シカゴポジション(CME)356
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションはドル円のみが米ドル売り、その他は米ドル買いになりました。
まず豪ドルですが、3週連続利確後にやや豪ドルショートを増やした形となりましたが、総枚数を大きく減らしており、ポジション調整の一環で終わっています。豪ドル先安観を維持しているだけで、現状レベルからの大きな豪ドル安を見ているポジションとはなっていません。
一方、NZドルはロングを損切りし、ショートをやや積み増しで、次の目安である2万枚に近づくポジションになりました。NZドル先安観は継続しています。ただ、総枚数が減っているので、明日の締日で総枚数増のNZドルショート増なら一段のNZドル下値を見ていることになりそうです。11日締日のオセアニア通貨では前週比大きな米ドル高オセアニア通貨安になっていますが、ポジションを見ると、豪ドルではやや腰が引けているので、NZドルでも一度達成感が出てくる可能性があります。
円は小幅の動きながら、ポジション調整しました。9月13日週にネット8万枚台のショート(ドルロング)に乗せてから1ヶ月以上も横這いになっています。その13日締日終値は144円58銭、先週の11日締日は145円86銭でしたのでこの間の現状維持は頷けます。従い、先週12日以降の大幅なドル高で、少なくとも9万枚以上のネットドルロングになっていないと、シカゴの相場観では現状で150円台を大きく越えていく相場観とは思えません。
ユーロは前週比3,000枚ユーロロング減、3,000枚のショート増でネットロングを6,000枚減らしてきました。4日締日終値0.9986、11日は同0.9708ですので、損切りになっています。12日以降は0.97台中心の小動きですので、このままでは明日の締日もポジション変化は少ないと思いますが、もしネットロングが減っていれば、今回のユーロ先高の相場観はまたもや失敗になります。次回以降のポジションは注目されます。
先週のシカゴは、ロング3,100枚減、ショート2,000枚増となり、ネットショート5,100枚増となりました。次の目安となる15,000枚を大きく越え、その次の目安の19,000〜2万枚になっています。2019年10月に最大となる42,000枚のネットショートがありましたが、翌年3月の大底値0.5470時点では20,275枚のネットショートでした。従い、スポットが過去の最安値に近い水準、ポジションもそれに匹敵する水準ですので、ここで一度止まる可能性もあります。総枚数を減らしてリスク減の動きですので、次週以降も利確する動きになります。もしここで2万枚を大きく越えるネットショートにすると新安値更新の動きに入れます。今後2〜3週間のポジション動向が重要になりそうです。下図のチャートを見ても、黒のNZドル安トレンドライン0.5940〜0.6660の下限を大きく下抜いている状態は変わっておらず、少なくとも2020年3月底値を狙う動きは変わりません。
さて実際の相場は、先週「…現状のスポット(0.5541)は3つ目のサポート0.5500をトライする状況にいます。このまま行けば、2020年3月底値の0.5470までのトライになり、底値まで残すところ70ピップスしかありません。今回2回目トライですので、一度止まる可能性がありますが、下抜けると新たな底値模索が継続します。上値は0.5590、0.5630、0.5670、0.5750に抵抗線あり、最後を越えないと本格的なNZドル安からの調整入りにはなりません」としましたが、先週の底値は0.5512で0.5500のサポートに止められて小反発しています。今週もまだ下値リスク高く、0.5530、0.5500、そして0.5470の順にサポートがあります。先週の戻り高値は0.5683でしたので、3番目の抵抗線で止められています。今週の抵抗線は0.5620〜30、0.5680、0.5750、0.5790にありますが、NZドル安からの大きな調整入りには最低でも先週の高値0.5680を越える終値が必要になります。(1NZドル=0.5579米ドル、10月17日14:00)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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