シカゴポジション(CME)354
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年09月27日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは円のみが米ドル買い、その他の米ドル売りになりましたが、内容はオセアニア通貨が利益確定の動き、円もユーロもほとんど動かずとなりました。
まず豪ドルですが、前週に続き利確した動きとなりました。総枚数でも減っているので、流れはこのまま手仕舞い方向と思います。次回も減っていれば一度ポジションを戻してから次の一手の可能性が高くなります。一方、NZドルも利確していますが、まだネットで1万枚以上を保有しているので、先行きのNZドル安の相場観は維持しています。もし来週8,000枚を切るネットポジションになれば、オセアニア通貨の一段安狙いは見ておらず、相場は一度終わりと見ている可能性が高まります。今週は火曜日に豪州中銀、水曜日にNZ中銀の金融政策会合が予定されているので、先週はポジション調整になったと思われます。
円は僅かにドルロングを積み増した形になっていますが、総枚数は22,800枚減ですから、リスクを減らした形です。これで3週連続計42,200枚の減少となりました。明日締日の総枚数が重要になります。もしネットで5万枚、総枚数減の方向なら当面は140円台前半のレンジ、10万枚、総枚数増の方向に積み上げていれば新高値狙いの相場観になりそうです。ここ数週間の動きからは後者が予想されますが、ユーロのネットポジションが気に掛かります。そのユーロは前週とネット・総枚数共にほとんど変わらずにユーロロングを維持しました。13日締日終値が0.9970、20日が同0.9971、27日が同0.9594で、翌日28日に直近底値の0.9536をつけて0.9802まで回復しているので、シカゴはよく我慢した形です。相場観に自信あればロングを積み上げてきたと思われますが、それでも現状キープでユーロ先高観を維持しているので、今後2〜3週間でネット5万枚を越えるロングポジションを見たいところです。
シカゴはロング200枚増、ショート5,700枚減で、ネット5,900枚の豪ドルショート減になりました。今回もショートの手仕舞いですので、利益確定の動きが続いています。NZドルもややポジション調整気味なので、今後は上記の様にNZドルのネットポジションが8,000枚未満になるか、このままキープして豪ドルショート増になるかをみます。現状の動きでは前者の可能性が高くなっています。チャート内の赤の豪ドル安トレンドライン0.6360〜0.6850レンジの下限まできました。締日翌日の28日に0.6363の底値をつけて陽線引けで小反発しています。明日の締日終値でも0.6360を守れるのかをみます。
実際の相場は、先週「…現状は2020年3月の底値0.5507をトライする流れに入っています。強いサポートとしては0.6440〜50、0.6380〜90、0.6130〜40の順にあります。上値は0.6530、0.6570、0.6630に抵抗線にあり、最後の抵抗線越えだけ注意します」としましたが、2つ目のサポートで止まり、その後は最初の抵抗線(28日高値0.6532、終値0.6522)で止まり、直近は0.64台前半中心に動いています。先週できた月足は大陰線引けで、9月底値の0.6363は丁度2020年5月底値0.6371と顔を合わせています。
この2ヶ月前の3月に引け値が0.6135、下ヒゲで0.5507までトライしています。翌4月以降は5ヶ月連続の陽線になり、5月0.6171が2ヶ月目の底値となっています。流れはまだ豪ドル安で0.6135と0.5507をトライする形になっています。上値は0.6530、0.6620、0.6670〜80、0.6770の順に抵抗線があり、もし最初の抵抗線を越えて終われると、目先は0.6360〜80のサポートが強くなり、一度戻り高を確認した後に再度下限を試す流れになりそうです。従い今週は0.6360〜0.6530レンジのどちらに抜けるかとなります。シカゴがここでポジションを減らしたのもある程度肯けます。(1豪ドル=0.6431米ドル、10月3日13:30)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:橋本 光正
2022.10.03
豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)の予想(22/10/3)(*公表時間訂正)
明日10月4日火曜日、定例の豪州政策金利が発表されます。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。