A$円短期は下値抵抗を守った状態
オーストラリア経済は、引き続き好調さを維持しており、中銀は住宅市場が過熱する可能性を踏まえて9月以降は政策金利を据え置いており、国内経済への配慮から現状の金利水準を維持するとみられます。一方で、先進国の経済が不透明であることや、長期金利が低水準にある中で、金利差や良好な経済に焦点が移った場合は豪ドル買い動意が強まる可能性があり、“強い豪ドル”への対応策として、利下げの可能性にも含みを持たせていると見られます。また、米大統領選の行方や米利上げ観測等、リスク回避的な動きが強まった場合の豪ドル急落にも警戒が必要でしょう。
チャートを見ると、日足は76.00-10の下値抵抗を守って下値をゆっくりと切り上げていますが、78円台にある強い上値抵抗もこなしきれずに推移しており、76〜78円を中心とするレンジ内の動きに留まっています。また、昨年12月の90円台を戻り高値として200日移動平均線に何度かぶつかりながら上値を切り下げており、これが9/30現在80.59に位置していることから、78円台後半の上値抵抗を上抜けて一段の上昇に繋げた場合でも80円超えが強い上値抵抗として働く可能性も高いと見られます。逆に76.00-10の下値抵抗を下抜けた場合は新たな下げトレンド入りの可能性が点灯します。21日移動平均線は77.27に位置しており若干上抜けていますが“ダマシ”の範囲内です。日足の上値抵抗は78.10-20、78.60-70に、下値抵抗は76.50-60、76.00-10にあります。
一方週足を見ると、2週連続陽線引けとなり、上値トライの動きが継続中ですが、2014年11月に付けた102.84を起点として上値を切り下げる流れには変化が認められず、この上値抵抗は83円台前半にあります。また、2015年6月の96.20を起点とする中期的なレジスタンスラインの上値抵抗も81.10〜81.50近辺に位置しており、中期トレンドは豪ドル弱気の流れにあります。現状は76.10-20にある週足の下値抵抗を守っており、これを支えとして上値余地を探る動きが進行中ですが、76円割れで越週した場合は74.50〜75.00ゾーンまでもう一段下落余地が拡がり易くなります。週足の上値抵抗は78.60-70と79.70-80に、下値抵抗は76.10-20にあります。31週、62週移動平均線は79.72と82.91にあり中・長期トレンドは豪ドルの下落リスクがより高い状態にあります。
長期的な方向性を示す月足は、9月足が十文字の寄せ線に近い形の足で越月しました。下値を切り上げる一方で上値も切り下げており、値動きの収縮が認められますから、一方向へ動き出す可能性に注意が必要です。現状は2014年11月の102.84を起点として上値を切り下げる流れにあることや、6月の大陰線の足元近くで上値を追い切れずに推移しており。下値リスクがより高い形状となっています。10月足の上値抵抗は84.00-20に、下値抵抗は76.00-10にありますが、76円割れの越月となった場合は再度6月足の下ヒゲ部分である72円台の下値抵抗の厚さを確認する動きが強まり易くなります。31ヵ月移動平均線は89.47にあり、長期トレンドが弱い状態にあることを示しています。
豪ドル/円【週足】
(9/30現在31週移動平均線は79.72に、62週線も82.91にあり、中・長期トレンドは豪ドル弱気の流れ)
オーダー/ポジション状況
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