トルコリラ週報:『トルコ中銀のサプライズ利下げと日本のサプライズ介入でリラは急落』(9/24朝)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は、9/7に記録した直近高値7.96円とトップに反落に転じると、週後半にかけて、一時7.64円まで下落しました(9/2以来の安値圏)

トルコリラ週報:『トルコ中銀のサプライズ利下げと日本のサプライズ介入でリラは急落』(9/24朝)

『トルコ中銀のサプライズ利下げと日本のサプライズ介入でリラは急落』

〇今週のトルコ円、インフレ高騰下の中銀2か月連続利下げに7.64まで下落、対ドルは史上最安値
〇テクニカルには3週持続したレンジ相場下抜け地合い悪化
〇ファンダメンタルズも欧米との関係悪化、エルドアン大統領の中銀への利下げ強要等売り材料多い
〇トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想、日銀介入によりドル円の円独歩安に変調も
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):7.50ー7.90

今週のレビュー(9/19−9/23)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初7.82円で寄り付いた後、@日銀による金融緩和政策の継続発表や、A黒田日銀総裁によるハト派的な発言、B上記@Aを背景とした円独歩安の流れが支援材料となり、週後半(9/22)にかけて、週間高値7.94円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Cトルコ中銀による100bpのサプライズ利下げ決定(インフレ高騰にも係わらずトルコ中銀は前回に続き2ヵ月連続で政策金利の100bp引き下げを決定)や、D上記Cを背景としたトルコリラの実質金利急低下、

E日本政府・日銀による24年ぶりの円買い為替介入(ドル円相場が5円超の暴落→トルコリラ円連れ安)、Fトルコ経済の先行き不透明感(トルコの主要株価指数の軟調推移)が重石となり、同日海外時間(9/22日本時間21時過ぎ)に、週間安値7.64円(9/2以来の安値圏)まで急落しました。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/24午前5時00分現在)では、7.78円前後で推移しております(尚、トルコリラの対ドル相場は、トルコと米国の金融政策格差が明確となる中、今週末にかけて史上最安値を更新しました)。

来週の見通し(9/26−9/30)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は、9/7に記録した直近高値7.96円とトップに反落に転じると、週後半にかけて、一時7.64円まで下落しました(9/2以来の安値圏)。この間、主要サポートポイント(一目均衡表雲上限や転換線、90日移動平均線や21日移動平均線など)を軒並み下抜けした他、3週間に亘って持続したレンジ相場(7.75円ー8.00円)を下方ブレイクするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象づけるチャート形状となりつつあります。ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコと欧米諸国との関係悪化懸念(エルドアン大統領とプーチン大統領の急接近→欧米諸国によるトルコへの圧力強化→関係悪化への警戒感)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測(米FOMCでの75bp利上げとドットチャートの大幅上方修正→年内125bpの追加利上げを織り込むと共に2023年の利下げ転換期待が消失)、

B上記Aを背景としたトルコから米国への資本流出圧力、Cトルコ中銀による更なる利下げ観測(消費者物価指数が歴史的高水準を記録しているにも係わらずトルコ中銀はエルドアン大統領の圧力に屈する形で政策金利の引き下げを2会合連続で実施→政策金利引き下げとインフレ加速の組み合わせでトルコリラの実質金利は急低下→トルコリラ売り)、Dトルコ経済の先行き不透明感、E双子の赤字(経常赤字・財政赤字)を背景とした構造的なリラ売り圧力など、トルコリラのダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。日本政府・日銀によるサプライズ介入も、ここ数カ月間続いてきた円独歩安のトレンドの終息に繋がる可能性が高いことから、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(トルコ中銀による追加利下げ観測と、本邦通貨当局による追加円買い為替介入観測を背景に、トルコリラ円相場は8/2に記録した直近安値7.24円に向けて下げ幅を広げるシナリオを想定)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):7.50ー7.90


注:ポイント要約は編集部

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トルコ円日足

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