ドル円乱高下日経平均反落、ドイツ銀が重石
ドイツ銀の経営不安でリスクオフ、トルコ政府が買収名乗り
昨晩の欧米市場でドイツ銀行の経営に不安が広がり株価が下落するなどリスク・オフの動きが広がったことを受け本日の東京市場も冴えない動きとなりました。
日経平均株価は243円安の16,451円で終了。ドイツ銀行の経営不安は動向が欧州最大規模の銀行であるだけに本邦への金融機関の波及を恐れて金融株などが売り込まれた形です。一部ではリーマンショック以上の影響を懸念する声も出ていますが、ドイツが自国の看板金融機関を放置するとも思えずしばらく様子見でしょうか。
ちなみに、最近ムーディーズにジャンク級に格下げされたトルコはドイツ銀行の国営化(!)を検討中と伝えられています。
ドル円は101円近辺での取引が中心でしたが、正午頃に一時急騰し101.78まで上昇する局面がありました。昼休みの薄い時間を狙っての仕掛けとも半期末の実需がらみとも言われていますが、その後は続かず、元の水準に戻っています。
日銀「主な意見」ではイールドカーブコントロールによる国債買取の減額の議論明らかに
今朝方発表された日本の8月の失業率は3.1%と前月の3.0%より微妙に悪化しました。また、8月の消費者物価指数は除く生鮮食料品ベースで前年比-0.5%、3月以降のマイナスを更新しています。
また、本日は政策変更があった前回9月20日21日の金融政策決定会合における主な意見が公表されています。
内容的には意外感のあるものは含まれていないといえますが、大きな政策転換だけに各種の反論が併記される中で「イールドカーブコントロール」に関して木内委員の発言と思われる「「狙い通りに」国債買い入れペースが低下して政策の継続性が高まるか疑問」と書かれている部分があり、イールドカーブコントロール導入の狙いの一つが国債の買い入れペースの低下にあることが前提となっていたことが明らかになっています。
これに関連して注目されていた日銀の10月の「当面の国債買い入れの運営について」が夕刻公表され、10年超25年以下と25年以上の国債買い入れオファー金額が各々1,000億円減額されています。
このことだけを捕らえて「テーパリングである」と騒ぎ立て、相場を操作するのは愚かで無意味なことだと思いますが、政策転換の当然の結果としての動きが出てきていることは注目されます。
黒田日銀総裁が赤毛のアン?
この他にも本日は日銀とカナダ銀行の合同の研究会において黒田総裁は中銀が万能でないことを事実とし、赤毛のアンの台詞「これから発見することがたくさんあるって、すてきだ と思わない?(中略)もし何もかも知っていることばかりだったら、半分も おもしろくないわ」を励ましの言葉と引用する挨拶を実施、研究会では元財務長官でハーバード大教授のローレンス・サマーズ氏が日銀の政策転換を「適切な一歩」と評価した他、緩和策の一環としての日銀の外債購入も今は実行すべきではないとしつつも「あらゆる可能性は議論されるべきだ」と述べるなど比較的国内が盛りだくさんの一日でした。
ドイツ銀株は本日も不安定
序盤の欧州株価指数先物は本日もほぼ全面安の商状、フランクフルト市場では約10社のヘッジファンド顧客がドイツ銀行へのエクスポージャーを減額したと報じられたことから朝一番でドイツ銀行の株価が一時急落しましたが、現在は持ち直しています。引き続き先行きは不透明ですが、発端が米司法当局の巨額和解金ですので、連鎖的な信用不安に発展する前に解決のしようはあるように思えます。
今晩米国では21:30から個人所得と個人支出、22:45にシカゴ購買部協会景気指数23:00にはミシガン消費者信頼感指数の発表があります。
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