明日の材料にらみつつ、目先はレンジ継続も
〇本日のドル円、144円半ばを中心としたトータルで30ポイント強のレンジ取引
〇明日の米雇用統計発表を控え、目先は144円台を中心とした揉み合いか
〇本日は米経済指標として週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.10-145.10
〇ドル高方向は昨日高値144.85が最初の抵抗、ドル安方向は本日安値144.35-40レベルに注目
<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は揉み合い。ドル、円ともに同じ方向に動くことが多く、結果としてドル/円はレンジ取引に終始している。
ドル/円は144.60-65円で寄り付いたものの、上下とも攻めにくい。144円半ばを中心としたトータルで30ポイント強のレンジ取引をたどっていた。一方で、円は対NZドルで売り進まれるなどの局面も観測されたが、ドルも同時に対NZドルでは軟調に推移し、結局ドル/円の動意には繋がらず。16時現在、ドル/円は144.55-60円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、北朝鮮が本日早朝にも弾道ミサイルを発射。わずか2週間足らずのあいだに6度目のミサイル発射になる。また、北朝鮮外務省は米空母の日本海展開について、「朝鮮半島と周辺地域の情勢の安定に、重大な危険をつくり出している」などと非難したうえで警告を発していたようだ。しかしその一方、緊急開催された安保理会合では中露の反対により、またもや「北朝鮮への非難声明」が出せず。そのため、ロシアによるウクライナ侵攻への対応などとあわせ、安保理の機能不全が各国でジワリと問題視され始めているという。
対して後者は、ウクライナ戦線における戦況が目まぐるしい。プーチン氏はテレビ演説で「併合4州の状況を安定化させる」と発言したものの、ウクライナのゼレンスキー大統領から「ウクライナ軍が南部ヘルソン州の3集落を奪還した」との発表が聞かれるなど、むしろ情勢はウクライナ側が優勢であるのかもしれない。そうしたなか、プーチン氏がサポロジエ原発国有化の大統領令に署名したとの報道や、ノバク副首相による「価格上限導入なら石油減産の可能性」といった発言など、西側への脅しや圧力と思しき動きも幾つか観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、短期的に形成していた143.90-144.90円というレンジの上下とも一時的にブレークするも続かず。押し戻されると、結果的に前述レンジを143.50-145.30円へと広げただけにとどまった感を否めない。明日に米雇用統計の発表を控えていることもあり、目先は144円台を中心とした揉み合いをたどる可能性もありそうだ。本日欧米時間は「嵐の前の静けさ」となるか。
市場の関心は引き続きユーロやポンドに高いようだ。フィッチによる英格付け見通し引き下げや、目まぐるしく変化するウクライナ戦況など、材料的にも注意すべきものが少なくない。本日も広義の欧州関連ニュースには要注意。それに対して、日米は目先の注目度が若干後退している。発表される米指標や要人発言、株価などの動きを注視しつつも、基本的にはレンジ取引か。本格的なドル/円の動意は、明日の米雇用統計発表後になるとの見方も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、かつての変動とは比べられないが、それでもドル/円は今週に入り一日の動意が1円を上回っている。少しずつだがレンジ放れに向けた下準備が整いつつある気もする。本日のみ、ということではレンジ取引を予想する向きが大勢ながら、明日には注目の米雇用統計発表が予定されていることもあり、平穏な展開が長続きすることはないとの見方が有力だ。次なる動意に向け、しっかりとした備えをしておきたい。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。昨日発表されたADP雇用統計はほぼ予想の範囲内ではあったが、明日に注目の雇用統計発表を控え、同じ雇用指数への関心は高い。また、ウォラーFRB理事による講演等も予定されており、それらもあわせて要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.10-145.10円。ドル高・円安方向は昨日高値144.85円が最初の抵抗。超えると145円前後、そして145.40円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の144.35-40円レベルの攻防にまずは注目。割り込むと、緩やかな右肩下がりをたどり、本日は143.80円台に位置する移動平均21日線が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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