ドル全面高の様相、続伸にも一応注意(9/26夕)

週明け26日の東京市場はドルが小高い。22日に政府・財務省介入が実施されて以降、初めての144円台を付ける局面も散見されている。

ドル全面高の様相、続伸にも一応注意(9/26夕)

ドル全面高の様相、続伸にも一応注意

〇本日のドル円、22日に政府・財務省介入が実施されて以降初めての144円台をつける
〇ポンド/ドルは本日東京時間に1.03ドル台まで下落し過去最安値を更新
〇ドルは対円以外、ポンドやユーロ、韓国ウォンなどに対しても「十数年ぶり高値」をつける
〇本日は米経済指標として、9月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.20-144.50

<< 東京市場の動き >>

週明け26日の東京市場はドルが小高い。22日に政府・財務省介入が実施されて以降、初めての144円台を付ける局面も散見されている。

先週末は、23日から始まったロシアの「編入投票」についてG7首脳をはじめ、アチコチから非難の声が噴出。また、安倍元首相の国葬にともなうハリス米副大統領の来日を前に、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことも話題となっていた。
そうした状況下、ドル/円は143.35円レベルで寄り付いたものの、ドルはじり高推移。先週実施された財務省介入への警戒感などもあり144円前後では上げ渋りとなるも、結果として同レベルを超え144.25円前後まで一時到達している。ただ鈴木財務相や黒田日銀総裁による「円安けん制発言」が聞かれたこともあり、さらなる円安進行には歯止めが。16時現在では144円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「英国情勢」について。
前者は、プーチン氏が強行したウクライナ戦況地域の「編入投票」について、世界各国から非難の嵐。たとえば、ウクライナ軍参謀本部が「ロシア側が武器で住民を威嚇し、精神的な圧力をかけて投票への参加を強制している」と暴露するなか、NATO事務総長が「投票は見せかけ」と発言、さらにはG7首脳からは「併合が行われたとしても承認しない」とする共同声明が発表されていた。なお、ロシア系通信社などの報道によると、ロシア議会が29日に併合法案を審議。翌30日にはプーチン氏が演説するほか、具体的な手続きも同日行われる公算が大きいという。

対して後者は、先日エリザベス女王の国葬が実施された英国で新たに発足したトラス新政権への信頼が揺らいでいる。具体的には、クワーテング財務相が打ち出した減税と追加の政府借り入れをともなう景気刺激策が嫌気されている感を否めず、また「政府と英中銀のあいだで政策に関する食い違いはない」などと反論したものの目立った効果は挙げられていないのが実情だ。それもあり、ポンド/ドルは本日東京時間に1.03ドル台まで下落し過去最安値を更新、「パリティ(1ポンド=1ドル)」割れを視界内に捉えた動きをたどっていた。安値を示現後は急反発をたどっているが、楽観視する向きはほとんどなく、再下落への警戒感を口にする向きも。

<< 欧米市場の見通し >>

22日の政府・財務省介入を受け、145円台から140円台まで5円を超える暴落をたどったドル/円だが、本日東京では一時144円台。これをフィボナッチの観点で言うと、下げ幅の61.8%戻し(143.75-80円)はすでに超えてきており、次のターゲットは76.4%戻し(144.60円)か。それも超えると、いよいよ「ドル高シーリング」145円台回復を否定できず、当局の介入姿勢を再度試す展開となりそうだ。
先週、日本の政府・財務省がドル売り・円買い介入に動いたものの、日米の金融政策に変更はなく、結果としてファンダメンタルズなども介入前と何ら変わっていない。辛辣な言い回しになるが、米紙WSJが報じたような「長期的な効果は期待できず、円買い介入は時間稼ぎ」に過ぎないのかもしれない。またドルは対円以外、例えば前述したポンドやユーロ、韓国ウォンなどに対しても「十数年ぶり高値」をつけていることを気にする向きも多いようだ。スパイラル的な動きからドル全面高が続くとの見方も。

テクニカルに見た場合、財務省介入もあり5円強もの暴落を一時たどったドル/円だが、再びドルはじり高推移。本日東京では一時144円台まで戻している。介入警戒感から、再び上げ止まるといった指摘が聞かれる反面、対ポンドなどドル全面高の流れから対円でも続伸をたどるといった声も聞かれていた。予断を許さない。

本日は米経済指標として、9月のダラス連銀製造業活動指数が発表されるほか、米財務省による2年債の入札にも一応注意。また、ボストン連銀総裁やアトランタ連銀総裁などによる講演や、本日からはじまった米韓軍事演習に対する北朝鮮の反発の動きなども場合によっては波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.20-144.50円。ドル高・円安方向は本日東京高値の144.25円レベルが最初の抵抗で、超えるとフィボナッチポイントの144.60円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、同様に本日東京安値である143.25-30円の攻防にまずは注目。割り込めば143円割れは否定できないものの142円台にサポートは多く、取り敢えず下げ止まりそうだ。

ドル全面高の様相、続伸にも一応注意

ドル円日足

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