかなかった。

150円台乗せ、当局の介入にも要注意(10/20夕)

150円台乗せ、当局の介入にも要注意

〇本日のドル円、149円後半で推移したものの16時現在心理抵抗150円には届かず(16:40頃150円到達)
〇150円を抜け値が走るようなら当局が円買い介入に出動する可能性も
〇ドル/円の日足は現在11連騰中、ドル高基調そのものは続くとみる参加者が大勢
〇本日は米経済指標として新規失業保険申請件数や9月景気先行指数が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.50-150.50、ドル高方向は150円が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、円買い介入が観測されれば148円半ばから148円前半の可能性も

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は、ドル/円が堅調裡。終日149円後半で推移したものの、心理抵抗150円には惜しくとどかなかった。(編集部注:16:40頃150円に到達、150.08までつけたものの149円台後半に押し返される動き)

ドル/円は149.85-90円レベルで寄り付いたのち、ドルは強保ち合い。下値は149.75-80円までと、かなり切り上がっていることは確かだろう。しかし、鈴木財務相から「為替の過度な変動には適切な対応とりたい」とのけん制発言が聞かれるなど当局の介入警戒もあり、ドルの上値は依然として重い。150円には惜しくもとどかず、結果として上げ渋りの感も。16時現在、ドルはそのまま149.90円台の高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「英国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、英世論調査大手ユーガブが「トラス政権の支持率が7%と1桁台に落ち込んだ」とする衝撃の調査結果を発表。政権不安が声高に指摘されるなか、「ブレーバーマン内相が国家安全保障めぐる違反で解任された」と報じられ、物議を醸していたようだ。ただ、状況が大きく好転することはなく、実際ポンド/ドルはそののち、本日の東京時間に至っても1.12ドル台での低位揉み合い。依然として予断を許さない状況下、英保守党の議員委員会「1922年委員会」が20日に会合を開き、党内で深刻化しているリーダーシップ危機をめぐり討議する見通しとの報道も別途観測されていた。

対して後者は、ウクライナ側の発表によると、ロシア軍による主要インフラへの攻撃は依然として続いているようで、「ブルシュティン市の主要火力発電所で火災が発生した」とする発表も観測されていた。そのため、20日からウクライナ全体の電力供給を制限するとの政府見解が発表されるなど、一般市民を巻き込み戦況が一段と悪化している。また、20日にキーウを訪問する予定だったドイツ大統領が「安全保障上の理由」で訪問を取り消したことが明らかになったことも気掛かりだ。近々ウクライナ戦線で、なにか大きな動きがあるのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

当局の介入警戒感のほか、通貨オプションのいわゆる「防戦売り」などもあり、ドル/円は150円にあとわずかと迫りながらもとどかない。ただ、リスクは間違いなくドル高で、さすがにこのあとの欧米時間には超えていく展開を見込む向きも少なくないようだ。ドルの一段高には要注意。とは言え、150円を抜けて値が走るようだと当局が円買い介入に出動する可能性もある。9月22日ほどのインパクトはないだろうが、それでも2-3円は円高に振れても不思議がない。

日米金利差やファンダメンタルズ格差、米政府筋などのドル高容認姿勢−−などが重なり、市場筋のあいだではドル買い・円売り安心感が根強い。それもあってか、ドル/円の日足は現在11連騰中だ。さすがにやり過ぎ、行き過ぎの感を否めないものの、発表される米経済指標や発言などをにらみつつ、ドル高基調そのものは続くとみる参加者が大勢となっている。また、それとは別に前述したような状況下に置かれている英国情勢そしてポンドの動きにも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は連日の高値更新。本日東京時間に再び高値をつけている。150円を前にギリギリ踏みとどまっているものの、本稿執筆時であと数ポイント。背水の陣といったところで、さすがに欧米時間にかけては上抜け不可避かもしれない。なお、150円を超えるとドルの上値は再び青天井に。1990年高値160.20円はさすがに遠いが、当局の対応次第ではそれほど遠くないタイミングで到達する可能性もあるだろう。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や9月の景気先行指数が発表される予定となっている。また本日はFRB理事による講演など発言機会が多いうえ、米企業の決算発表や欧州ファクターとしてEU首脳会議を注視している向きも少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.50-150.50円。ドル高・円安方向はすでに間近に迫っている150円が最初の抵抗。当局の介入などがなければ、抜けたら青天井か。
対するドル安・円高方向は、149円半ばが目先のサポートとなるが、仮に円買い介入が観測されれば底値はもっと深そうだ。148円半ばからヒョッとすると148円前半も否定できないだろう。

150円台乗せ、当局の介入にも要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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