「9月の日銀短観」
1. 日銀が先程発表した9月の日銀短観による「企業の景況感を示す業況判断指数(DI)」
大企業製造業の業況判断DIは、+6、予想は+7、前回6月調査と同じでした。
+6という水準はここ3四半期連続です。
先行きも改善が見込まれていましたが、結果はこちらも+6と横ばいとなりました
大企業非製造業の業況判断DIは、+18、予想も+18、前回6月調査より1ポイント悪化でした。
悪化は3四半期連続で、2014年12月調査の、+16以来の低い水準で、先行きも+16への悪化が見込まれています。
前回6月調査の調査期間の終盤、丁度ブレグジットの国民投票があり、直後の市場は大きく不安定に動揺化し、今回の短観は、その円高進行の影響を受けて、結果への警戒が強かったのですが、9月21日の日銀金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロールを行うと発表したばかりであり、日銀金融政策決定への影響は限定的と想定されます。
2.「短観加重平均DI」
生産・営業用設備判断は、0(過不足のない状況)、前回6月調査の+1(1ポイントの過剰)から改善しました。
雇用人員判断は、19ポイントの不足、前回6月調査の17ポイントの不足と比べ2ポイント不足幅が拡大。
先行きの不足幅が3ポイント拡大になり、雇用の不足感が強まりました。
日銀はこの両指数で、日本経済が潜在的な成長力からどの程度乖離しているかを示す需給ギャップの擬似指数「短観加重平均DI」を作成し、5日に公表する予定です。日銀はおそらく、このデータを用いて、物価の基調的な動きは、物価の上昇圧力が働いていると説明したいのでしょう。
3.「想定為替レート(大企業・製造業)」は、1ドル107.92円。
前回6月調査時は111.41でした。
この想定為替レートは、民間企業の事業計画の前提となっているレートで、非常に参考になります。
前回6月調査以降、ドル円は107台から102台へと上値を切り下げていれ、円高の進行が、製造業を中心とした企業の業況感を慎重にさせ、収益に影響を与えていると想定されます。
今回の107.92は、前回調査の111.41から円高方向に修正されたものの、足元の101台の水準と比して、企業の想定為替レートはまだ追いついていません。
その意味で日経平均の下げ懸念の要因として、引き続き要注意です。
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