ドル円150円に接近、米長期金利が一段と上昇
20日午前の東京市場でドル円は最高値圏でのもみ合い。朝方、149.90レベルで取引の始まったドル円は、節目の150円を前に序盤は介入警戒感もあって、149.73まで小緩む場面もありました。しかし、時間外の米10年債利回りが更に上昇すると1銭刻みで高値を更新する動きとなり、一時149.96の高値をつけた後、東京時間正午現在は149.93レベルで取引されています。
尚、今朝方発表された貿易統計で、9月の貿易収支は2兆940億円の赤字となりました。貿易赤字は14か月連続、上半期の日本の貿易赤字は11兆75億円と半期ベースで過去最大。円安要因の一つであるとともに、円安により貿易赤字自体が拡大している側面もあります。
日経平均株価は、欧米株が軟調に終了した流れを受け売りが先行。幅広い銘柄が売られ303円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、FRB関係者のタカ派発言や米長期金利の上昇で、ドル円はほぼ一方向に上昇。米国時間終盤には149.90の高値をつけ、そのままアジア時間につなぎました。尚、米10年物国債利回りは、昨晩14年3ヶ月ぶり高値となる4.12%まで上昇しましたが、本日時間外にさらに上昇して4.15%に達しています。
テクニカルにはドル円は、7/14高値139.39と9/7高値144.99を結んだレジスタンスラインを上抜け、更にドル買い地合いが強まっている状況。ここまで11営業日高値を切り上げており、今年4/1の121.70から4/19の128.91まで13日連続陽線が続いた「異常事態」(高値切り上げは翌日まで14営業日連続)に匹敵する強い上昇となっています。
ドル円は、米長期金利がさらなる上昇を続けるファンダメンタル的な上昇圧力が加わる中で、150円という大きな節目を前に、オプションの防戦売りや介入警戒感から、力ずくで上昇を抑えられている感があり、150円を抜けた場合には、一時的にはストップロスを巻き込んでの急激な上昇もあり得そうです。一方で、ここから先1990/4/2の160.36までレジスタンスらしいレジスタンスも見当たらない状況ですが、このまま160円を目指すかはやや疑問です。
ファンダメンタルズが動いてる状況下で、絶対水準の議論は無意味ですが、そうはいっても150円。
未明公表の米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、「物価上昇率は高止まりしているもののいくつかの地区で若干の緩和が見られる」、「商品、燃料、輸送コストの一部に低下が見られる」等のコメントが見られ、米金利先高観の主たる要因である米国のインフレ上昇にもそろそろ勢い鈍化の兆しが見え始めています。仮にドル円が、勢いで150円を数円上抜けたとしても、そこからは日柄的にも水準的にも、米金利の先々の織り込み具合、ドル円の「適正」水準等を一旦考えるフェーズに入っていくのではないかと思われます。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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