OPEC減産合意でドル買い株買い
OPEC合意も市場は半信半疑、材料消化不十分?
米国時間に全くの予想外に「8年ぶりにOPECが減産に合意した」とのニュースが入ったことで市場のセンチメントが改善、リスク回避姿勢が後退し本日の東京市場でもドル円、日本株ともに上昇しました。
ドル円は早朝の100円台後半の水準から一時は101.66まで上昇、日経平均株価は228円高の16,693円で終了しています。
最近でこそ、材料とされる頻度が落ちてきていましたが、今年前半は連日原油先物相場の上下に一喜一憂しながら為替も株も動いていたことや、主要国の中銀が口々に今年の物価上昇が予想の水準に達しない理由の第一として原油価格の低迷を挙げていることを考えれば、現在の市場の反応レベルはまだ十分にこの材料を消化し切れていないのではないかとも思われます。
今回最終合意に至らなくとも変化の兆しは経済の転換点に?
無論、非公式会合の場での合意ですし、11月30日の本会合までに紆余曲折も予想され、話自体が反故になる可能性も十分あること、減産自体の実効性に疑問があることなど、先行きに不透明感が強いのは事実ですし、仮に原油価格が上昇したとしても、アメリカのオイルシェールが稼動する水準に価格のキャップも存在するでしょう。
とはいえ、今までまったく解決の糸口すらつかめないと思われていた原油価格問題の改善の兆しは、たとえ今回合意に至らないとしても、経済の転換点になる可能性があります。
各国中銀の中でも特に日銀が多用する物価目標未達の原油価格元凶説は、やや本末転倒のように思えます。しかし、原油価格底打ちの可能性は長期的な原油価格の期待の変化を通じて企業の行動に変化をもたらすでしょうし、これまでデフレ要因としての原油価格の低迷を強調してきたFRBをはじめとする各国中銀の金融政策にも影響を及ぼさずにはおかないでしょう。
今まで予想していなかった(あきらめていた?)シナリオが今回突然示されたことによる、さまざまなレベルの市場参加者の「期待」の変化が中期的に市場に与える影響は、このテーマに関しては無視できないものと考えられます。
しばらくは減産がらみの報道と原油先物相場の動向に為替も株も振り回されることになると思われますが、原油価格底打ちが今後確認されるようなことになれば、ドル円も株式市場もまだまだ上値余地は深いでしょう。
今晩米国では21:30に卸売在庫、2QGDP、個人消費、新規失業保険申請者数の発表がある他、明朝5時にイエレンFRB議長がカンザスシティ連銀主催のフォーラムに参加します。
序盤の欧州株価指数先物は堅調に推移しています。
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