Jホール会合始まるもドル円はレンジ継続か
〇本日のドル円、保ち合い後に緩やかな右肩下がりで136円半ばまで値を下げる
〇ウクライナに英国が5400万ポンドの軍事支援、米国も30億ドルの追加軍事支援を正式発表
〇本日から27日にかけ米ジャクソンホール会合開催、パウエルFRB議長の講演は26日
〇本日は4-6月期のGDP統計改定値や週間新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.80-137.00
<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場はドルが弱含み。レンジは決して広くなかったが、「寄り付き高・大引け安」の様相だった。
ドル/円は137.10円レベルで寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。ジャクソンホール会合への関心を集めつつ、市場は137円前後をサポートに底堅く推移したものの、底割れすると緩やかな右肩下がり。夕方には136円半ばまで値を下げ、16時現在ではそのままドル安値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「日銀委員発言」について。
前者は、24日がウクライナの独立記念日に当たるなか、懸念された「ロシア軍が攻撃を強化」といった事態は取り敢えず見送られていたもよう。ただ、ウクライナ発で「ドニエプロペトロフスク州チャプリンの鉄道駅がロシア軍によるミサイル攻撃を受け、少なくとも22人が死亡した」というニュースは別途観測されている。そうしたなか、もう少しで任期切れとなる英国のジョンソン首相が再びウクライナを電撃訪問。ゼレンスキー氏と会談したうえ、5400万ポンドの軍事支援を約束したという。また、米国も前日などから話題となっていた「30億ドル」の追加軍事支援を正式発表。まだまだ予断を許さないようだ。
対して後者は、中村日銀審議委員が福岡県金融経済懇談会であいさつした際の発言などが一部で話題に。金融に関しては「物価目標が持続的かつ安定的に達成できる状況にない」、「現時点では現在の金融緩和を継続する必要がある」などと述べたほか、為替に関しては「米金利の引き上げにより、ボラティリティはかなり高い状況にある」、「為替の影響については経済の実態を見ていく」と指摘していた。
<< 欧米市場の見通し >>
23日にまさかの一日で2円近い変動をたどったドル/円だが、その後は再び落ち着きを取り戻しつつある。昨日から本日東京に掛けては、ざっくり136.20-137.20円といった約1円レンジだ。このあとも、引き続き狭いレンジのなかでの一進一退が続く可能性もある。ただ、まだサマーバカンスのシーズンにあり取引も通常より薄い状況にあることで、「夏枯れ=荒れ模様」という動きにも一応注意しておきたい。
日米を中心とした各国の金利情勢に一喜一憂する環境下、本日から27日にかけていよいよ注目の米ジャクソンホール会合が開催される。市場でもっとも注視されているパウエルFRB議長の講演は26日とされるが、まずはそれ以外の講演などにも警戒が必要かもしれない。なお、一部市場筋の関心はドル/円より、ユーロ/ドルに高い状況。ザポロジエ原発をめぐる動きを含めた広義のウクライナ情勢、関連ニュースなどにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は大局的にはレンジ取引で、再び落ち着いた動きとなっている。本日から注目のジャクソンホール会合が始まるものの、もっとも注視されているパウエル講演は明日。したがって、予断を許さないものの、本日の欧米時間も136円台を中心とした比較的狭いレンジ内での一進一退が続く可能性はある。ただ、136.20-137.20円といった1円レンジを放れるようだと要注意で、底割れなら135.82円、上放れ達成なら137.70円を目指す展開となりそうだ。
本日は米経済指標として、4-6月期のGDP統計改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米財務省による7年債の入札も実施される予定だ。ただ、最大の注目要因はジャクソンホール会合で、参加要人などによる発言が波乱要因となりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.80-137.00円。ドル高・円安方向は時間など短期のチャートを見ると137円手前にもオファーが並びつつあり上値は重そう。上抜けても137.20-25円では頭も重いか。
対するドル安・円高方向は、昨日安値136.18円の攻防にまずは注目。割り込めば135.82円を目指すが、取り敢えず大崩れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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