ドル円、上下しつつも方向感見出せず。今晩はいよいよ注目のパウエル議長講演
〇ドル円、米国時間朝方に136.32まで下落するも、その後136円台後半に持ち直す
〇良好な米経済指標、FRB高官のタカ派発言等がドル円をサポート
〇ユーロドル、エネルギー危機への警戒感、ECB理事会議事要旨のハト派内容に0.9951まで反落
〇ドル円様子見気分強く、2日間に亘って136.25ー137.25をコアレンジとした上下動に留まる
〇本日、ジャクソンホール会議のパウエルFRB議長講演に注目
〇予想以上にタカ派的な講演となる可能性あり。同会合後の米ドル急伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:135.75ー138.75
海外時間のレビュー
25日(木)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感を見出せず。@米金利上昇に伴うドル買い圧力や、A公表相場決定にかけての5・10日フロー(ドル不足→ドル買い)、Bテクニカル的な地合いの強さが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値137.21まで上昇しました。しかし、前日高値137.26を超えられず伸び悩むと、C米金利低下に伴うドル売り圧力や、Dジャクソンホール会議を控えた警戒感(ドル高の巻き戻し)、E対オフショア人民元でのドル売り圧力(中国国家外為管理局は8/24に過度なオフショア人民元売りに対してけん制)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値136.32まで反落しました。もっとも、一目均衡表雲上限に続落を阻まれると、F米4ー6月期GDP価格指数(結果+8.9%、予想+8.7%、※前期比)の市場予想を上回る結果や、G米4ー6月期実質GDP改定値(結果▲0.6%、予想▲0.7%、※前期比年率)の市場予想を上回る結果、
H米新規失業保険申請件数(結果24.3万件、予想25.2万件)の良好な結果、Iアトランタ連銀ボスティック総裁による「年内にまだ利上げ余地がある」「インフレがピークアウトしたと判断するのは時期尚早」とのタカ派的な発言、Jフィラデルフィア連銀ハーカー総裁による「金利を上げてからすぐに下げるというスタンスではない」「FRBは年末までに金利を制限的な水準まで引き上げる必要」とのタカ派的な発言、Kカンザスシティ連銀ジョージ総裁による「4%以上の金利を維持することは問題外ではない」「インフレが低下しているという証拠が出るまで利上げを行うべき」「利上げ余地はもっとある」とのタカ派的な発言、Lセントルイス連銀ブラード総裁による「利上げ局面は長引く必要があるかもしれない」とのタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間8/26午前5時10分現在)では、136.54前後まで持ち直す動きとなっております。
25日(木)のユーロドル相場は振れを伴いつつも方向感を見出せず。@米金利低下に伴うドル売り圧力や、Aジャクソンホール会議を控えた警戒感(ドル高の巻き戻し)、B対オフショア人民元でのドル売り圧力が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、高値1.0033まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C欧州を巡るエネルギー危機発生への警戒感(天然ガス先物価格の更なる上昇)や、D上記Cを背景とした欧州経済の下振れ懸念(インフレ加速→スタグフレーション懸念)、E米経済指標の良好な結果、F米当局者によるタカ派的な発言、GECB議事要旨のハト派的な結果(50bpの利上げを決めた7/21のECB理事会で数人のメンバーが25bpの利上げを主張していたことが判明)が重石となり、米国時間にかけて、安値0.9951まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/26午前5時10分現在)では、0.9974前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は重要イベントを控え様子見ムードが強まる中、2日間に亘って136.25ー137.25をコアレンジとした上下動に留まりました。こうした中、本日はいよいよ今週のメインイベントである「ジャクソンホール会議のパウエルFRB議長講演」が発表されます(日本時間23時開始予定)。例年同会議におけるFRB議長講演のパートは「金融政策方針に係るKeyメッセージが発せられる場」として注目されているため、今回も、@9月FOMCの利上げ幅(50bpか75bpか)、A10月以降の利上げペース(利上げペース継続か利上げペース鈍化か)、B来年の利下げの有無を見極める上で重要となります。パウエルFRB議長は先月のFOMC後の記者会見でハト派的(利上げペース鈍化を示唆)な言及を行いましたが、その後の米当局者発言は軒並みタカ派的なスタンス(インフレピークアウト議論は時期尚早との言及や大幅利上げスタンスを継続すべきとの言及など)に転じるなど、
米FRBメンバーの予想外な積極姿勢が明らかとなりました。こうした経緯を踏まえれば、今晩のパウエルFRB議長講演は「タカ派的な結果」となりそうです。パウエルFRB議長が景気よりインフレ抑制を優先する構えを示す場合や、インフレピークアウトや利下げ議論は時期尚早とのメッセージを強めに発する場合には、現在市場で織り込まれている来年の利下げ観測が後退し、米長期金利の上昇に連れて、ドル円が7/14に記録した直近高値139.40や、心理的節目140.00に向かって急伸するシナリオも想定されるため、本日海外時間はドル円のアップサイドリスクに特に警戒が必要でしょう(予想以上にタカ派的な講演となる可能性あり。同会合後の米ドル急伸をメインシナリオとして予想)。
本日の予想レンジ:135.75ー138.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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